化石マップ

(引用文献:山名巌 1997 鳥取県の化石誌 P.6より)



鳥取層群

 県の東部(八東川流域〜岩美郡)には新生代第三紀中新世に堆積した地層群分類している。これを一括して鳥取層群と呼んでいる。中新世のはじめごろ、沈降がはじまり、陸からしだいに海の環境に変わっていきました。今から1,700万年前の新生代第三紀中新世には、鳥取県南域まで日本海が広がっていた(古日本海)。海に堆積した地層は中国山地の山間まで分布した。この層に含まれる植物化石やビカリアなどの貝化石から当時の気候は亜熱帯から熱帯を示す暖かい環境だったことがわかります。諸鹿礫岩層は熱帯沿岸性の化石、普含寺泥岩層は亜深海性の化石を産出します。舂米(つくよね)、美歎(みたに)、宮ノ下、明辺(あけなべ)とともに、岩美郡国府町上地(わじ)は古くから化石の採れることで有名です。 鳥取層群層序表へ

三朝層群

 三朝層群は多くは火山岩類からなっています。辰巳峠層、恩原層、人形峠層などに分けられます。後期中新世から鮮新世にかけて、河川がせき止められることによって生じた陸水域堆積物です。中でも辰巳峠層を堆積した陸水域は比較的大きく、珪藻土層も含まれ、このことから古環境は流れの静かな湖水を想像させます。辰巳峠層は灰色泥岩から良好な植物化石を多産します。他に昆虫化石やまれに淡水魚化石も産出します。ここで産出する植物化石はこれまでの調査で158種が確認され、ただ一カ所の露頭でこのように多くの種類が産出するのはきわめてめずらしいことです。 三朝層群層序表へ

多里層

 多里層は第三紀中新世の地層で、多くの海生動物化石を産出します。多里層の層序には明確な2回の堆積サイクルが認められています。第一サイクル中位の泥質砂岩層は熱帯マングローブ泥底を示すフネガイ科ーウミニナ科群集が確認される。サメの歯の化石(メジロザメ属の一種)も第一サイクルから採取されます。第二サイクルの礫層の上位の砂岩層はフネソデガイをよく産出するので、一時期やや冷温水の海域(水深)が想像されます。最上部の頂上礫層では再び、熱帯の外洋沿岸性化石群に移行します。