今年も、桜花爛漫の時節を迎えました。「育英の桜」は実に見事で、特にグラウンドの桜並木は圧巻です。
数年前、グラウンドの改修工事で並木の中央にある桜の大木が切り倒されそうになったことがありましたが、排水溝の工事予定進路を変更してもらい難を逃れました。
「育英の桜」は、本校で学んだ生徒はもちろんのこと、本校に勤めた経験のある教職員にとっても、いつまでも心に残る学校の風景です。
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ホームページを閲覧していただいた皆様に春繚乱と咲き誇る「育英の桜」をお届けします。
2月14日(土)倉吉未来中心で、本校卒業生の足立紳氏(H3卒)が脚本を手がけた映画「モンゴル野球青春記」の上映会がありました。私は、佐伯同窓会長、宍戸教頭と一緒に鑑賞しました。
映画は、モンゴルの大草原を列車が走り抜けていく場面で始まります。日本の若者が未だ野球が普及していないモンゴルで、少年に野球を教えるという物語で、若者のピュアな心に少年たちや野球チームの関係者が動かされ、やがて国際試合に参加するようになるという感動作品です。しかし、単なるサクセスストーリーではなく、少年たちのチームはどことやってもぼろ負けで、モンゴル人の監督は不器用で怒ってばかり、と登場人物にヒーローは一人もおらず、映画を見ていると、つい、応援したくなってしまうような作り方がしてあります。うまいなあ…。と思いました。
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私は、育英の卒業生に足立紳氏のような脚本家がいることをこれまで知りませんでした。足立氏はどんな高校生だったのでしょうか。決して優等生ではなかった…、とスピーチではおっしゃってましたが。
パンフレットには、「百円の恋」(第1回松田優作賞)、「佐知とマユ」(第38回創作テレビ大賞)他10作品が紹介されていました。足立氏は現在42歳、脚本家としてはまだ若い方ですから、これから日本を代表する作家になられるかも知れません。監督もやってみたいと言っておられました。
育英から、日本アカデミー賞の映画監督が生まれるかも知れません。楽しみですね。
史上最高の年が始まる
校長 横山尚登
新年を迎えるにあたり「史上最高の年が始まる」と確信し、ご挨拶を申し上げます。
本校は創立108年という長い歴史があり、その年年に生徒と教職員の活動がありました。そして、その年年に学校を支えていただいた保護者の皆さん、地域の皆さん、同窓生の皆さんの熱い思いがありました。学校の活動はどの年も輝きを放っており、卒業生にとっては在学当時のその学校こそが青春のすべてでありましょう。
しかし、新年を迎えるにあたって敢えて申し上げます。「史上最高の年が始まる」と。
今年は「地域探究の時間」を本格実施します。この取り組みは、生徒が地域の魅力や課題を探究し、生まれ育ったふるさとのために自分に何が出来るかを考える時間とします。生徒たちは、やがて本校を卒業して全国に飛び立ち、あるものは世界に挑戦するかも知れません。しかし、たとえ国際社会で活躍するような人物になっても、ふるさとを忘れず、地域に貢献する気持ちを持ち続けてほしいのです。そして、本校を巣立って行く生徒の中から、ふるさとのリーダーとして活躍するものが数多く育つことを願い、この取り組みに挑戦することとしました。
また、県内外の高校生と意見交換する場として、12月に「地域創造ハイスクールサミット」の開催を計画しています。地域の課題は今や日本全国の課題です。これらの活動を通して視野を広げ、自らが社会のために何を為すべきかを主体的に考える機会としてほしいと考えています。
探究活動に取り組むことにより生徒の学ぶ意欲に火がつき、学習や部活動、生徒会活動などがより一層充実すると確信しています。
「史上最高の年が始まる」、長い歴史の中でいつも輝いてきた育英という学校のステージは、今年その輝きを増します。皆さんと共に喜びを共有できる年にしたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
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※「史上最高の年が始まる」という年頭の挨拶文は、寿スピリッツ株式会社 河越誠剛社長 のオリジナルです。河越社長の許可を得て使用させていただきました。
11月29日(土)、「由良まちYUMEナリエ点灯式」(由良宿町づくり協議会主催)に参加してきました。
北栄町大栄地区の中心街であり、本校が位置するまちでもある由良宿で、クリスマスを控えてイルミネーションの点灯式がありました。毎年恒例の行事ですが、今年は本校書道部が依頼を受けて「夢、和、絆」の三文字をシンボルタワーに書かせてもらいました。
点灯式は松本町長さんの挨拶に始まり、私も一言述べさせていただいて開会しました。コーラスグループの歌もあり、町内のみなさんがたくさん集まってにぎやかに過ごしました。書道部の生徒たちが町おこしに役立ったことは大変嬉しく思います。ありがとうございました。
シンボルタワーに「絆」の文字
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由良宿のまちがにぎやかでした
※写真提供 宍戸悟氏 |
来年度実施に向けて準備中の「地域探究の時間」について、前回に続いてご説明いたします。
「地域探究の時間」の目的は、生徒が地域の魅力や課題など、地域のことをよく知り、自らが地域に貢献する意欲を持てるようにすることです。
鳥取県には魅力的な資源が豊富にあると思います。鳥取砂丘、大山、山陰ジオパークなどの美しい自然。松葉ガニ、スイカ、二十世紀梨などの美味しい食材。皆生、三朝、関金などの豊かな温泉。親切で、優しく、人情味のある県民性。などなど、よく言われる鳥取県の美点以外にも本当はもっと沢山の魅力がある筈です。
本校の生徒には”ふるさと自慢”ができる大人になってほしいと思います。日本全国どこに行っても自分のふるさとを誇らしく語れる人であってほしいと思います。そして、ふるさとのために貢献したいと願う人であってほしいのです。
今月12日(火)に、北栄町と本校とが「地域探究の時間」推進に関する協約を結ぶ運びとなりました。北栄町が推進しておられる「コナンの町づくり」に本校の生徒も参加して、積極的にアイディアを出し、魅力的な企画を立てるなど、互いに協力して取り組むことになります。
北栄町と連携することによって、この取り組みは長期的なビジョンで継続的に行われることになります。今後の活動に、ご注目ください。
校長 横山尚登
鳥取中央育英高等学校では、現在「地域探究の時間」の創設に向けて準備をしています。
「地域探究の時間」というのは、高校生が自分たちの暮らす地域の魅力や課題を調査研究し、地域に貢献できることは何かを考察し実践する取り組みです。総務省が発表した2040年予測(20代30台の女性が半減し地域が消滅する)に挑戦する取り組みでもあります。また、普通科高校におけるキャリア教育の考え方に切り込む取り組みでもあります。
具体的には、鳥取大学の協力を得て、地元北栄町と連携して地域の歴史文化、産業経済、教育福祉、観光など様々なテーマについて研究します。(鳥取大学、北栄町とは4月から協議を重ねてきました)
この取り組みの成果として期待することは次の2点です。
(1)生徒が高校在学中に自分自身の将来ビジョンを描き、地域貢献並びに地域創造の志を立てること
(2)高校卒業後は全国各地へ飛び立ち、学んだことをやがて地域に持ち帰り、故郷の発展のために貢献するようになること
もちろん、卒業後すぐに地元に就職する生徒もあり、中央で活躍する志や世界に羽ばたこうと夢を抱く生徒もいます。もとより、そのような夢や志を閉ざすものではありません。
次回は、現在の進捗状況について報告します。
校長 横山尚登