ア.中学校と高校の数学はここが違う
中学校までと違って、高校の数学では論理的、体系的な思考が重要になる。テストの答案も結果だけではなく、むしろ途中の思考過程や証明方法などを重視する。
したがって、高校数学はただ授業を受けるだけではとてもその内容を消化できないので、授業の予習
や復習に毎日最低1時間程度の家庭学習をする必要がある。
イ.予習・授業・復習一間題練習につきる
中学校と同様に、高校でも授業中心、教科書中心の学習方法が最も効率的で無理がない。
数学では予習が第一である。教科書においては、まず本文を読み、基本事項を理解しながら、例→問→練習の順に自分の力でノートに解き、疑問点や不明な部分をチェックしておく。この準備があるとないとでは授業を受ける意欲・理解度が全然違ってくる。自分の疑問点が授業時間内に解決できないときは、先生や友達に質問する。疑問が生じたら必ず解決する習慣をつけるとよい。
授業が終わり、疑問点も解決したら、せっかく理解した事項を忘れにくくするためにも類似の問題をいくつか家庭学習において解いてみる。これが復習の第一の効用である。こうした類似の問題は、問題集や参考書に出ているので、それらを活用する。余裕があればさらに進んだ問題を解いてみる。そのとき使った解き方のコツやポイントは、ノートに朱書きでもしておくとよい。週末には「週末課題」と呼ばれる宿題を出すので、必ず提出すること。
ウ.問題集一実力アップのために
むやみに難しい問題ばかり集めた問題集は、初心者には不向きであるばかりか、逆に疑問点ばかり増して理解を妨げる。学校でまとめて購入するものは程度も適当でよい。この間題集にある問題を徹底してやり抜いてもらいたい。
エ.ノートのとり方
教科書中心に講義を記録し教科書の問題を解くノートと、問題集用のノートの少なくとも二冊は用意しよう。講義用ノートは、講義の内容や板書事項のうち、自分で必要かつ重要と思われるものだけを書く。授業中に思いついた点や、大切だと思われる事柄は板書になくても書き込むこと。教科書の問や練習を解いて、自分の解答を書く際には、自分の解答のそばに空欄を作っておき、先生の説明するポイントや別解などをあとで書き入れる。
問題集用のノートにおいても、自作の解答を書く際には別解や参考事項などを書き込むためのスペースを十分に取っておくこと。
オ.定期テスト対策?前日にあわててもダメ。
数学の学習は定期テストの2・3目前だけ頑張っても効果は上がらない。むしろ毎日少しずつ時間をかけて反復練習することがコツである。前述したように、授業当日の復習で理解し、問題演習をすることが最善の策と思う。定期テスト以外にもテストを行うので、毎日勉強しておくことが大切である。
テストは普段の問題演習と違って時間の制限があり、また問題も難しいことが多い。答えのみを要求せずに途中の過程を採点のポイントにすることが多いので、問題を解くときには、いつもノートに模範解答を書くつもりで練習しておくとよい。