入学式式辞

入学式式辞

 穏やかな春の良き日、令和3年度、鳥取県立米子東高等学校入学式を挙行するにあたり、PTA会長 秦野 啓一 様、勝田ヶ丘同窓会長 坂口 千加広 様、灯陵会長 児島 徹 様のご臨席を賜り、保護者の皆様ご出席のもと、新入生の皆さんを祝福できますことを、高段からではありますが、心よりお礼申し上げます。
 ただいま、入学を許可した全日制課程280名、定時制課程10名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。
 そして、これまで皆さんを温かく見守り、支えてこられた保護者の皆様にも心からお祝いを申し上げます。
 本校は、明治32年、1899年に創立され、令和元年11月に120周年記念式典を挙行した輝かしい歴史と伝統を誇ります。明治、大正、昭和、平成を経て、「令和」の時代となっても社会の発展に寄与する人財の育成を、その使命としています。教育目標は、「未来を拓く人財の育成」です。みなさんがこれから先の未来を切り拓き、社会に貢献し活躍できる人財になることを目指しています。幅広い学習に取り組み、友人と切磋琢磨しながら人間性を高め、知識や教養を身に付けてください。
  定時制課程のみなさんは、これまでに経験のない夜間での学習となります。今後の目標を明確にし、強い意志を持って粘り強く学習に取り組んでください。
 全日制課程のみなさんは、スーパーサイエンスハイスクールに指定されている本校の特色である「課題探究」、「科学を創造する人財育成事業」、オーストラリア・アデレードへの「海外研修事業」などを通じて、科学的思考力、判断力、表現力の育成に努めてください。
  それでは、高校生活のスタートに当たり、みなさんに一つお願いがあります。それは、一度しかない人生を自分らしく精一杯生きるために、みなさんひとりひとりが持っている才能をどのように発揮して、社会に貢献できるのかを考え、高校3年間を過ごして欲しいということです。
 2014年に軽井沢で全寮制国際高校を開校した小林りんさんは、高校生のころに理想の教育について考えはじめ、大学を卒業後、ユニセフの責任者としてフィリピンに駐在しました。フィリピンでストリートチルドレンの教育に携わる中、リーダーシップ教育の必要性を痛感し、日本に帰国後、100人の支援者を集め自分の理想とする学校を設立しました。小林さんは、「自分を突き動かすものは何なのか、今一番大切なことは何なのか?」この最も大切な問いを自分に投げかけ続け、行動し、学校をつくりました。驚くべきスピードで価値観の多様化が進んでいくこれからの社会には、情熱と使命感を持った社会を変革する人材が必要となります。皆さんも、自分の可能性を信じて挑戦してください。
 また、保護者の皆様にもお願いがあります。新入生のこれからの3年間は、知識や理解力が飛躍的に向上するだけではなく、人間的にも、様々な悩みを克服しながら大きく成長する大切な時期です。本校では、教職員一丸となって教育活動に取り組むとともに、精神的にも成長を支えていきます。しかし、精神的な成長には、保護者の皆様のご協力が不可欠です。どうか、機会あるごとにはげましの声をかけていただきご協力いただきますようよろしくお願いします。
 結びになりますが、お忙しい中、本日の入学式にご臨席を賜りましたご来賓の皆様方に心より御礼申し上げます。今後とも新入生並びに米子東高等学校教育に対しご指導ご鞭撻をお願いします。
 新入生の皆さんが健康で、充実した高校生活を送り、将来の夢に向かって大きく飛躍することを祈念して式辞とします。
  令和3年4月7日
  鳥取県立米子東高等学校長 田辺 洋範