R6年度の進路室を振り返って 「機会・選択・行動」のきっかけづくり
2025年2月6日 13時43分R6年度の進路LHRや放課後キャリア塾を振り返ってみます。
【進路LHR】
① 10/6(水)1年生キャリアパスポート(1年生は年間全9回実施) 各クラス担任
1年生の進路LHRは、5年後、10年後の“なりたい自分”を描く、未来のキャリアデザインを意識した7つのプログラムで構成されています。他者の色々な考え方を通して様々な就労観を知り、最終的には自分の思い描く進路選択の基準を考えてみよう、ということが目標となっています。プログラムのSTEP5にある「ジョハリの窓」(自己理解・他者理解のための交流分析ワーク)は、昨年に引き続きクラス担任の指導の下、10月6日(水)に実施されました。自分でも気づかなかった「自分らしさ」「素晴らしさ」を、いつの間にか他者は自分と交流しながら気づいてくれていたという、プレゼントを友人から頂けるグループワーク。思いがけず自分の長所を言ってもらって、嬉しそうな表情をしていた生徒、怪訝な顔をしていた生徒。各クラスがほどよく温まっていました。
② 12/4(水)3年生進路講演会 講師:coaching office BEANS 代表取締役社長 遠藤尚子氏
coaching office BEANS 代表取締役社長 遠藤尚子氏に講演をして頂きました。地元鳥取県の、ふるさとに根付いた若者のキャリア支援を行っておられ、「子供たちが誇りに思うふるさと創り」をモットーに様々なプロジェクトを通して人財育成サポートに携わっておられます。コミュニケーションを通じて「まちを元気」に。「BEANSラボ/まちの進路相談室」を立ち上げ、ふるさとの未来、学生のキャリアを一緒に考え育んでおられる現場の紹介や、これから社会人としてカウントダウンが始まっている本校の3年生に対して、「大事なことは数値化できていないことにある。」「大学では何を目的にどう過ごすのかが大事。」「不安は、まず行動で解消する。」「リーダーになる人は今やってる業務のその先のことが見えている。ならない人はその仕事をやるだけ。」「失敗の中でも成長につながる失敗と、成長につながらない失敗がある。」等など、有難いお言葉を頂きました。失敗を恐れずチャレンジしようという激励を受けて、「就職が決まったというだけで浮かれていた自分がいた。新生活への不安を行動で解消できるよう気を引き締めていきたい。」と感想に書いていた生徒や、「会社名や大学名があなたの将来ではないと言われて、そんな先のこと考えたこともなかった・・。」と考え直していた生徒も。よい刺激となりました。
③ 12/11(水)3年生接遇研修「実践!電話応対/社会人としてのビジネスマナー」 講師:本校キャリアアドバイザー
「工業高校で卒業後は製造業等の技術職に就くから、人と接する時の待遇をいかに磨くかなんて他人事」だとどこかで思っている人もいるかもしれません。しかし、ものづくりに携わっていく人だからこそ、製作現場において正しいコミュニケーションで、報告・連絡・相談が出来ていないと、会社や自分にとって大変な事故に巻き込まれてしまうこともあるかもしれません。働くルールや社会人としてのマナー、電話応対を軽視していると、働く自分や製品を使うお客様にとって一番大事な命が守れないケースだってありえるのです。この日は、コミュニケーションの第一歩として、あいさつは「する」「返す」でワンセット、入社前の手続きに即役立つ「人事担当者に電話をかける」演習を、生徒自身に実践してもらいました。カンペ通りに電話の受け答えをする生徒もいれば、うまく「承知いたしました。」とあいづちを交えながら対応する生徒、いきなり用件、本題に入る前に「恐れ入ります」という言葉がスッと出てこなくて戸惑う生徒。昭和な黒電話と現在のプッシュフォン、スマホが登場し、各クラスの生徒に前に出てもらい電話応対の実演をしました。学年集会でのこの取組は本校初でした。進路指導主事とキャリアアドバイザーが人事や受付担当の役をし、生徒と入社手続きのやりとりをしました。失敗を恐れず生徒が果敢にチャレンジした結果、爆笑を誘ったり盛り上がったりで・・・残念ながら写真を撮ることをすっかり忘れてしまいました。(次年度は忘れないようにしたいです。)3年生就職者はこの後、放課後キャリア塾にてこの日の復習をすることになりました。12月13日に「社会人準備講座①~社会人と学生の違い~」、1月15日に「社会人準備講座②~労働契約クイズ、働く人のルールと福利厚生制度~」を、就職者全員参加で受講しました。今年度は遠藤氏の講演も含めて4本柱で、社会人としての心構えを学ぶ機会がありました。
④ 1/8(水)2年生学年集会「求人票の見方」 講師:本校キャリアアドバイザー
求人票の見方は、キャリアパスポートにサンプルとチェックポイントが掲載されています。しかし、求人票の表部分にある、賃金や休日に関することや仕事内容等はしっかりチェックしても、裏面に何が記載されているかは意外と素通りしていることが3年生や教職員間でも「あるある」なのです。自分の求める会社を見つける際に、最も重要視したほうがよい事項は、実は求人票の裏面に多く記載されているのです。例えば、表面にある就業場所や転勤の欄には、米子市の住所や転勤「なし」と記載されていたとしても、裏面の求人条件にかかる特記事項の欄には、実は教育研修が1年間県外であることや、その際の宿舎についてなど、表面に書ききれなかった就業場所についての詳細な情報がある場合が多々あります。また、有給休暇を入社日から20日間も設けている会社だとしても、裏面の企業全体の情報として、前年度の社員全体の「有休平均取得日数」や「残業時間の月平均時間」と照らし合わせてみないと、実際に働く現場の、福利厚生の実施状況が見えてきません。そして、求人を選ぶ上で最も大切な新卒高卒者の3年間定着率(離職率)。これも裏面の青少年雇用情報の中の情報の一つとして、比較的地味に掲載されています。これらのことを、しっかり2年生のうちから知っているのと、知らないのとでは、「私のための1枚の求人票」を探す動機が、「会社名と賃金」になってしまう可能性大です!3年生になった今年の夏に是非とも思い出してほしいものです。