「先生たちも勉強してるんですよ① 2年3組社会の授業」の巻
2024年5月27日 09時00分 湯梨浜中学校では開校時から協同学習に取り組んでいます。協同学習に関する考え方は今後学校だよりで説明していきたいと考えています。その考え方を授業の中でどのように実践しているのかについては、ホームページで頻繁に更新していく「先生たちも勉強してるんですよ」のシリーズで紹介していきたいと思います。第1回目の「先生たちも勉強してるんですよ」では、神宮先生が2年3組で行った社会科の研究授業の様子を紹介します。この時間の学習課題は、「『持続可能な社会』を実現するための課題を解決するために交通網の発達・整備が欠かせないことを、3つの視点を使って説明できるようになろう」でした。このように授業のゴール(授業最後に学習課題について説明できれば合格)を明確にすることによって、その時間に何ができればいいのかをはっきりと示すのも協同学習の特徴です。
授業は前時の復習として5問テストを実施し、隣同士で丸付けをすることから始まりました。
ここからがいよいよこの日の授業の始まりです。まずは学習課題の確認と授業の流れを説明するところから授業は始まりました。授業の最初に授業の流れを説明し、生徒に見通しを持たせるのも協同学習においては大切な点です。そして、まずは各自が4つの資料から日本の輸送の特徴を読み取りました。その後、ペアで互いの意見を情報交換しあいます。個人思考でしっかりと頑張っておかないとペアの相手に迷惑をかけてしまいますので、みんなが真剣に考えます。
次に、班内で3つの視点(農林水産業、工業、商業・サービス業)を分担し、自分が担当した視点の課題の解決と交通網の発達・整備との関連について各自がまとめました。そして、クラス内で同じ視点についてまとめた仲間が集まり情報交換し(専門家グループと呼んでいます)、自分の考えを深めます。最後に自分の班に戻り、それぞれがまとめた内容を発表しあうことによって、3つのすべての視点のまとめを共有しあいます。これはジグソー法といって、協同学習ではよくつかわれる学習法のひとつです。自分はひとつの視点しかまとめていないのに、3つの視点のまとめ(何人もの専門家のいいところを取り入れたまとめ)が手に入ることになるのです。
3つの視点についてのまとめができたところで、いよいよ学習課題についての考えていきます。班で得られた情報をもとに、学習課題についてそれぞれがまとめ、ロイロノートで意見共有して自分の考えを深め、意見を加筆・修正して最終的なまとめを完成させます。ここでわかるのが、クラス全員、班全員が視点ごとのまとめを頑張るほど学習課題は達成しやすくなるのです。このように、個々の頑張りがクラスの力に、クラスの仲間の頑張りが個々の力へとつながっていくような授業が協同学習なのです。
最後は、意見交換で得たことを参考にしながら学習カードをまとめて授業の振り返りとしました。協同学習ではこの振り返りも大切にしています。