沖縄潜水航海NO.12
2015年7月12日 21時30分
今日は阪神内燃機工業へ企業見学に行きました。船からJR神戸駅に35分かけて徒歩で移動し、新快速でJR西明石駅へ移動して、駅から徒歩で20分、やっと工場へ着きました。室長の生徒は、西明石駅から工場へ歩いていく間、すれ違う人に「こんにちは」と挨拶をしていましたが、「境港だったら挨拶をしたら返してもらえるけど、こっちの人は返してくれる人が少ない」と言っていました。また、自分たちの地元の良さを再発見することができたようです。
阪神内燃機工業は私たちの練習船「若鳥丸」の主機を製造したメーカーです。主に若鳥丸のような499tクラスのエンジンを製造されていることがわかりました。海洋技術コースの生徒にとっては、ふだんはエンジンを組立てられた状態でしか見ることが無いので、シリンダライナやピストン、クランク軸などの実物を見て、とても勉強になったと思います。企業の方の話を伺って印象的だったのは、製造したエンジンに最後まで責任を持つという姿勢です。若鳥丸にもエンジンの様子を見に来られることもあるそうで、船がいかに色々なメーカーからサポートを受けながら運航されているのかがよくわかりました。また、解説をして下さった品質保証部長の方は、「若鳥丸の建造に関わったので、特に思い入れの強い船だ」と言っていただきました。自分たちが航海実習を行っている船も、建造に携わった人たちはずっと注目してくれているのかもしれない、などと考えてしまいました。
見学の後の生徒からの質問では、「エンジンの価格はどれくらいするのですが」という質問や、「年間にエンジンを何台くらい製造しますか」と言った質問が出ていました。それに対して企業の方は「1馬力あたり4万円くらいだと思ってください。2000馬力のエンジンだと8000万円です」と説明されていました。また、阪神内燃機工業のエンジンを搭載している練習船は、若鳥丸以外にも高知県立海洋高校の土佐海援丸もいることがわかりました。今回の工場見学をして、とても良いと思ったのは、自分たちが乗船している船のエンジンを製造しているということで、とても興味が持てたことです。また、3年生にとっては工場内で若い方が働かれているのを見て、製造業に就職することのイメージが膨らんだのではないでしょうか。
今日で神戸での寄港地研修を終え、明日の朝に神戸を出港します。例年以上に歩くことの多かった寄港地研修でしたが、「神戸に来られて良かった」という感想を生徒からたくさん聞くことが出来ました。神戸での楽しかった思い出を胸に、明日からの当直や航路学習もがんばってもらいたいと思います。