芦津渓谷の外来種「ブラウントラウト」駆除作業に参加しました。

2020年10月18日 14時56分
今日の出来事

 山の木々が色づき始めた10月中旬、紅葉の名所芦津渓谷の最奥部で、外来種「ブラウントラウト」(名前のとおり茶色のマス)の駆除作業(千代川漁協主催)に、本校生徒3名がボランティアとして参加しました。

 ブラウントラウトは、本来日本の在来種ではありません。釣り味の良さから、ヨーロッパなどから持ち込まれ、日本各地で繁殖しています。この魚は強い肉食性を持ち、在来種を食べつくし、生態系を破壊することから世界の侵略的外来種ワースト100にも指定されているほどです。このブラウントラウトが芦津渓谷にも住みつき、在来種のヤマメやイワナを捕食していることから、智頭町と千代川漁業の協力で7年前から駆除作業をしています。
 

 当日は平地でも肌寒さを感じるほどで、小雨も降る中、時には腰近くまで水につかって、いつ飛び出してくるかもしれないターゲットに集中力が求められます。

 作業は昼食をはさんで午後まで続きます。
最後の1時間は生徒が電気ショッカー役を担当しました。重さ15キロのショッカーを背負っての水中での作業は本当に大変だったようです。

 歩行距離は3キロ程度、活動時間は正味4時間で収穫は全部で43匹。日本固有種のアマゴ(ただ、これも本来生息する魚)も10匹程度は捕れましたが、これは確認してすぐリリースです。モツゴも1匹いましたが、本来この川に生息しているヤマメやイワナは1匹も取れませんでした。ブラウントラウトの繁殖力のすさまじさがわかります。
 作業終了後、獲物を並べて、山分けかと思いきや、ここからが趣味の世界とは異なります。
 大きさを丁寧に測り、1匹ずつ記録。そして、4匹の尻尾を切り取り、大学の研究室に送って遺伝子の鑑定をしてもらうとのことでした。どこからこの種が来たのかを地道に追いかける作業が待っているようです。

 10月に6回程度の駆除作業を7年間続けてきた漁協の担当者は、「おそらく心無い釣りの愛好者が三滝ダムに放流したブラウントラウトが、上流部をほぼ占領している状態。こんな作業を、いつまで続ければよいのやら。」とのことでした。また参加した生徒は「魚とりの作業は楽しかったが、ほとんど在来種は駆逐され、生態系が破壊されているという問題性にも気づかされた。ブラウントラウトの味は淡白でうまみがなく、ヤマメのほうがおいしい。」と感想を述べていました。

 身近なところでも起こっている環境問題を多くの人に知ってもらい、持続可能な行動につなげてもらうことが重要だと感じた1日でした。

 


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