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著者と語る講演会

2023年12月5日 09時11分

 11月22日(水)午後、著者と語る講演会を開催しました。今年度は人権という視点から現代社会の課題や自分自身について、思索を深めることを目的としました。講師として國分功一郎さん(東京大学大学院総合文化研究科教授)においでいただき、「哲学的に考えるとは――自然権と自由について」というテーマでご講演いただきました。
 まずは「哲学的に考える」ということについてお話いただいたのち、「自由」についてスピノザが唱えた自由とはどのようなものであるかをいくつかの例を挙げながら説明していただきました。その後、「個人」は17世紀に発見されたものであるということ、その際には「意識」を表す言葉が必要になったことなど、歴史的な経過がわかるようなお話をしていただいたのち、「意志」、「社会」、「権利」といった、人権を理解する上で必要不可欠な概念について説明していただきました。
 休憩時間中も、國分先生は生徒たちの中に入っていかれ、質問に答えてくださるなど、終始生徒と直接問答し、対話されていました。そのおかげで、生徒たちも常に思考を働かせながら聴講することができました。
 講演後にはパネルディスカッションを行い、事前学習で生徒からでた質問を軸に議論を展開しましたが、生徒たちが率直な疑問をぶつけ、國分先生がそれに真正面から応じてくださっている姿が印象的でした。
 全体の講演会の後には、場所を変えて生徒有志による座談会を開催しましたが、30名程度の生徒が國分先生と和気藹々とした雰囲気の中で日頃考えていることや、講演を聞いて考えたことなどを話していました。
 國分先生の、高校生たちと直接対話をしていこうとされる開かれた姿勢に、生徒たちも大いに知的好奇心を刺激されました。「考えても答えが出ないことも考えていこうとする」、そんな姿勢が西高生に醸成されることを期待します。

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