「校長室から」
 
 教育のこと、子どものこと、その他私の考えたこと等、校長の視点で保護者や地域の皆様に発信をしていきたいと思います。感想や意見がありましたらお教えください。

アメリカインディアンの子育て四訓

2023年12月7日 11時01分

 月日が経つのが早く、今年も残すところ一か月となりました。皆様いかがお過ごしでしようか。

 先月は以前の学習発表会に置き換わる行事として、「西スタ・デー ~学びの発表会~」を開催しました。今年度は、各学年の参観者を制限することなく実施しましたところ、多数お越しいただきありがとうございました。とは言いましても、インフルエンザ感染症が6年生を中心に広がり、6年生のマーチングは欠席が大変多い中での実施となりました。12/5(火)、6年生のみの実施になりますが、改めてマーチングを行い小学校生活最後の思い出の一つにしてもらいたいと考えています。

 各学年の発表の様子を見て回っていたとき、5年生の発表の最後に児童が参観者に感想を求める場面がありました。児童が参観者に「感想はありませんか。」と尋ねるも、参観者の方々は遠慮されたのか反応がありませんでした。しばらく沈黙があったものの、困った児童は自ら参観者を指名して感想を求め始めました。そのやり取りで結果的にはいくつかの感想を頂くことができました。その場には5年担任がいましたが、すぐに助け船を出すことはしませんでした。これが、担任の我慢のしどころでもあり、子供の成長を願う担任ならではの対応だったと思われます。

 先日、家庭教育の課題を扱った文章を読む中で、保護者の過保護・過干渉あるいは自由と放任を混同していると思われる保護者対応について書かれたものがありました。保護者が必要以上に関わり子供の意思に反して自立のチャンスを奪ってしまっている場合や忙しさや無関心のあまり子供の言動をほとんど把握していない場合などがそれに当たります。

 学校では、日々の教育はもちろん、キャリア教育という視点でも学校教育を行っています。未来を生きる子供たちに将来どんな大人になってほしいか、子供たちがどんな大人になりたいのかをしっかりと支えていくものです。将来、お子さんに人としてどんな大人になり、どんな人生を歩んでほしいのかを考えたとき、保護者が今すべきことは何か、どのような方法で家庭教育をすべきかを考えなければなりません。なかなか思い通りにはならなくとも、ゴールイメージから修正を加えつつ日々の家庭教育をしていくことが大切です。時にはしっかりと寄り添い、また、時には見守り自立を促すとよいでしょう。

 先日、八頭郡3町の教育長と小中学校長の会の中でこれらを表した名言を耳にしたので紹介します。

『アメリカインディアンの子育て四訓』

1 乳児はしっかり肌を離すな  …基本的信頼感を育む大切な時期

2 幼児は肌を離せ、手を離すな …運動機能を発達させ、また感覚を発達させる時期(たくさん動き、たくさんのものに触れる時期)

3 少年は手を離せ、目を離すな …いざという時には手を差し伸べる時期(いちいち手助けをせず、手を差し伸べられるようにしておく時期)

4 青年は目を離せ、心を離すな …心で寄り添う時期(自分のアイデンティティを確立していく時期)

 上記は、子供が自立に向けて育っていく段階の親の心得です。私も子供を育てて、それぞれの段階を体験したものとして、なるほどなあ、もう少しこうしたことを意識していればと思うところです。子育て真っ只中の保護者のみなさん、この塩梅が難しいところで家庭教育の難しさでもありますが今がチャンスです。子育てがうまくいかず悩まれることが多々あると思います。学校はもちろん様々な相談機関を頼ってお子さんのすこやかな成長に関わり見守っていただきたいと思います。