「校長室から」
 
 教育のこと、子どものこと、その他私の考えたこと等、校長の視点で保護者や地域の皆様に発信をしていきたいと思います。感想や意見がありましたらお教えください。

令和6年度がスタートしました

2024年4月25日 14時22分

保護者・地域・学校関係者の皆様、今年度は新一年生62名が入学して、全校児童334名、教職員47名で、令和6年度郡家西小学校教育がスタートです。

私は、本校勤務2年目となりました 葉狩 学(はがり まなぶ)と申します。八頭に生まれ育ち、以前郡家東小学校に8年間、教諭・教頭として勤務しました。また、八頭町教育委員会事務局に4年間勤務して、当時は町内小中学校の統廃合に携わりました。そして、縁あって昨年度より郡家西小学校の校長として勤務しております。

郡家西小学校の校訓「至剛」について、本校の児童にはこの校訓のもとで、「心と体の強い郡家西の子供」になるよう話しています。昨年度末の学校だよりでお伝えしました通り、心が強いと言いましても、心の強さには大きく2つの力があると考えています。一つ目は、「困難なことに直面しても、くじけずにあきらめない力」です。自分に向き合い、自分のすべきことを考えて行動することで、困難なことに打ち勝つ力です。二つ目の力は、「自分以外の人に、温かく接することができる力」です。人を分け隔てすることなく、誰に対しても温かく接して包み込める人こそが、心の強い人であると考えています。この校訓を受けて、本校の学校教育目標「心と体のつよい子供の育成」 ~明るく楽しくて、人と人がつながる学校~ があります。そして、学校だよりの冒頭にも書いていますように、下記のような子供の姿をめざしています。

■少し高いめあてを持ち、一生懸命がんばる子供

■学ぶことに喜びを感じ、自分を高めようとする子供

■自分で考え自分で判断して行動する子供

■自分も人も大切にし、自分を支えてくれる人・もの・ことに感謝できる子供

本校の子供たちの、知(自ら考え学び合う子供)、徳(よりよい人間関係を築ける子供)、体(たくましさ、しなやかさのある子供)をさらに成長させた学校づくりに努めてまいります。そして、今年度も保護者や地域の皆様、子供たちとともに知恵を出し合いながら、よりよい郡家西小学校教育を作り上げて参ります。

本校は、特別活動の研究に取り組んで5年目を迎えました。学級会での話合いを大切にして、係活動や委員会活動、なかよし班や兄弟学年の活動を通して、「自分たちで つながり つくる学校」を目指しています。どの子供も一人一人が安心して学び、笑顔あふれる郡家西小学校となるよう、引き続き保護者、地域の皆様には温かいご支援ご協力をいただきますようよろしくお願いいたします。

「心の支度」と「心の器」

2024年2月24日 17時31分

 1月下旬は強い寒気とともにまとまった降雪があったものの、山陰地方に降る雪の量は平年より少なく、1月に計画していました本校のスキー教室は延期することになりました。雪が少ないのは日々の生活がしやすくありがたいのですが、例年と違うこの冬の状況を心配しているのは私だけでしょうか。まずは、2月15・16日に延期しているスキー教室が、予定通り行えることを願っています。

 突然ですが、みなさんは子育てで大切にすべきことは何か、考えてみられたことがありますか。私が考えるには、大きく二つを身に付けさせることだと考えています。一つ目は、自分の力で生きていけるような自立した生き方の基礎を身に付けさせることです。二つ目は、世の中の多くの人たちと共に生きていくために必要なルールを身に付けさせることです。これらは、先に生まれた私たち大人の責任であり使命でもあります。教師である私が言うのも何ですが、親や先生は目の前の宿題や提出物ができていないと特に気になってしまいます。それは当然のことであり、きちんと取り組むことができる子供になるように支え育てていくのは大人の責任の一つだからです。また、楽な道ばかりを選ばない、簡単にあきらめたり妥協したりしない姿勢を身に付けてほしいと願うのも、親だからこそです。そのためには、我が子はもちろん周りの子供も巻き込んだ子育てが効果的です。人は人と人との関わりやふれあいによって学ぶことが多く、その中から礼儀や善悪の判断を学び、人の中で生きる安心感とともに様々な人を受容しようとする広い心が生まれます。また、叱ったり指摘したりしてくれる大人の存在は貴重ですが、昨今の社会状況ではそうした光景がめっきり少なくなりました。誤った言動を叱ってくれた人・指摘してくれた人に対して素直に「ありがとう」と思える「心の器」を作っていくことも、親をはじめとする周りの大人の姿勢次第です。

 私にとって身近なところでは、本町教育にご尽力された兵庫大学教育学部教授 林 敦司 氏(前船岡小学校校長)が、道徳教育2月号の論説で、下記のように子供の心に「人間」を受け入れる「心の支度」の大切さを述べています。

 子供の心の中に、人間の生き方に感動したりそこから何かを学んだりする「心の支度」ができていないと、出会った人物の生き方に対して他人ごとになってしまうので、日頃からたくさんの人に出会わせるとよい。 (抜粋の上、一部修正)

 繰り返しになりますが、大切なのは子供自身に大人の愛を感じられるようにしつつ、ものごとをしっかりと受け入れる「心の支度」と「心の器」を育成することであり、家庭教育を基盤に子育てに関わる全ての大人が手を携えて取り組んでいくことです。1月下旬の大雪のとき、6年担任の声掛けをきっかけに登校してきた6年生児童が率先して児童玄関前の雪かきをしてくれました。郡家西小学校児童には、ものごとをしっかりと受け入れる「心の支度」がある程度育っていると実感すると同時に、「心の器」も大きくなりつつあるのではないかと思った次第です。

「2月は逃げる、3月は去る」と言われています。今年度も残りわずかとなりましたが、引き続き本校教育へのご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

新年のスタート!!「大切にしたいこと」

2024年1月11日 18時35分

 令和6年、2024年が始まりました。子供たちは、14日間の冬休みを終え元気に登校してきました。そして、3学期がスタートしました。初春のお祝いのあいさつから始めようと考えていましたが、新年早々能登半島で、震度7の地震・津波が発生しました。そして翌日には羽田空港で、海上保安庁機と民間機が接触事故を起こすという大惨事が続きました。お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災されました皆様に心からお見舞いを申し上げたいと思います。

 さて、皆様は各ご家庭でどのような年末年始を過ごされたでしょうか。お正月は、子供たちにとって楽しいことがたくさんあったのではないでしょうか。新型コロナウイルス感染症の影響で暫く会えなかった方に会えたこと、多くの親戚や仲間が一堂に会する等、様々な再会や交流があったことと思います。いずれにせよ子供たちは、家族や親戚等、様々な方と過ごし、新たなエネルギーを充電できたのではないかと思っています。

 現在、学校は特別活動を基盤とした学校づくりを行っています。学校教育目標の副題にある ~明るく楽しくて、人と人がつながる学校~ が正にめざす姿です。具体的には、今、何をすべきか自分で判断して行動する子供の姿であり、自分も相手も大切にして一人一人が主役として活躍できる学校をめざしています。言い換えると、少し高いめあてを持ち、学ぶことに喜びを感じて自分を高めようとする子供の姿です。それは一人一人の人間力の育成によるところが大きく、その総体が学校力と考えています。そして、その根底にある、自分を支えてくれる人・もの・ことに感謝できる子供の育成には、各ご家庭や地域・学校関係者の協力と理解が不可欠です。このことは、私が常日頃、児童はもちろん本校職員にもよく使う言葉、「お陰様」に集約されています。

 今年の干支は、「辰」。辰は十二支の中で最も縁起の良い干支と言われており、様々な願いを叶えてくれるだけでなく【昇り龍】と言われるように、『あらゆる物事を上昇させ、よい方向へ導いてくれる力がある』とされています。ちなみに今年の3月には北陸新幹線の金沢~敦賀間の開業、7月には新紙幣の発行、7月?9月には、フランスのパリで第33回夏季オリンピック競技大会と第17回夏季パラリンピック競技大会の開催が予定されています。

 本校教育は、まだまだ至らない点が多々あるかと思います。子供の健やかな成長は、子供に関わる全ての者はもちろん社会全体の願いです。しかしながら、学校と保護者、保護者同士、互いのコミュニケーションが不足すると、不信感や誤解を招いて信頼関係が揺らぎます。学力向上、いじめの兆候や不登校、学校生活における生徒指導上の問題など、学校教育に関わる悩みや不安については、特に躊躇することなく校長以下本校職員に直接かつ具体的にご相談ください。児童一人一人が安全で、安心して過ごすことができる学校生活の当たり前を大切にして参ります。

 では、保護者・地域・学校関係者の皆様、引き続き今年もどうぞよろしくお願いいたします。

♫もういくつ寝るとお正月~

2024年1月5日 18時33分

 12月17日、山陰地方各地は未明から降った雪でうっすらと雪化粧し、「初雪」を観測しました。平年に比べ12日、去年より3日遅い鳥取の初雪でしたが、いよいよ本格的な冬の寒さが到来しました。

 さて、年間で最も授業日数が多い2学期(82日間)が本日終了しました。新型コロナウイルス感染症やインフルエンザの感染拡大により、幾度か学級閉鎖をせざるを得ない状況がありましたが、何とか臨時休校にすることなく2学期を乗り切ることができました。

 振り返ってみますと、様々な学校行事がありました。地域ボランティアの協力を得て実施したマラソン大会は、さわやかな秋空の下、沿道には多くの応援の方々が駆けつけてくださいました。児童にとっては、かなり前から自分の目標を決めて取り組むことができた大会でした。同じく全校遠足も、たくさんのボランティアのみなさんに児童の安全を見守っていただき、無事終えることができました。初の試みである色別縦割りのなかよし班ごとの校区内ウォークラリーも大成功でした。悪天候の予報で延期にはなりましたが、予備日は晴天の中で実施することができました。「西スタ・デー~学びの発表会~」は、インフルエンザの流行により、6年生を中心に欠席児童が増え、練習や準備を重ねたにもかかわらず当日欠席となった児童がありました。発表会で活躍する児童の姿をうれしく思う一方、欠席児童のことを思うと残念な気持ちも残ります。6年生にとっては最後の学びの発表会であるということで、迷うことなくマーチングの特別公演実施を決定しました。保護者はもちろん、ご家族やご親族、学校関係者のみなさま等のご観覧により、6年生児童の雄姿を改めてたくさんの方々に披露することができました。

 その他にも様々な行事がありました。6年生はトップアスリート事業で元女子サッカー選手に出会い、JAXAオンライン学習では宇宙飛行士による授業に参加して、楽しさとともに人の生き方や考え方を学ぶことができました。1年生は、働く自動車の見学や乗車体験、青少年劇場では1.2年生が鳥の劇場による体験型の演劇鑑賞を行いました。4年生の安藤井手の見学を始め、どの学年も校外学習に出かけたり、地域の方をゲストティーチャーとしてお招きしたりして、「地域学習」や「ふるさとキャリア教育」で学びを深めることができました。本当にたくさんのことがあった2学期でしたが、子供たち個々が学びを通じて大きく成長したことを実感するとともに、弛まない本校教育の前進も実感した次第です。

 では、明日から1月8日まで14日間の冬休みとなります。子供たちには、学校が出した冬休み中の学習のみならず、年の瀬はお正月の準備や掃除等家族の一員としての役割をしっかりと実感させてください。また、年末年始の年中行事に参加する等して、家族、地域とのつながりを大切にしてみてください。夏休み同様、普段できないことに挑戦させる、あるいは親子で挑戦するのもよいでしょう。ちなみに私は、家族が揃う年越しに向けて、早速年越しそば作りに挑戦してみました。家族が喜ぶ姿を想像しながらそば打ちの手順に沿って作りましたが、出来上がった何とも不格好な?を見ると、年末は修行の日々になりそうです。大人でさえ充実感や満足感は大切なもので、ましてや子供にとっては誰かに役に立つ充実感や満足感はとても大切なものです。こうした自己肯定感の向上は、自分が家族・地域の一員であることを再確認させ帰属意識を実感することでもあり、お子さんがさらに成長を遂げる原動力になります。

 地域、保護者、学校関係者のみなさまには、本校教育にご理解とご協力を賜り、心より感謝申し上げます。「♪もう7つ寝るとお正月」です。来年の干支は「辰」で、辰年は活力旺盛になって大きく成長し、形が整う年だと言われています。 

 どうぞよいお年をお迎えください。新年もよろしくお願いいたします。

アメリカインディアンの子育て四訓

2023年12月7日 11時01分

 月日が経つのが早く、今年も残すところ一か月となりました。皆様いかがお過ごしでしようか。

 先月は以前の学習発表会に置き換わる行事として、「西スタ・デー ~学びの発表会~」を開催しました。今年度は、各学年の参観者を制限することなく実施しましたところ、多数お越しいただきありがとうございました。とは言いましても、インフルエンザ感染症が6年生を中心に広がり、6年生のマーチングは欠席が大変多い中での実施となりました。12/5(火)、6年生のみの実施になりますが、改めてマーチングを行い小学校生活最後の思い出の一つにしてもらいたいと考えています。

 各学年の発表の様子を見て回っていたとき、5年生の発表の最後に児童が参観者に感想を求める場面がありました。児童が参観者に「感想はありませんか。」と尋ねるも、参観者の方々は遠慮されたのか反応がありませんでした。しばらく沈黙があったものの、困った児童は自ら参観者を指名して感想を求め始めました。そのやり取りで結果的にはいくつかの感想を頂くことができました。その場には5年担任がいましたが、すぐに助け船を出すことはしませんでした。これが、担任の我慢のしどころでもあり、子供の成長を願う担任ならではの対応だったと思われます。

 先日、家庭教育の課題を扱った文章を読む中で、保護者の過保護・過干渉あるいは自由と放任を混同していると思われる保護者対応について書かれたものがありました。保護者が必要以上に関わり子供の意思に反して自立のチャンスを奪ってしまっている場合や忙しさや無関心のあまり子供の言動をほとんど把握していない場合などがそれに当たります。

 学校では、日々の教育はもちろん、キャリア教育という視点でも学校教育を行っています。未来を生きる子供たちに将来どんな大人になってほしいか、子供たちがどんな大人になりたいのかをしっかりと支えていくものです。将来、お子さんに人としてどんな大人になり、どんな人生を歩んでほしいのかを考えたとき、保護者が今すべきことは何か、どのような方法で家庭教育をすべきかを考えなければなりません。なかなか思い通りにはならなくとも、ゴールイメージから修正を加えつつ日々の家庭教育をしていくことが大切です。時にはしっかりと寄り添い、また、時には見守り自立を促すとよいでしょう。

 先日、八頭郡3町の教育長と小中学校長の会の中でこれらを表した名言を耳にしたので紹介します。

『アメリカインディアンの子育て四訓』

1 乳児はしっかり肌を離すな  …基本的信頼感を育む大切な時期

2 幼児は肌を離せ、手を離すな …運動機能を発達させ、また感覚を発達させる時期(たくさん動き、たくさんのものに触れる時期)

3 少年は手を離せ、目を離すな …いざという時には手を差し伸べる時期(いちいち手助けをせず、手を差し伸べられるようにしておく時期)

4 青年は目を離せ、心を離すな …心で寄り添う時期(自分のアイデンティティを確立していく時期)

 上記は、子供が自立に向けて育っていく段階の親の心得です。私も子供を育てて、それぞれの段階を体験したものとして、なるほどなあ、もう少しこうしたことを意識していればと思うところです。子育て真っ只中の保護者のみなさん、この塩梅が難しいところで家庭教育の難しさでもありますが今がチャンスです。子育てがうまくいかず悩まれることが多々あると思います。学校はもちろん様々な相談機関を頼ってお子さんのすこやかな成長に関わり見守っていただきたいと思います。

Well-being(ウェルビーイング)な関係性

2023年11月12日 15時14分

 朝晩の冷え込みとともに秋が深まり、木々の紅葉が日に日に鮮やかになってきました。

 学校は、週明けや学校行事がある日は常に、新型コロナウイルス感染症やインフルエンザの感染状況を見ながら感染対策を判断しているところです。引き続き、ご家族等に体調不良の方がある場合、お子さんに体調不良の症状が見られる場合は細心の注意を払い、医療機関の受診とともに無理をされないようお願いします。学校が安全安心な生活空間であり続けるには、各ご家庭のご理解が不可欠です。今後ともご協力をお願いします。

 さて、10月5日(木)と6日(金)の2日間、奈良と京都へ修学旅行に行ってきました。出発までの数日間と出発当日は児童の健康状態を心配しましたが、6年生全員で修学旅行に出かけられたことを何よりもうれしく思います。修学旅行のいくつかの見学先を決めるにあたり、6年生児童は保護者、私校長と6年生児童を前に、グループごとに希望の見学地をプレゼンテーションしました。その結果、京都水族館と京都タワーが見学地に追加されました。自分たちで見学地を決められたことも、修学旅行の思い出の一つになることでしょう。修学旅行の最後には、6年生が運転手さん・ガイドさん・添乗員さんに感謝の言葉を添えた色紙を送りました。また、1年生は「てるてる坊主」を6年生にプレゼント、5年生は正面玄関に「行ってらっしゃい・お帰りなさいのメッセージ」を掲示する等、心と心が通い合う心温まる修学旅行になりました。日ごろから「自分たちの学校は、自分たちでつくろう」と伝えている私の思いをよく理解している6年生の姿勢が、各学年にも浸透していることを実感しました。私にとっても幸せな修学旅行でした。

 前述の内容から少し飛躍するかもしれませんが、最近よく耳にする言葉に「Well-being(ウェルビーイング)」があります。先日、全国連合小学校長会研究協議会東京大会で行われたシンポジウムに参加しましたが、その時のキーワードも「ウェルビーイング」でした。Well-beingを直訳すると「幸福」「健康」で、個人も社会も将来にわたってウェルビーイングな状態(心身ともに健康で幸福な状態)を実現することが、教育の目的そのものと言えるそうです。そして、教育のウェルビーイングは、子どもはもちろんのこと、保護者や教職員など、子どもに関わる人すべてのウェルビーイングを重視することであり、広くは世の中の人々のつながりをより大切にすべきという考えです。これからは特に、自分の幸せはもちろん、みんなの幸せも考えられるような、人と交わることができる力が必要とされています。

 また、家庭においては、下記のような子どもと家族の関係性がウェルビーイングの実現につながります。

①子どもとのコミュニケーションを大切にしてくれる家族 

②子どもを気にかけてくれる家族

③子どもを信頼してくれる家族              

④ありのままを受け入れてくれる家族

⑤子どもの何ごとも理解してくれる家族          

⑥子どもが愛されていると感じられる家族

⑦子どもが中心で大切にしてくれる家族          

⑧子どもの意見を聞いてくれる家族

 家庭生活を例に取り上げましたが、子どものウェルビーイングが保障されるためには、家庭・地域・学校のよりよい環境や関係性を一層大切にしたいものです。

「自助・共助・公助」について考える

2023年9月29日 11時42分

 風に揺れるコスモス、黄金色の稲穂がこうべを垂れる季節、朝晩めっきり涼しくなりました。9月の初めには、本校においてコロナウイルス感染症の拡大が見られましたが、現在は平静を取り戻し児童は通常の学校生活を送っています。しかしながら、再度の新型コロナウイルスの感染拡大に加えて、インフルエンザの流行も懸念され、児童を取り巻く環境は予断を許さない状況にあります。ご家庭におかれましても、引き続き日々の健康観察とともに、感染の疑いがある場合は早期の受診、ご家庭での休養をお願いします。

 先日は、皆様ご多用の中、引き渡し訓練を実施しましたが、大きな混乱もなく無事終えることができました。ご協力、ありがとうございました。今後は、本校の防災計画にある大規模災害等への対応について検証し、さらに体制を整えて参ります。また、同じ頃に地震を想定した防災訓練も実施しました。児童は、突然起こった地震に対して冷静に対応し安全に避難すること、教職員は、迅速かつ確実に児童及び自身の安全確保に努めることについて確認したところです。

 防災訓練の中で、全校児童に下記のようなお話をしましたので紹介します。(一部抜粋)

「備えあれば憂いなし」という言葉がありますが、いざというときに備えて前もって準備をしておけば、落ち着いて行動することができるので心配することはありません。

 地震はいつどこでどのように起こるかは分かりません。いつも近くに担任の先生や大人がいるとも限りません。休憩時間かもしれません。登下校中かも分かりません。ですから、普段の生活態度や災害に備えた準備や心構えが大切です。学校では、普段から落ち着いて静かに廊下や階段を歩くこと、校内放送の内容や先生・友達の話を静かに聞くこと、何ごとも自分でしっかりと考えて行動することなど、普段からできることがたくさんあります。生活の決まりを守っているか、自分でよく考えて正しく行動しようとしているか、この訓練を通してもう一度振り返ってみてください。

 ご家庭でも、防災について日頃から話し合っておくことはもちろん、家族の会話を大切にする中でお子さんの考えをしっかりと聞いて親子の考えをすり合わせておくことが重要です。普段、お子さんの「なぜ?どうして?」にていねいに向き合うことで、お子さんは「気づき、考え、行動する」自立したお子さんに成長します。休憩時間に行った防災訓練中、校庭で一年生がどうしたらよいか困っていた時、サッカーをしていた高学年の男子児童が「一年生、並んで!」と自分の避難とともに一年生を避難場所に導いていました。防災について語るときよく聞く言葉に「自助・共助・公助」があります。「自助」は一人一人が取り組むこと、「共助」は地域や身近にいる人同士が一緒に取り組むこと、「公助」は国や地方公共団体が取り組むことです。3つの連携が円滑なほど、災害の被害は軽減されると言われています。

 現在、個人の考えや取り組みを大切にする世の中ではありますが、行き過ぎた個人主義では地域社会は成り立たちません。頼りすぎや責任の押し付け合いでもいけません。防災訓練一つをとってみても、普段の当たり前が顕著に表れます。私たち大人は子供一人一人の健やかな成長を願う中で、これからの社会を生きる子供たちにどのような社会性を身につけさせる必要があるのか、家庭・地域・学校がそれぞれの役割の中で一体となって考える必要があります。 

2学期を迎えるにあたり

2023年9月29日 11時40分

 38日間の夏休みが終わり、本日2学期始業式を行いました。8月15日には、台風7号が記録的な大雨をもたらし、鳥取県に「大雨特別警報」が発表されました。本校関係者をはじめ、被災されたすべての皆様にお見舞い申し上げます。

 さて、今日から2学期となり、校舎には子供たちの元気な声が戻ってきました。今年の夏休みは、昨年までとは違うほぼ制限のない過ごし方になったことと思います。とは言いましても、近年の猛暑は今年も例外ではなく、お子さんにとっては熱中症を避けるために外出を控え、思うように行動できない日々であったことと思います。一番気がかりな夏休みの宿題はいかがでしたか。夏休みの後半、課題が何とか終わりほっとしているのは、お子さんはもちろん保護者みなさんも同じ気持ちではありませんか。また、保護者のみなさんは、夏休みの課題が終わった達成感をお子さんと共有する一方で、お子さんとしっかりと関わったからこそ、どことなく寂しさも感じておられることと思います。2学期を迎えるにあたり、子供たちは夏休みの思い出に浸りながら学校生活の現実に戻ることへ寂しさを感じる一方、久し振りの登校でしばらく会っていなかった友達みんなに会えるうれしさを感じており、この時期ならではの何とも言えない複雑な気持ちになっています。私たち大人の経験から振り返ってみましても、この微妙な感じが懐かしいですね。

 夏休み前にお配りした学校だより「至剛」のタイトルは、「ぼくらが彩る夏が来た」でした。お子さんは、やりたいことにじっくりととことん取り組んで、自分色の過ごし方で夏を彩ることができましたか。38日間の夏休みという大きなキャンバスは、どんな作品に仕上がりましたか。おうちの方の助言や協力があっての夏休みではありますが、お子さん自身の取組みはいかがでしたでしょうか。計画通りに過ごせたのも夏休み、計画通りにうまく過ごせなかったのも夏休みです。ぜひ、お子さんの夏休みの過ごし方を振り返ってみてください。保護者のみなさんにおかれましては、お子さんとのかかわり方はどうであったか、お子さんとしては夏休みの振り返りをいかに2学期からの過ごし方に活かし実行に移すことができるか、これが夏休みを自分色に彩った意味であると考えます。

 では、2学期も児童一人一人が主体的に活動し主役となる郡家西小学校教育を進めて参りますので、引き続き、地域・保護者・学校関係者のみなさま、郡家西小学校教育へのご理解とご協力をお願い申し上げます。            

ぼくらが彩る夏が来た

2023年8月1日 11時46分

 本日1学期終業式を終え、明日から38日間の夏休みとなります。1学期は、60名の1年生を迎えて330名の全校児童とともに令和5年度郡家西小学校教育がスタートしました。参観日とPTA総会を通常の形で開催して、5月8日(月)からは新型コロナ感染症の感染症法上の位置付けが5類感染症となり、学校生活も大きく変わりました。5月20日(土)の運動会は、前日の雨の影響を心配しましたが、教職員とともに6年生児童がグラウンド整備をしてくれたお陰で、無事開催することができました。演技を全力でやりきる児童の様子もさることながら、6年生の色別リーダーを中心とした各テントでの応援も立派でした。昼休憩にみんなが校庭に集まり楽しんだ全校じゃんけん列車も全校児童が一つになれた活動の一つです。4年生の氷ノ山登山も大きな行事の一つでした。4年生全員が参加して、登山予定の児童全員が登頂することができました。仲間とともに登り切った達成感は、思い出とともにこれからの大きな自信になったことと思います。PTA行事は、まだコロナ禍前のようにはいかないまでも、環境整備・資源回収を予定通り実施していただきありがとうございました。何と言いましても、1学期は2年に渡る長寿命化の大規模改修が終わり、木の香りのする新しくなった校舎とともに以前のような広い校庭に戻り、児童の学習環境が整いました。

 ところで、夏休みはいつどのように始まったのでしょうか。正式名称は「夏季休業」で、1881年(明治14年)に文部科学省(旧文部省)が定めたものです。欧米では、9月に学年が切り替わりますが、4月から新学期が始まる日本では、4月から4か月ほどで夏休みに入り授業内容を忘れることが無いようにするため、夏休みの宿題が始まったようです。夏休みは、児童の心身の休養、通常の生活では経験できない生活や活動の実施、自主・自律の生活態度を養うことが主な目的です。毎年やってくる夏休みではありますが、日々成長している子供たちにとっては毎年貴重な夏休みです。夏休みだからこそ、自由研究や図画工作、家庭科作品作り等にじっくりと取り組んだり、動植物の観察をしたり、ゆったりと読書に勤しんだりできます。子供たちには、ぜひ夏休みならではの経験をしてほしいと思います。

「ぼくらが彩る夏が来た」

第102回全国高校野球選手権(夏の甲子園)キャッチフレーズコンクール優秀賞作品より

の通り、やりたいことにじっくりととことん取り組んで、自分色の過ごし方で夏を彩ることができるのが夏休みの醍醐味です。夏休み38日間を大きなキャンバスに例えると、どのような色使いでどんな輝きを放つ作品に仕上げるかは、児童自身の取組みによるところはもちろんですが、何よりもご家族のみなさまの助言や協力があってのことです。興味関心のある世界を深めることは、児童自身の可能性を大きく広げることにもつながります。思い出多い有意義な夏休みとなりますように、各ご家庭で夏休みの過ごし方についてしっかりと話し合ってみてください。

 では、2学期始業式8月28日(月)には、児童一人一人が楽しい思い出とともに、大きく成長した姿を見せてくれることを楽しみにしています。1学期間、地域・保護者・学校関係者のみなさま、郡家西小学校教育にご理解とご協力を賜り、ありがとうございました。

みなさんのお陰です

2023年6月9日 12時07分

 激しい雨が降りしきった5月29日、平年より8日、昨年より13日早く中国地方が梅雨入りしました。また、5月8日(月)より新型コロナ感染症の感染症法上の位置付けが5類感染症となり、学校生活も大きく変わり始めました。

 マスクを付けないことを推奨しつつも、3年余りのマスク着用の習慣はすぐに変わるものでもありません。感染リスクを心配して、あるいは外すことに慣れていない等、様々な理由で着用を続ける児童も見られます。インフルエンザを含む感染症等の感染リスクが高い状況や、感染リスクが高いと思われる活動場面ではマスクの着用を指示しますが、気温が著しく上昇する状況や激しい運動を行う場合は、熱中症対策としてマスクを外すことを指示する等、状況に応じて対応して参ります。学校教育全体におきましても、ポストコロナ(コロナ収束に向かう中での大きな社会状況の転換期)の今、コロナ禍の中で見えたものや経験したことを踏まえて、未来を見据えた郡家西小学校教育を考えて参ります。

 さて、5月20日(土)の運動会は、前日の雨の影響を心配しましたが、教職員とともに6年生児童がグラウンドの整備をしてくれたお陰で、無事運動会を開催することができました。保体部の皆様を中心にPTA役員の皆様には、朝早くから駐車場係をしていただきました。お陰様で学校敷地内及び周辺での大きなトラブルはありませんでした。運動会の演技を全力でやりきる児童の様子もさることながら、6年生の色別リーダーを中心とした各テントでの応援も立派でした。一糸乱れぬ元気いっぱいの応援風景は感動そのものでした。リーダーの「もっと声を出して!」の指示のもと、思い切り声を出して応援する児童の姿は、昨年までのコロナ禍の中では考えられないことで、以前は当たり前であった光景にも感動した次第です。運動会の始めのあいさつの中でもお話した通り、児童一人一人が主役となれた運動会になったのではないかと思います。校庭いっぱいに児童、教職員、保護者、地域の皆さんが輪を作り踊った八頭町音頭の光景も圧巻でした。児童はもちろん、ご観覧いただいた保護者の皆様の児童への温かい声援のお陰もあり、素晴らしい運動会となりました。本当にありがとうございました。

 運動会一つをとりましても、お陰様でと思われる場面や状況がいくつもありましたが、普段の学校教育に目を向けましても、お陰様でと思われる場面や状況は数えきれないくらいあります。「お陰様で」は、ほかの人から受けた親切や助けに対して、感謝の心を表す際に使う言葉ですが、特定の方に限らず見えない部分でも支えて下さった方、すべての方に対して使う言葉だと考えます。

 最後に、先日、6年生の特別活動の授業、学級活動「最高学年の自覚」の中でビデオ出演した内容を紹介します。6年生としての自覚とともに最高学年として周りのみなさんの力となる最高学年としての期待を込めてお話したものです。内容は次の通りです。

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校長先生より6年生のみなさんへ

 いつも最高学年として、郡家西小学校をリードしてくれてありがとう。

 これから校長先生が6年生のみなさんに期待することを、3つお話します。

1つ目は、下級生のお手本になってください。

6年生は、自分のことだけではなく、常に周りを見て今自分がしないといけないことは何かを考えながら生活をすることが大切です。6年生の発言や行動は常に下級生が注目しています。特に5年生は、来年6年生になった時のお手本として、みなさんを見ています。6年生のがんばる姿や困っている人を助けたり励ましたりする姿は、下級生にとって頼もしくあこがれの的となり、尊敬できる身近な先輩となります。

2つ目は、地域を大切にしてください。

 みなさんは6年生になるまで、一人で大きくなりましたか。きっとたくさんの人に支えられ励まされて大きくなったことでしょう。その一つが地域であり、みなさんのふるさとです。ぜひ、地域のみなさんに進んであいさつをしたり地域の行事に進んで参加したりしてみてください。地域の人のやさしさやすばらしさに気づかされ、地域への思いが強くなると地域への感謝の気持ちが膨らみます。

3つ目は 自分を大切にしてください。

 自分を大切にするということは、がんばる自分をほめたり、よい行動ができた自分を認めたりすることです。自分を認めて大切にできる人は、友達や周りの人にもやさしく接したり大切にしたりすることができる人になります。小学校生活最後の1年間は、中学生への準備の1年でもあります。周りから見ても一生懸命頑張る姿は美しくかっこいいものです。ぜひ、今の自分に満足することなく、コツコツと努力を重ねたり、新しいことにも進んでチャレンジをしたりしてみてください。卒業するころには、人として立派な6年生になっていることでしょう。

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 郡家西小学校教育は、児童・保護者・地域・学校関係者等々、みなさんのためにあるとともに、みなさんのお陰で成り立っています。