「校長室から」
 
 教育のこと、子どものこと、その他私の考えたこと等、校長の視点で保護者や地域の皆様に発信をしていきたいと思います。感想や意見がありましたらお教えください。

Well-being(ウェルビーイング)な関係性

2023年11月12日 15時14分

 朝晩の冷え込みとともに秋が深まり、木々の紅葉が日に日に鮮やかになってきました。

 学校は、週明けや学校行事がある日は常に、新型コロナウイルス感染症やインフルエンザの感染状況を見ながら感染対策を判断しているところです。引き続き、ご家族等に体調不良の方がある場合、お子さんに体調不良の症状が見られる場合は細心の注意を払い、医療機関の受診とともに無理をされないようお願いします。学校が安全安心な生活空間であり続けるには、各ご家庭のご理解が不可欠です。今後ともご協力をお願いします。

 さて、10月5日(木)と6日(金)の2日間、奈良と京都へ修学旅行に行ってきました。出発までの数日間と出発当日は児童の健康状態を心配しましたが、6年生全員で修学旅行に出かけられたことを何よりもうれしく思います。修学旅行のいくつかの見学先を決めるにあたり、6年生児童は保護者、私校長と6年生児童を前に、グループごとに希望の見学地をプレゼンテーションしました。その結果、京都水族館と京都タワーが見学地に追加されました。自分たちで見学地を決められたことも、修学旅行の思い出の一つになることでしょう。修学旅行の最後には、6年生が運転手さん・ガイドさん・添乗員さんに感謝の言葉を添えた色紙を送りました。また、1年生は「てるてる坊主」を6年生にプレゼント、5年生は正面玄関に「行ってらっしゃい・お帰りなさいのメッセージ」を掲示する等、心と心が通い合う心温まる修学旅行になりました。日ごろから「自分たちの学校は、自分たちでつくろう」と伝えている私の思いをよく理解している6年生の姿勢が、各学年にも浸透していることを実感しました。私にとっても幸せな修学旅行でした。

 前述の内容から少し飛躍するかもしれませんが、最近よく耳にする言葉に「Well-being(ウェルビーイング)」があります。先日、全国連合小学校長会研究協議会東京大会で行われたシンポジウムに参加しましたが、その時のキーワードも「ウェルビーイング」でした。Well-beingを直訳すると「幸福」「健康」で、個人も社会も将来にわたってウェルビーイングな状態(心身ともに健康で幸福な状態)を実現することが、教育の目的そのものと言えるそうです。そして、教育のウェルビーイングは、子どもはもちろんのこと、保護者や教職員など、子どもに関わる人すべてのウェルビーイングを重視することであり、広くは世の中の人々のつながりをより大切にすべきという考えです。これからは特に、自分の幸せはもちろん、みんなの幸せも考えられるような、人と交わることができる力が必要とされています。

 また、家庭においては、下記のような子どもと家族の関係性がウェルビーイングの実現につながります。

①子どもとのコミュニケーションを大切にしてくれる家族 

②子どもを気にかけてくれる家族

③子どもを信頼してくれる家族              

④ありのままを受け入れてくれる家族

⑤子どもの何ごとも理解してくれる家族          

⑥子どもが愛されていると感じられる家族

⑦子どもが中心で大切にしてくれる家族          

⑧子どもの意見を聞いてくれる家族

 家庭生活を例に取り上げましたが、子どものウェルビーイングが保障されるためには、家庭・地域・学校のよりよい環境や関係性を一層大切にしたいものです。