「校長室から」
 
 教育のこと、子どものこと、その他私の考えたこと等、校長の視点で保護者や地域の皆様に発信をしていきたいと思います。感想や意見がありましたらお教えください。

元気は「あげるもの」、希望は「与えるもの」

2024年6月5日 09時06分

木々を渡る風もさわやかで、新緑が鮮やかな季節となりました。5月25日(土)の運動会は天候にも恵まれ、絶好の運動会日和となりました。学校運営協議会の方々をはじめ多くのご来賓をお迎えして、郡家西地区のみなさまと共に運動会が開催できましたことを大変うれしく思います。

運動会では、児童が一生懸命演技をする姿や協力して勝利を目指す姿に元気をもらわれたのではないでしょうか。運動会の演技を全力でやりきる児童の様子もさることながら、6年生の色別リーダーを中心とした各テントでの応援も立派でした。一糸乱れぬ元気いっぱいの応援風景は感動そのものでした。今年の運動会のめあては、「やったるで、みんなが主役」でしたが、児童が日々「自分たちで、つながりつくる学校」を目指しているように、自分たちの運動会も自分たちでつながり、自分たちで盛り上げ作り上げたものになりました。児童一人一人が主役となれた運動会になったと思います。また、地域演技「パン食いGO!」や「八頭町音頭」は、老若男女を問わず運動会に参加してくださり、地域とのつながりも実感した次第です。

児童は毎日、学校生活の様々な場面でも元気あふれる姿を見せてくれることが多く、私たち教職員は多忙な中にあっても子供たちから日々元気をもらっています。そんな中、児童が前向きな気持ちで元気に過ごすこと、何ごとも最後までやり切ったと言えるように一人一人みんなが主役になれるには、何が必要なのかを改めて考えてみました。

子供たちはこれから、私たち大人が生きてきた世の中とは明らかに違う世の中を生きていかなくてはなりません。そのために私たち大人、特に親ができることは何でしょう。それは、「生きる希望を与えてあげること」だと思います。具体的には、親や周りの大人が笑顔で生き生きと過ごすお手本となることです。子供はそれを見て、一つ一つ自分のものにしていくのです。いつも笑顔で生き生きとするのは難しいことですが、不安をあおったり、日々嘆いたり落ち込んだりしているようではいけません。親がよりよい姿を子供に見せること、そして、よりよい体験の場を提供することです。親子関係で大事なのは、認めることとほめることです。結果とともにがんばる過程をしっかり認めてほめていくことです。愛されているという思いを実感させるとともに自分に自信を持たせることで、直面する困難に挑戦しようとする意欲を持たせることができます。大切なのは、子供の自己決定(自分で決めさせること)を大切にすることです。親が共感して、子供の自己決定とその過程と結果をしっかりと支えてあげるエンパワーメント(empowerment)を図ることで、子供は元気が湧いてくるのです。

※エンパワーメント【湧活】 (ゆうかつ)とは、子供に夢や希望を与え、勇気づかせ、子供が本来持っているすばらしい、生きる力を湧き立たせることです。

私たち大人は子供から元気をもらっていますが、まずは親をはじめとする周りの大人が子供に元気をあげること、そして希望を与えることが大切ではないでしょうか。

※参考:安梅勅江(あんめときえ)筑波大学教授