入学式から2週間。
1年生もそろそろ学校に慣れてきた頃ではないでしょうか。
工業(専門)高校独自の授業としての、「実習(工業技術基礎)」がいよいよ始まりました。
電気科としては大事な、「電気工事士」合格に向けての技術を身に付けるための「電気工事実習」の第一回目です。
今回は第一回目ということで、基礎となるケーブル(電線)の「被覆剥き」、灯の器具に電線を取り付けるために必要な「輪づくり」を行いました。

慣れないナイフの取り扱いにも注意しながら、怪我をすることもなく初めての実習を終えました。
2月20日(月)、加茂中学校で2年生対象に「出前授業」を行いました。
今回のテーマは『電流と磁界の力』。準備した道具類は、電池・磁石・銅線・ペンチ。本校生徒3名が優秀な助手として、中学生のみなさんに試行錯誤していただきました。
出前授業は中学生に「電気に興味を持って欲しい」ことが目的ですが、本校生徒にとっては「伝える側」を体験する貴重な機会となっています。短い時間ではありましたが、有意義な時間となりました。

卒業式を終え、三年生を送りだした後に朗報が入ってきました。
数々の資格取得・検定合格をし、ジュニアマイスター特別表彰を受けた”森田 夢空”さんが、全国でも数名の「全国工業高等学校長協会理事長賞」として楯を授与されました。
長年本校に勤務の先生方も、口々に「初めて聞いた」と言うことでしたので、本校の歴史の中でも初めての授与ではないかと思われます。
3/3改めて、本校校長先生から授与いただきました。

本年度卒業した3年生はコロナに翻弄された高校生活を過ごしたのですが、彼女も含めた多くの生徒がそのような状況下でも、「資格取得」、「部活動」、「進学」、「就職」、様々な分野で多くの成果を上げてきました。
進学、就職、それぞれの進路先で頑張ってください。
卒業式を週明けに控えた2月28日、卒業生への各種表彰式が体育館で行われました。電気科の生徒も多くの表彰・顕彰をいただきました
電気・情報関連学科表彰
米子商工会議所優秀学生表彰
鳥取県高等学校体育連盟表彰
各団体から、それぞれ1名が表彰されました。
ジュニアマイスター顕彰
(公益社団法人全国工業高等学校長協会)
社会が求める専門的な資格・知識をもつ生徒の輩出を目的として、社会、大学、企業に向けた工業高校の評価向上を目指して設立されたものです。
将来の仕事や学業に必要と考えられる「国家職業資格」や各種「検定」の取得実績、各種「コンテスト」の入賞実績を、「全国工業高等学校長協会」が認定してポイント化、生徒が在学中に取得したものに対して得られたポイントの合計によって『ジュニアマイスターブロンズ』『ジュニアマイスターシルバー』、『ジュニアマイスターゴールド』、『ジュニアマイスター特別表彰』の称号が贈られます。
ジュニアマイスター特別表彰 1名
ジュニアマイスター ゴールド 2名(特別表彰1名含)
ジュニアマイスター シルバー 3名
ジュニアマイスター ブロンズ 5名
計10名が、「認定証」をいただきました。
ブロンズ
鳥取県職業教育技術顕彰 (鳥取県)
鳥取県立高校在籍の生徒の、「職業資格取得の奨励」、「技術・技能の習熟」、「目的意識向上」、「学校生活での活力維持」、「職業教育振興」などを目的として制定されている鳥取県独自の顕彰制度です。取得した資格の難易度により、1種目、または2種目で顕彰されます。
毎年電気科の生徒は、「第2種電気工事士」と「危険物取扱者 乙種第4類」の2種目取得で顕彰されることが多いです。しかしながら、本年度は、難関の「第3種電気主任技術者」取得者や、「第2種電気工事士」と「2級電気工事施工管理技術検定」、「第2種電気工事士」と「リスニング英語検定2級」など様々な組み合わせでの顕彰がみられました。いろいろな頑張り方があるということです。
本年度顕彰者 9名
このような彰状をいただきました。
職業教育技術顕彰

3月1日、3年生は本校を卒業していきました。
4月からはそれぞれの就職先、進学先での新しい生活が始まることになります。
新型コロナウイルス感染症に翻弄された高校生活を送った3年生でしたが、その中でもしっかりと成果を出してくれました。
コロナ禍を乗り切った強い心、鍛えた身体、研いた技術と技能、それぞれを持って、新しい生活に挑んでほしいものです。
電気科の生徒が挑戦する中で、最も難しい資格と言えます。
簡単に言うと、一般家庭とは違い大量の電気を必要する、ビルや工場等「高圧電気の管理・保全をするため」の資格です。
ビルや工場では高い電圧で電気を一括仕入れし施設ごとの「電気室」で用途に適した電圧に変えてから、必要な場所に配って利用しています。
そのような施設の電気工事を行うには「第1種電気工事士」の資格が必要ですが、その保安・監督つまり、「電気設備が適切に運用できるか」、「安全面に問題がないか」をチェックする仕事をするのに必要な資格が「第3種電気主任技術者」です。電気設備保安監督のスペシャリストであり、「そこに建物があって」、「電気を使用している」限り、電気主任技術者は必要とされるのです。
試験は「筆記」だけですが、「理論」、「電力」、「機械」、「法規」の四科目、一日がかりの試験です。
昨年9月1日(日)に松江市で試験があり、10月中旬に合試験結果が発表、先日合格証が届きました。
3年生 1名 合 格

高校在学中の取得はなかなか難しい資格なのですが、一昨年から一年あけての合格(免状取得)ということになりました。本校では、この四年間に三名が取得しています。
4月から企業で働くことになりますが、この「免状」を取得するために頑張った「努力」を活かし、社会に役立つ仕事をして欲しいと思います。
これまでの合格者数は、「 資格取得(第三種電気主任技術者) 」
https://www.torikyo.ed.jp/yonagoko-h/index.php?key=bbz9p3qij-39#_39
をご覧ください。
一般住宅等100ボルト、200ボルトという低い電圧を扱う電気工事は「第二種電気工事士」の資格が、またビルや工場など、6、600ボルト、またそれ以上の高い電圧の電気を一括仕入れ、自分のところで用途に適した電圧に変えてから必要な場所に配って利用しているような事業場等の電気工事は「第一種電気工事士」の資格がなければできません。
電気工事のない建物はほぼありませんが、電気工事はある程度建物ができあがっていないと始められません。この「電気工事施工管理技士」という資格は、施工(設計図等に基づいて工事の計画を立てて、工事を行う)をするとき、早く、良い工事が、安全にできるように、「工程」の管理、「品質」の管理、「安全」の管理などを行う仕事です。
このように、電気科で取り組んでいる資格のほとんどは、「この資格を持っていない人は、その仕事ができない」というものです。
電気工事を実際に行う「電気工事士」と管理を行う「電気工事施工管理技士」が協力して進めていかないと、良い工事にはなりません。
例年、2年生の時に第一種電気工事士に合格した生徒が3年生で受験するのですが、本年度の3年生はまだ第一種電気工事士を受験していませんでした。
(このようなところにもコロナの影響はでています。昨年度の第二種電気工事士は6、7月の試験が中止され、現3年生は10月、12月で受験したので第一種電気工事士の受験ができませんでした。)
今回、この試験を受験する生徒は、全員が第一種電気工事士との同時受験となり、しんどかったと思います。
一次試験は昨年11月に受験、このたび合格発表があり、3名が合格を果たし、2級電気工事施工管理技士補を取得しました。(高校生では一次試験しか受験できませんので、電気工事施工管理技士ではなく、”電気工事施工管理技士補”となります。)
この後、必要な仕事の経験を積んだうえで「二次試験」に合格すると、「2級電気工事施工管理技士」の資格が取得できます。

これまでの合格者数は、「 資格取得(2級電気工事施工管理技術検定) 」
https://www.torikyo.ed.jp/yonagoko-h/index.php?key=bbo4i36a0-39#_39
をご覧ください。