土木コース

目標
 「土木コース」は測量・土木設計・製図・施工を中心に学習し、将来、道路・河川・湾港・砂防などの建設工事に関わる人材の育成を目指します。
 
学習内容
  1. 土地のサイズや位置を測定する測量を学習する。
  2. 土木構造物の強さや大きさを企画し、材料・土質・水理などを考慮して計算を行う、設計を学習する。
  3. 測量、設計したものを図面に書く製図を学習する。

中学生のみなさんへ
【育成を目指している人材】
 本校建設科土木コースでは建設工事に関わる人材の育成を目指しています。建設工事に関わる人材と聞いてみなさんが思い浮かべる人は、ブルドーザーやショベルカーなどの建設機械を操縦している人や現場の中で鉄筋を組み立てる作業をしている人かもしれません。しかし本校建設科土木コースで育成を目指している人材は土木の現場で実務の中心となる土木技術者です。
 土木の現場では建設機械の操縦や鉄筋の組み立てなど様々な専門工事を請け負う方々が協力して土木構造物を造っています。その方々へ作業を指示し、情報のやり取りなどのコミュニケーションを取り、現場の状況を確認し、それを報告するための書類の作成や管理する仕事をしているのが土木技術者です。このような役割は中学生のみなさんからは見えにくいかもしれませんが、現場作業を進めていく上で非常に重要な仕事です。

【学ぶ内容】
 本校建設科土木コースでは土木技術者になるために重要な土木構造設計、土質力学、水理学、測量、土木施工などを学んでいます。どの科目も難易度は高く、幅広い知識が必要となりますが、生徒が理解しやすいように各教科に分けて少しずつ学ぶようにしています。実習では特に測量に力を入れて取り組んでおり、3年生の課題研究の授業で県内外の測量競技大会に出場する生徒もいます。
 土木の現場で仕事を請け負う建設会社で土木技術者として働くには資格が必要です。そのため本校建設科土木コースでは資格取得に向けて熱心に取り組んでいます。高校在学中に取得を目指している土木の資格は2級土木施工管理技士補と測量士補であり、2年生から希望者が受験しています。授業の取り組みだけでは合格は難しいので放課後に補習を実施して資格取得支援を行い、受験者全員ではありませんが毎年合格しています。

【卒業後の進路】
 本校建設科土木コースを卒業した生徒の多くは県内の建設会社で働いていて、県内外の建設会社からぜひ生徒に入社してほしいと多くの求人を頂いています。本校建設科土木コースは建設会社で働きたい人や高校卒業後は地元に残って働きたいという人に向いています。また国家公務員、都道府県庁、市町村の公務員の職種に技術職(土木)があり、近年は高校卒業程度の公務員試験で毎年募集が行われています。本校建設科土木コースで土木を学んだ生徒が毎年のように採用されているので、他校の普通科や本校の他科に比べても公務員に採用されやすいと言えます。技術職(土木)の公務員は採用する人数が少なく、公務員試験の難易度が高いので簡単ではありませんが、高校在学中にしっかり勉強や資格取得に取り組んで採用された生徒がいますので、本校建設科土木コースで技術職(土木)の公務員を目指すこともできます。

【おわりに】
 本校建設科土木コースで学ぶ内容は土木技術者の基礎であり,卒業後ただちに技術者として働けるわけではありません。しかし、本校の校訓である自律・創造・協働のもと、幅広い土木の学びの内容にも自分を奮い立たせて取り組み、土木構造物のことだけでなく、周囲の環境にも配慮することを学び,同じクラスの仲間と体を動かして実習を行うことは大変意義のあることです。
 卒業後に土木関連に就職した生徒達はもちろん、そうではない生徒達も本校建設科土木コースで学んだことを土台として多くの方面で活躍しています。
 もし中学生のみなさんが少しでも土木を面白そうだと感じたら、本校建設科土木コースへの進学も考えてみてください。みなさんと出会える日を楽しみにしています。

掲示板

「がいなロード」になりました。
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日誌

「インフラの維持管理」の講習を実施しました。

2023年10月30日 17時15分

令和5年10月30日(月)、本校建設科土木コース3年生を対象として「インフラの維持管理」の講習を行いました。社会基盤(インフラストラクチャー)である土木構造物は主に鉄筋コンクリートで造られており、長寿命です。しかし経年劣化により、トンネル上部が剥離して滑落するなどの被害も実際に生じています。そのため土木構造物を点検し、必要な補習を行うことで、土木構造物の健全な状態に保ち、安全に使用するための維持管理はとても重要な仕事です。本日は鳥取県コンクリート診断士会から講師をお招きし、講義と体験実習を行いました。

まず、本校建設科3年生の教室でインフラの維持管理の基礎、橋梁点検実習の説明、補修工事の説明の講義を聴講しました。

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次に西部総合事務所に移動し、敷地内の昭和新橋の下で3班編成の体験実習を行いました。

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1つ目はクラックスケールを利用したひび割れ調査と鉄筋探査(RCレーダー)です。ひび割れ調査は表面のひび割れをチョークでなぞり、そのひび割れ幅を計測し、ひび割れの大きさや方向、その模様などから大まかなひび割れの大まかな原因を推定できます。鉄筋探査はコンクリート表面から非破壊で内部の鉄筋位置を確認し、鉄筋とひび割れの関連を調査するものです。

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2つ目は反発硬度法と打音検査です。反発硬度法は反発硬度計(シュミットハンマー)を使用し、コンクリート表面の圧縮強度を推定します。打音検査はコンクリートをハンマーで叩き、その打音の違いから内部の空隙(コンクリート内部のすき間)を探すものです。

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3つ目は高所作業車を利用した橋梁下部の板厚測定と打音検査です。安全帯を装着し高所作業車に乗って、実際に生徒が板厚測定と打音検査を行いました。板厚測定は超音波板厚計を用いて橋梁で使用されている鋼材の板厚が腐食等で減少していないか確認するものです。

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以上の3つの体験実習を行い、最後に生徒代表が謝辞を述べ、記念写真を撮影しました。この取り組みは鳥取県建設分野担い手確保・育成連携協議会が主催し、鳥取県コンクリート診断士会の皆さんが実施してくださいました。このように本校建設科土木コースは建設業の担い手を育成する教育機関として期待されており、外部団体から多くのご助力を頂いております。今回の講習も生徒達が普段体験できないものであり、貴重な経験なったと思います。

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生徒の感想

今回の橋梁点検でたくさんの機器を使わしていだだきました。鉄筋探査機【RCレーダー】を使った実習では鉄筋の位置を正確にみつけることができこんな機器があったのだと驚きました。また、反発硬度法で反発硬度計【シュミットハンマー】を使った実習で実際に機器を使わしていただいたところ意外と力を使う必要があり苦戦しましたが最後には使えるようになりました。今回の実習で学んだことは将来役に立つと思うのでとても良い時間でした。