生活をつくる
2019年6月28日 08時42分 ゴールを決め、サッカー日本代表のワールドカップ初出場を導いた男として記憶に残る岡野雅行さん。(ガイナーレ鳥取代表取締役GM)
でも、岡野さんのサッカー人生は決して順調ではありませんでした。サッカー大好き少年だった岡野さんが入学した高校にはサッカー部がなかったのです。ショックを受けますが、「ないなら自分でつくろう」という前向きな心で、部員を集め、サッカー部をつくり、チームを強くしました。
岡野さんの著書『サッカーをあきらめない』には、挫折や苦労を味わいながらも、サッカー部のない高校から日本代表へたどりついた岡野さんの力強い道のりが描かれています。「ないなら自分でつくろう」と主体的に人生を切り拓く姿に共感します。
郡家東小学校は、特別活動の研究を推進して6年目になります。児童は自分たちでよりよい学級生活、学校生活をつくろうと活動しています。自分のよさを生かし、みんなのために進んで行動することで、人の役に立つ喜びを味わいます。そこには、感謝の気持ち「ありがとう」が生まれます。
特別活動の成果として、自己肯定感、挑戦意欲、協働性などが向上し、温かい人間関係が築けるようになってきました。今では、学校生活の問題を発見し、提案し、解決に向かう姿も少しずつ見られ出しました。自分たちで主体的に生活をつくっていこうという姿が見られ出したのです。
春の遠足は、予備日も雨になり中止になりました。そのとき6年生が、遠足に替わるイベントを計画し、「ぜひ、やらせてください」と提案してきました。そして、全校児童が楽しめるイベントを実行してくれました。提案し、自分たちで生活をつくるのは楽しいものです。やらされてやるのではなく、自分たちのやりたいことをやることで、
さらに意欲が高まります。
各学級に提案カードがあります。学級生活をよくすることを提案し
ます。「みんなでやってみたいこと」や「みんなで解決したいこと」
などを提案するのです。学級会で話し合うこともあれば、係や委員会
にお願いすることもあります。
さらに、今年度は委員会の組織を改革し、より創造的な活動ができるよう編成しました。各委員会から学校をよくするための提案が様々出されています。
先日の代表委員会は、企画委員会と新聞委員会が中心となって、進めました。学校の新聞をつくるにあたって、1学期の思い出の中からどんな記事を掲載するかを話合いました。話し合いの勉強に来ていた4年生もおり、多くの意見が飛び交う活発な代表委員会となりました。郡家東小学校のよさが満載の「東っ子新聞」ができあがりそうです。
郡家東小学校の学校経営の重点の一つは「温かい人間関係でつながる主体的、自治的な集団の育成」です。よりよい生活を自分たちでつくれる子供をめざしています。自治的な集団に少しずつ近づいています。
校長 安住 順一