学校長挨拶

このたび、鳥取県立境高等学校の校長として着任いたしました酒井敏彦です。

本校がある境港市は人口約3万3千人で、鳥取県西部の弓ヶ浜半島の先端に位置し、日本海を臨む漁業の盛んな港町であり、環日本海のゲートウェイとしてアジアとの国際交流の玄関口でもあります。漫画ゲゲゲの鬼太郎の原作者の出身地で、町中に妖怪のブロンズ像が沢山あって大変賑わっています。

本校は、昭和15年、鳥取県立境中学校として創立し、令和2年2月に80周年を迎えた歴史と伝統のある境港市唯一の普通科高校です。現在、1学年5クラスで565名が在籍しています。校訓は「質実剛健」と「文武両道」です。これらは、おおらかな明るさとたくましい敢闘精神の校風のもとで、本校の生徒が目指すべき姿勢を表しています。質素、誠実で、心身ともにたくましくあることと、学業だけでなく、運動部や文化部活動、探究活動など、生徒の皆さんには様々な分野で、全力で努力することが求められています。そして、本校の学校ビジョンは、「BIGに育て!境高生(きょうこうせい)」です。「BIG」とは、すなわち「部活動による人間力の伸張【B】」、「生きる力(探究力)の育成【I】」、「学力の向上と進路実現【G】」を図るということです。

部活動については、運動部・文化部とも大変盛んに活動しており、令和4年度には全国大会に陸上部、ハンドボール部、ヨット部等64名、中国ブロック大会(近畿高総文祭を含む)には延べ197名が出場しており、県内でも有数の実績を誇っています。

また、本校では総合的な探究の時間を「境考学(きょうこうがく)」と称して、1年次でSDGsについて、2年次では境港市に係る諸課題について探究活動を行っています。特に2年次では校外でフィールドワークを行い、実地に境港市の問題点や課題を見つけ、課題解決に向けた提言を行います。その過程では、地元事業所や境港市職員の皆様から様々に助言をいただいたり意見交換を行ったりして研究を深めていきます。

さて、令和4年度の卒業生の進路実績は、国公立合格者数が前年度の11名から24名となりました。また、四年制大学への進学率も目標としていた50%を超えました。生徒が「現状の自分」の成績よりも高い目標を掲げ、日々の授業を大切にして受験に向かった結果だと感じています。共通テストや個別学力試験、学校推薦型、総合選抜型等、入試が多様化している中で、進路実現に向けては生徒一人ひとりの「BIG」が各人の内に有機的に結びついていることが大切です。生徒がそれぞれの活動に本気で取り組んでいく姿勢を育んでいきたいと思います。

令和5年4月

校長 酒井 敏彦

 

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