平成24年度入学式式辞

2012年4月9日 15時38分

    平成24年度 入学式式辞
 「桜前線ゆるやかに北上」の便りとともに、野山の木々も芽をふくらませ、一段と春を感じる季節となりました。中学部の濱津志織さん、高等部の阪本こゆきさん、中村開知さん、林佳奈子さん、梶川慶貴さん入学おめでとうございます。皆さんは、新しい希望に胸をふくらませて、この鳥取聾学校の門をくぐったことと思います。皆さんの入学を、後ろにいる在校生、先生方、学校中の皆が待っていました。今日から鳥取聾学校の児童・生徒は、幼稚部も合わせて、24名となりました。
  ところで、新入生の皆さん、入学式にあたり大切なことをお話します。それは始業式でも話しましたが、学年のスタートにあたり今年の目標「たちつてと」の話です。「た」は、たのしく元気な鳥ろう。「ち」は、力を合わせて頑張る鳥ろう。「つ」は、伝えあえる鳥ろう。「て」は、徹底して続ける鳥ろう。「と」は、友達思いの鳥ろうです。 今年1年、この「たちつてと」をいつも頭において、在校生の皆さんと新しくおいでになった先生も交えて元気な鳥取聾学校を一緒に作っていきましょう。
 さて、大リーグで活躍しているイチロー選手のお話をします。彼は目標を高くしすぎない。必死に頑張っても届かない目標ならば諦めたり挫折感を味わうことになり、それは目標の設定ミス。つまりがんばれば何とか手の届くところに目標を設定し、手ごたえを自分の手でつかむまで時間に関係なくやり続けるという練習のスタイルをとっているのです。もうひとつは、彼は継続する力を大切にしているのです。高校生活の3年間、寝る前の10分の素振りを一日も休まず続けたのです。例えば野球の上手な子はすぐに上達しますが、いつの間にか練習を怠ります。ところが、下手な子は粘り強く練習を続け、できるようになった喜びに継続の大切さを知り、その後も練習を重ね上手な子よりも力らをつけるのです。彼は野球に対して卓越したセンスを持ちながらもひたすらに継続を重ねたのです。つまり、自分にあった目標を持ち、それに向けての継続を怠らなければ、必ず次の段階へと自分を押し上げていくことができ、それが、人が生き抜く力にも繋がっているものなのです。
 保護者の皆様、お子様のご入学おめでとうございます。これから子ども達が学校生活を始めるにあたりお願いがあります。保護者の方々がいつも子どもへのよきアドバイザーであっていただきたいということです。誰しも親として生きるのは新米ですから、最良の助言は出来なくてもいいのです。ただ、子ども達と共に努力をし、子どものよき理解者あるいは話し相手であって頂きたいのです。子どもたちは、それだけで心温かくいられるものであり、がんばれるのです。
 最後になりましたが、ご多忙中にもかかわりませず、ご臨席を賜りましたPTA会長様をはじめご来賓の皆様に厚くお礼を申し上げます。今後とも一層のご支援を賜りますようお願い申しあげまして式辞といたします。
   平成24年4月9日
                校長 後藤 裕明