卒業式式辞

2013年3月8日 12時30分

         卒業式 式辞

陽差しうららかに春到来の喜びを感じられる今日このよき日に、来賓・保護者の皆様のご臨席のもとに、平成24年度卒業証書授与式を挙行することができましたこと、厚く御礼申し上げます。

平成24年度の卒業生は、幼稚部廣田君、山縣さん、小学部杉本君、高等部濱尾君、加賀田さん5名の皆さんです。卒業生の皆さんご卒業おめでとうございます。保護者の皆様にはお子様がそれぞれの学部を終えられましたこと、本校職員一同心よりお祝い申し上げます。

さて、巣立ちゆく皆さんに私からひとつお話があります。

皆さんの周りには、何事もなかったかのように見える人がたくさんいます。その人たちでさえ挫折を幾度も経験しています。しかし挫折は決して悪いことばかりではありません。人は挫折を感じてこそ、手探りでいろいろ試み、自分の実力や適性に気づき、今まで抱いていた希望をより実現可能な方向へ修正し、やりがいを感じられるものに出会うものです。ただ時には窮地に陥り、ポジティブに受け止めようとしても心が前を向かない場合があります。その時は思い切って一休みしましょう。そしてゆっくり自問自答し、自分を見つめ、自分を知り、自分の信じる道を見出し、自分と向き合う力を持ちましょう。これから、多くを見聞きし、自分なりに消化するなど、あらゆる経験を積み重ねていくうちに、どのように生きるべきか、自分の立ち位置を冷静かつ客観的に見極めるのです。

高等部の濱尾君、加賀田さんはそれぞれ進学するのですが、この後の在学中に、いつまでも支えあえる友を作り、いま大切にしている趣味やスポーツを通して、知識に限らずあらゆる物事を貧欲に吸収し、生きる力となるものを自分の手でつかみ取るよう努力しましょう。そして暮らしていく中で、壁に突き当たった時には、周囲の人に積極的に助力を仰ぎ、人と繋がることにより、他者への感謝の気持ちを大切にしながら、自立への道を歩んでいただきたいと思います。長い人類の歴史において、一個人の命は一瞬にすぎませんが、自らの意思で粘り強く自分をプロデュースし、「人生」という名の作品を作り上げ、その一瞬を輝かしいものとして下さい。

そして、保護者の皆様におかれましては、様々な思い出がお心を駆け巡っておられることと存じます。今後、時にお子様方が立ち止り、あるいは立ち尽くすようなことがありましても、その折にこそ、創意工夫し、真に考える力がつくものと信じ、陰になり日向になり、今までと変わらぬ助勢をお願い致します。

終わりになりましたが来賓の皆様方、お忙しい中を卒業式にご臨席賜り、卒業生を祝福してくださいまして誠にありがとうございました。心より御礼を申し上げまして式辞と致します。

           平成25年3月8日 

                    学校長   後藤 裕明