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科学を創造する人財育成事業

2019年10月21日 08時41分

令和元年10月16日(水)に、「科学を創造する人財育成事業」が行われました。台風で延期したため、今年度は各分野の科学実験と数学コンテストのみの実施でした。

物理分野では、弦を伝わる波の速さが√(S/ρ) に比例することはディメンジョン解析からわかるが、比例定数が決定できないため、実験によって比例定数が1であることを確認しました。実験方法の概略を示し助言はしますが、それぞれのグループで独創的な工夫をして課題を解決することを目指します。人数が8名と少なかったこともあり、チーム同士も知恵を出し合い手分けして結果までたどりつきました。指導助言の教師も含めて、全員1チームで課題に取り組む楽しさや頼もしさを感じられました。
 

化学分野では、水溶液を用いた実験をしました。候補名が与えられた水溶液4種類Aと、未知の水溶液9種類Bを用いて、Aの水溶液を特定した後、Bの溶液にそれぞれどのような陽イオンが入っているかをつきとめる実験でした。実験方法は自由で、定められた課題に取り組みました。図説資料や教科書を用いてグループで考える時間が長い所もあったが、"とりあえずやってみる"ということの必要性に気が付いてくれる生徒もいました。進めていく中で、課題は何なのかを把握し、計画を立て直す姿も見られました。
 

生物分野では、「法医学者として,犯行現場(たまごを食べた犯人)から採取されたDNA サンプルと5 人の容疑者から得たDNA サンプルを比較することにより、犯人を識別する」というストーリーに沿って、環状のプラスミドDNA をヒトDNA と見立て、2 種類の制限酵素によって処理して得られたDNA 断片の電気泳動パターンを分析し、5 人の容疑者の中から犯人を見つけ出す実験をしました。高校生物における実験では用いない器具を多く用いたため、参加生徒2人に対して、1人の自然科学部部員を補助員として付け、実験の手技のサポートをしてもらいました。生徒同士の教え合いの姿が見られ、手技に集中するのではなく、実験の内容、解釈を考えている参加者が多く、主体的な学びの雰囲気で行えました。

 

地学分野では、実際に岩石中から化石を取り出し、取り出した化石が何であるかを特定しました。2人1組で協力して、楽しく取り組んでいました。また、様々な資料を基に考え、化石の特定を行うことができました。最後まで集中して取り組み、1人1つは化石を手に入れることができ、充実した実験ができました。

 

家庭科分野では、分子ガルトロノミーの実験として、ジュース作りと食感の違いによる味わいの変化を知るために、ボバ、グミ、ゼリーの3種類を用いて調べました。生徒たちは、協力して作業に取り組み、実験を楽しんでいました。「同じジュースに、いろいろな添加物を入れることで、それぞれ少しずつ違う固まり方をするのがおもしろかった。」「簡単に市販のレモンティーのようなものができた。」等の感想も出ました。

 

情報分野では、C++を使って基本的なゲーム(ブロック崩し)を作りました。コマンドの意味を考えながらプログラミングすることが重要で、生徒たちは、静かに集中してコーディングしていました。1度できあがった人は、ブロックの色や向きを変えるなど、自分なりにアレンジを加えていました。コマンドを入力する新鮮さ、楽しさを感じることができたと思います。

 

地歴分野では、学校周辺の史跡を巡り、普段は見過ごしている勝田町の歴史について、その機能や役割に注目しながら考察し、最後に勝田のキャッチコピーを考えました。生徒たちの考えたキャッチコピーとして「不思議がいっぱいのまち、勝田」「歴史、過去を大切にする、勝田」「神様たちと共に住むまち、勝田」等が出ました。

 

マシュマロチャレンジでは、パスタと決められた長さのひもとテープを用いて、頂上にマシュマロをのせる(もしくは刺す)塔を作りました。チームでより高い塔を作るために、試行錯誤していました。生徒たちは、マシュマロチャレンジを行うのは初めてで、楽しみながら制作を行いました。簡単そうに見えるが、マシュマロを支えるための強度とバランスがとれる塔を作るのは、意外と難しいのですが、チームで何度も挑戦して、世界記録99cmに近づく94cmの塔を制作したグループもありました。

 

数学コンテストでは、3人1組のグループに分かれ、難易度ごとに分類された問題を制限時間以内に解き、その時間を競いました。すべて高校1年生までの知識で解ける問題ですが、数々の難問に、生徒は苦労していました。3人で協力して問題を解くことは、普段ではあまり経験できないことなので、新鮮さもあり、楽しそうにコンテストに挑戦していました。この数学コンテストで終わることなく、様々な事にチャレンジする姿勢を持ち続けてほしいと思います。