「インフラの維持管理」の講習を実施しました。
2023年10月30日 17時15分令和5年10月30日(月)、本校建設科土木コース3年生を対象として「インフラの維持管理」の講習を行いました。社会基盤(インフラストラクチャー)である土木構造物は主に鉄筋コンクリートで造られており、長寿命です。しかし経年劣化により、トンネル上部が剥離して滑落するなどの被害も実際に生じています。そのため土木構造物を点検し、必要な補習を行うことで、土木構造物の健全な状態に保ち、安全に使用するための維持管理はとても重要な仕事です。本日は鳥取県コンクリート診断士会から講師をお招きし、講義と体験実習を行いました。
まず、本校建設科3年生の教室でインフラの維持管理の基礎、橋梁点検実習の説明、補修工事の説明の講義を聴講しました。
次に西部総合事務所に移動し、敷地内の昭和新橋の下で3班編成の体験実習を行いました。
1つ目はクラックスケールを利用したひび割れ調査と鉄筋探査(RCレーダー)です。ひび割れ調査は表面のひび割れをチョークでなぞり、そのひび割れ幅を計測し、ひび割れの大きさや方向、その模様などから大まかなひび割れの大まかな原因を推定できます。鉄筋探査はコンクリート表面から非破壊で内部の鉄筋位置を確認し、鉄筋とひび割れの関連を調査するものです。
2つ目は反発硬度法と打音検査です。反発硬度法は反発硬度計(シュミットハンマー)を使用し、コンクリート表面の圧縮強度を推定します。打音検査はコンクリートをハンマーで叩き、その打音の違いから内部の空隙(コンクリート内部のすき間)を探すものです。
3つ目は高所作業車を利用した橋梁下部の板厚測定と打音検査です。安全帯を装着し高所作業車に乗って、実際に生徒が板厚測定と打音検査を行いました。板厚測定は超音波板厚計を用いて橋梁で使用されている鋼材の板厚が腐食等で減少していないか確認するものです。
以上の3つの体験実習を行い、最後に生徒代表が謝辞を述べ、記念写真を撮影しました。この取り組みは鳥取県建設分野担い手確保・育成連携協議会が主催し、鳥取県コンクリート診断士会の皆さんが実施してくださいました。このように本校建設科土木コースは建設業の担い手を育成する教育機関として期待されており、外部団体から多くのご助力を頂いております。今回の講習も生徒達が普段体験できないものであり、貴重な経験なったと思います。
生徒の感想
今回の橋梁点検でたくさんの機器を使わしていだだきました。鉄筋探査機【RCレーダー】を使った実習では鉄筋の位置を正確にみつけることができこんな機器があったのだと驚きました。また、反発硬度法で反発硬度計【シュミットハンマー】を使った実習で実際に機器を使わしていただいたところ意外と力を使う必要があり苦戦しましたが最後には使えるようになりました。今回の実習で学んだことは将来役に立つと思うのでとても良い時間でした。