「短所」だと思っていたら、実は「長所」だった!

2021年7月19日 14時36分

    7月10日から8月9日までの期間は部落解放月間です。八頭町ではこの期間中に人権啓発ワッペンを着用し、啓発運動を行っています。ワッペンには「見つけよう 一人ひとりの いいところ」と書かれています。学校でも家庭でも、子供たちのいいところを「ほめる、認める」言葉かけをして、自己肯定感を高めるように取り組んでいます。
    しかし、配慮したい点もあります。実は、私たちは自分たちの都合のよい価値観を基準にして、ほめたり認めたりしていることが多いのではないかということです。社会自立に向けて一定の価値観をもとに子供たちの言動を「ほめる、認める」ことで成長につなげることは基本原則ですが、多様性を認めることで個々の個性が輝き、自己肯定感が高められる場合もあるのではないかとも考えます。
    では、そのようにするには、具体的にどうすればいいのでしょうか。教育実践研究家の菊池省三氏は「短所をほめる」よう視点を変えてみることの大切さを提起しています。例えば自己主張が強い子に対して「自分のことばかり主張する子だな」とネガティブ(否定的)に感じたとしても、いやいや、そうではない「素直に自分の考えを話せて素敵な子だな」とポジティブ(肯定的)に捉えることで、その子への対応が違ってきます。教師や親がポジティブな見方を意識して、子供たちの個性を認め、学校や家庭の中でその個性を生かせるように支援していくことで、子供たちの個性や多様性が認められ、「みんなちがって みんないい」状況に近づいていくように思います。
 短所だと思っていたその人の特性・特徴が、実はすばらしい才能であるかもしれませんし、その人の特技習得につながる可能性もあります。まずは、その人をポジティブ(肯定的)に受けとめる見方を意識したいと思います。