「校長室から」
 
 教育のこと、子どものこと、その他私の考えたこと等、校長の視点で保護者や地域の皆様に発信をしていきたいと思います。感想や意見がありましたらお教えください。

「オリジン(起源・由来)」

2025年12月1日 08時14分

秋らしい秋が足早に過ぎ去り、あっという間に今年の冬がやってきました。今年も残すところ1ケ月、体調には十分気を付けて師走の日々をお過ごしください。

先月は、「西スタ・デー ~学びの発表会~」を開催したところ、多数お越しいただきありがとうございました。各学年の発表はいかがでしたでしょうか。1年生の KOGE WEST EXPO~スーパーヒーローとあきまつり~は、大阪・関西万博を模したパビリオン形式で、おうちの方をうれしそうに迎える姿がほほえましかったです。2年生のチャレンジピース☆こおげ探検隊~こおげのすてき発見!~は、校外学習で学んだことの発表でしたが、見学でお世話になった方々が来てくださり張り切って発表していました。振り付けとともに一斉に歌う姿もかわいかったです。3年生のPOWER UP3年生~新しい教科で みんなを強化~は、リコーダーと外国語活動の紹介に加えて福祉の学習発表と盛だくさんでした。4年生のIっち団結 Choう戦しよう Toもだちと~楽しく便利に 学びが深まるICT~は、日頃児童が使っているタブレットを参加された方に使っていただく趣向を凝らした体験型の内容でした。5年生の受け継ぐ「〇〇」~伝統(家庭科)・生命(理科)・水産業(社会)~は、教科学習の内容そのものをプレゼン発表するものでした。6年生の未来へはばたけラストスパート~音楽×体育~は、児童自らが表現したいことをチームごとに自分たちで表現の仕方を考えて作り上げた発表でした。

「西スタ・デー ~学びの発表会~」は児童にとって、自分たちの取組を表現する楽しみな場面であるとともに緊張する晴れ舞台でもありました。私たち教職員は、日々の学校教育の中で、子供たちにどのような声かけをすると、子供たち一人一人の学ぶ意欲、チャレンジ精神、困難に立ち向かう心が育つのかを常に考えて教育活動を行っています。このことは、ご家庭の中でも同じことが言えるのではないでしょうか。

先月、全国連合小学校長会研究協議会福岡大会に参加して、その中の記念講演が大変興味深いものでしたので、紹介させていただきます。講師に福岡県出身の聖家族贖罪聖堂彫刻家外尾悦郎(そとお えつろう)氏を迎えて、演題「志す」のご講演をいただきました。この方は、アントニ・ガウディの建築、スペインバルセロナの世界遺産「サグラダ・ファミリア」の専任彫刻家として現在作品制作に携われている方です。もう少し紹介しますと、テレビ番組「サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん」未完成の世界遺産サグラダファミリアSP(2025.5.31放送)で紹介された方です。講演の中でこのようなことをお話されました。

オリジン(起源、由来)となるふるさとをもっている人は、いくらでも遠くに行ける。日本の学校をふるさとに思う。ふるさと学校は、背骨をまっすぐにしてくれる。先生一人一人が(心の)ふるさとであれ、学校がふるさとであれ。心の中にふるさとが生きている。ふとした時に思い出す。ふるさとがあるから苦悩に耐えられる。人はふるさとという根っこをもって生きている。文化はカルチャー、耕すということ、(ふるさとは)心を耕してくれたとも言われました。

私たち学校、先生のことを言われましたが、このことは子供にとっての保護者・ご家族も同じではないでしょうか。子供とかかわる大人それぞれが、しっかりと(心の)根っこをもつ子供を育てることが、家庭・学校の使命であると思います。     参考図書:「ガウディの伝言」外尾悦郎 著 光文社新書