卒業生268名を代表して青砥さんに卒業証書が授与されました。


深田校長は式辞で次のように述べました。(抜粋)「米子西高校116期卒業生となる268名の皆さん、卒業おめでとう。皆さんを今日まで育ててくださった保護者の皆様をはじめ、皆さんに愛情を注ぐすべての人々は、皆さんの晴れの姿をみて喜びにあふれています。それは、高校卒業という人生での大きな節目・転機を迎えたからです。人は転機ごとに伸びると言われています。しなやかに伸びる竹を思い出してください。竹は自ら節を作り、固めつつ上に伸びていきます。皆さん一人一人が、この卒業を節目に必ずや向上を成し遂げるであろうという強い期待感があるからこそ、本校の教職員、在校生、同窓会は、保護者の皆様とともに、皆さんの卒業を祝福するのだと思います。
さて、今、皆さんが飛び立とうとしている社会はAIの急速な進化など、技術革新が目覚ましく進展・普及し、そしてモノの消費を抑えたスマート社会です。それに伴い、人の働き方や生き方を含めた社会全体の構造までもが変化しつつあります。具体的にどのように変化していくのか、その変化のスピードや姿は誰にも予想できません。そのような社会を生きていく皆さん一人ひとりが自分の人生を切り開いていくために、私から2つお話をしておきたいと思います。
1つ目は『学び続ける人であって欲しい。』ということです。価値観も社会構造も変化し続けます。しかもその変化のスピードが早くなってきています。そうなると、常に自分自身アップデート、つまり更新していかなければなりません。そのアップデートが「学び」です。人生は変化の連続ですから学びはいくつになっても続きます。学ぶことをやめることは、自らの力が発揮できなく可能性が大きくなっていくことを意味しています。もちろん何を学ぶかが大切です。時代を読み、今大切にしなくてはならないこと。将来のために大切にしてはならないことに対して、時間や労力を惜しまず学んでいただきたいと思います。また、世界に目を向けると、昨年から続くロシアによるウクライナ侵攻や先日のトルコ・シリアの震災と多くの人々に苦しみや悲しみをもたらす事案が生じています。遠くの出来事として目をそらさず、今後の動きにも注目して国際社会についても考え、学ぶ日本人として成長していただきたいと思います。
2つ目は、『ふるさとを大切にする人であって欲しい。』ということです。先程申し上げたように急速な変化を遂げている社会であり、視点もグローバルなものが求められます。しかし、その基盤となるのは、地域への意識であり、生まれ育ち、成長した場所での経験です。良かったことも悪かったことも全部含めて皆さんの未来に繋がっていきます。どこを『ふるさと』と感じるかは皆さんにお任せします。成長した後、是非『ふるさと』を思い、大切にしていただきたいと思います。
2020年初頭、皆さんが高校受験を控えた冬頃から始まった新型コロナウイルスの流行は、ようやく出口が見えてきました。ただ、その3年間が高校3年間と重なってしまった皆さんに、満足できる高校生活や活動を準備できなかったことをとても残念に思っています。『臨時休校』『分散登校』『延期』『中止』『無観客』『マスク着用』などの聞きなれたワードは、様々な活動が制限されたことを意味しています。普段なら経験できたはずの活動が経験できなかったことは、取り戻すことができない損失を含んでいます。理不尽さを感じ、ストレスも溜まったのだと思います。しかし皆さんは、その状況の中でできることを精一杯取り組み、最善の努力をしてくれたと思います。良きにせよ悪しきにせよその環境を受け入れ、その中で成長していくことが人間の宿命です。その状況で学んだこと、感じたことを未来に生かしていくしかありません。
卒業は『終わり』ではなく『始まり』です。卒業と同時に皆さんには、自らが選んだ新しい旅立ちが始まります。決意をもって自らの道をたくましく進んでほしいと思います。『こころのふるさと』米子西高は、いつまでも皆さんを応援しています。皆さんの成長とこれからの幸せな人生を心から願い、式辞といたします。」
来賓の杉原PTA会長より、生徒を勇気づける心のこもった祝辞を頂戴しました。

卒業生から学校に卒業記念品として「拡張天板くん80台」が贈呈されました。

在校生からは卒業生に記念品として「卒業証書ホルダー」が贈呈されました。


在校生送辞では大野達也さんが次のように述べました。(抜粋)
「私達は、皆さんの志を引き継ぎ、起きたことは、次に起こることが、うまく行くための礎だと考え、米子西高校での生活をより充実させていきたいと思います。私達、後輩の成長に大きく関わっていただいた先輩方に心から感謝します。先輩方が高校生活で経験されたことは、どこかですべてが上手く回っていくためにあるでしょう。先輩方はこの米子西高校で学んだ多くのことを糧に夢に向かって、困難を乗り越えてください。沢山の思い出をありがとうございました。」

卒業生答辞では森美月さんが次のように述べました。(抜粋)
「コロナ禍3年目の今年も多くの制限を強いられました。臨時休校、オンライン授業、ハイブリッド授業、部活動の制限など。この3年間。たくさんの我慢を強いられ何度怒りに耐えてきたでしょう。誰が悪いわけでもない、他の学生も同じ、わかっていても、普通の学校生活を送りたかった。
そんな中でも、学校を楽しくしてくれたのは友達の存在です。友達と毎日上った坂道、たくさん笑った教室、他愛もない会話、友達と過ごした何気ない日常が幸せな時間でした。
辛いことも吹き飛ばすほど楽しく、充実した高校生活にしてくれた友達はかけがえのない存在です。振り返ってみると私の高校生活は、常に意欲や活力を持ち続け目標に向かって邁進できた3年間だったと思います。何よりも心に残っているのは部活動です。毎日、ボロボロになるまで練習に打ち込み、仲間どうし何度も本気でぶつかり合い、たくさん悩み、青春のすべてをバレーボールに捧げてきた3年間。
コロナ禍で目標を失いそうになったり、練習の厳しさに弱音を吐きそうになったり、心が折れそうになったりしたこともあります。しかし、最後まで逃げずにやりきることができたのは、バレーボール部の仲間達のおかげです。喜びや悔しさ、苦楽を共にした仲間達は私にとって欠かすことの出来ない大切な存在です。顧問の先生方、最高の仲間達とともに過ごした3年間は一生の宝物です。チームの一員であった誇りと自信を胸に、これからの人生を力強く歩いていきます。
私たちのことを一番に考え支えてくれた家族、熱心に指導してくださった諸先生方、たくさんの方たちのおかげで今日まで歩んでくることができました。
3年間私たちの成長を見守ってくださったすべての皆様に卒業生を代表して心より御礼申し上げます。」

今年は卒業式の後、保護者は各クラスに移動し、卒業証書を生徒一人ひとりに渡す様子を参観されました。多くの方に見守られ卒業を祝福されました。卒業生は、親への感謝の言葉やクラスへの感謝の思いを語っていました。
卒業おめでとうございます。