

最初に気高町逢坂地区の「大堤池」を見学。「うぐい突き」について、うぐい突き保存会事務局の方にお話を聞きました。
「大堤池」は戦国時代に農業用水を確保するためのため池として造られたもので、年に一度10月に池の底にたまった泥を取り除くために朱印船貿易を通じて東南アジアから伝わったとされる「うぐい突き」という行事を行ってきたそうです。
「うぐい突き」とは、うぐいという竹で編んだ籠のようなものを、池の中で突くように振りおろして、鯉やフナをとる漁です。

うぐい突きの目的は3つ
①稲刈りがしやすいように水位を下げること。
②うぐいで池の底をかきまわすことで、池の底にたまった泥(養分を含む)を田に流し込み、肥料とすること。
③魚とりそのものを地域の人々と楽しむ。川魚を食べる文化を守ること。
400年前の知恵と努力が今も受け継がれています。

昔は水がきれいだったので、オオサンショウウオをあちこちでみかけたそうですが、今はみかけなくなってしまったとのことです。うぐい突きの伝統行事とともに、きれいな水を守りたいという思いで活動しているそうです。


小さいこいのぼりを川魚に見立ててわかりやすく「うぐい突き」の方法を説明していただきました。

毎年10月に「うぐい突き祭り」を開催しており、今年は10月2日行われました。祭りでは、地元食材を使った屋台を出しているそうです。その時に大堤池にちなんだ「かき氷」をだすそうです。どんな「かき氷」かはその時のお楽しみです。ちなみに「かき氷」の入れ物はうぐいのミニチュアだそうです。生徒は一足先にその「かき氷」をいただきました。
「大堤池」の次に向かった先は、気高町瑞穂地区の日光集落で行われている生姜(しょうが)栽培見学です。


農事組合法人日光農産の代表理事の方に説明をしていただきました。

400年前、鹿野城主であった亀井玆矩が朱印船貿易で東南アジアから生姜を持ち帰り、日光で栽培したのが始まりです。近年の高齢化と後継者不足のため、農業を続けることができなくなる家が増えましたが、伝統の生姜づくりを守り、もう一度活性化させたいと4人の有志により、平成23年3月に『日光生姜生産組合』を設立。平成23年12月に組合員34人によって『農事組合法人日光農産』を立ち上げました。生姜の生産・販売事業のほか、集落の住民が共同で、米、ネギ、大豆を生産しています。

日光生姜は辛みが強くコクがあり、収穫した生姜は、「生姜穴」で保存され、自然熟成されてうまみが増します。生姜は東南アジアから入ってきたとされるものなので、鳥取の寒い冬は不向きなため山に穴を掘り、生姜穴を作ることで年中15℃程度、適切な湿度を保った環境で保存します。また日光生姜は、農薬や化学肥料を削減するなど一定の要件を満たして生産された農産物に認められる、特別栽培農産物として指定されています。



10月30日(日)に「新生姜まつり」が行われます。
最後に「生姜穴」の中に入らせていただきました。穴の中はひんやりと涼しかったです。