人権
2014年8月19日 11時09分【人権教育研修会】
今年度の本校校内人権教育研修会として、8月1日(金)、高等部多目的室にて、日本理化学工業株式会社取締役会長の大山泰弘(おおやまやすひろ)さんをお迎えし、「幸せな人生は人の役に立つこと~知的障がい者に導かれた企業経営から~」と題して、人権・進路講演会を行いました。
この日本理化学工業は、ダストレスチョークの製造販売で日本一のシェアを誇る企業なのですが、従業員79名中58名が知的障がい者という、障がい者雇用のエキスパートともいえる企業です。そして、このような企業を築き上げられた方が他ならぬ大山さんです。
このたびの御講演では、 誠実なお人柄そのままの、優しく暖かい口調で、障がい者雇用のきっかけから現在に至るまでの企業経営を通して、働くことの意義を語っていただきました。そこで語られた言葉のひとつひとつが示唆に富んだものであり、参加者全員の心に響くものでした。
講演依頼に応じ日本中を駆け巡っておられる中での御来鳥でしたが、本校にとっても、とても有意義な2時間を共有することができました。
(講演会感想抜粋)
・”人のために働くことは幸せなこと”この考えをすべての人が感じていたら、世の中は”みんながお互いに役に立
てる社会”になり、みんなが幸せを強く実感できるだろうと思う。企業が求める4つの約束(身辺処理、返事、言
われたことを一生懸命する、周りに迷惑をかけない)を身に付けて社会に送り出すことが私たち教員の仕事だと
思った。また、一生懸命働く姿を私たちが見せていくことは、約束の三つ目(言われたことを一生懸命する)が
子どもの育成につながると思う。改めて気を引き締めようと思った。
・従業員79名のうち58名が障がいのある方ということだったが、会社としてちゃんと仕事がなされ、経営が成り
立っているのは、「相手の障がいのせいにしない、できる段取りを考える、一人で背負わずみんなで考える」とい
う方針が、全員に徹底しているからだと思いました。私たち教師も、できる段取りを考えるところが支援の工夫だ
と思いました。どんな人も、自分が役に立つ環境の中でどんどん力を発揮できるのだと思いました。
・大山先生の本を読ませていただいて、とても感銘していました。話を聞く機会を与えていただき、ありがとうござ
いました。「人の役に立つこと」「人に必要とされること」が人間にとって幸せという言葉が印象に残りました。こ
の言葉は、障がいのあるなしに関わらず、また、年齢に関わらず感じる幸せで、生きていく上で必要なことと思
いました。また、仕事を続けていく上で、生活が基盤であり、保護者会が開かれていることも参考になりました。
ありがとうございました。
(大山会長のお礼のメールより)
・講演のご感想をたくさん送ってくださって、それぞれひとつひとつの感想を読んで、私自身そうか、そういうことにも
役立つのかと勉強させられました。現地でお世話になりながら、こんなにご丁寧な感想文集を送ってくださったこ
と、重ねてお礼申し上げます。そして、諸先生方のさらなるご成果をあげられることを心から期待しております。