自制心・やりぬく力

2018年10月30日 15時45分

 全米オープンテニスで優勝した大坂なおみ選手の活躍を見て、うれしくなりました。私は大坂選手の大ファンになりました。
 先日、大坂なおみ選手の話を全校朝会でしました。キーワードは「あこがれ」「ありがとう」「がまん」でしたが、「がまん」が心に残った子が多かったようです。大坂選手は、恵まれた身体能力を持ちながらも、心の弱さが課題でした。そこで「がまん」をキーワードに練習を重ねたことで、精神面で大きく成長し、優勝を手に入れることができたのです。
  大坂選手の活躍で、非認知能力の重要性を思い出しました。


◆『「学力」の経済学』(中室牧子著)の記述より要約◆

 IQや学力テストで計測される能力を「認知能力」、人間の気質や性格的な特徴のようなものを「非認知能力」という。学力テストでは計測することができない非認知能力が、人生の成功において極めて重要である。
 特に、大切な非認知能力は、「自制心」「やりぬく力」である。

自制心」は、筋肉のように鍛えるとよい。ポイントは継続と反復。自制心も、何かを繰り返し継続的に行うことで向上する。先生に「背筋を伸ばせ」と言われ続けて、それを忠実に実行した学生は成績が向上した。「背筋を伸ばす」のような意識しないとしづらいことを継続的に行ったことで、学生の自制心が鍛えられ、成績にも良い影響を及ぼしたのだろう。
 「細かく計画を立て、記録し、達成度を自分で管理する」ことが自制心を鍛えるのに有効。レコーディングダイエット法で減量に成功する人が多かったのは、「日々摂取した食事とそのカロリーを継続的に記録し体重を確認する」ことを通じて自制心が鍛えられたから。
 やりぬく力を伸ばすためには「心の持ちよう」が大切。「自分のもともとの能力は生まれつきのものではなくて、努力によって後天的に伸ばすことができる」ということを信じる子供は、「やりぬく力」が強い。親や教師から定期的にそのようなメッセージを伝えられた子供たちは、「やりぬく力」が強くなり、その結果、成績も改善した。      


 郡家東小学校で取り組んでいる「立腰」「黙働」等は、自制心を鍛えるのに適した意義ある活動です。また、学習習慣、生活習慣のふり返りを継続することも自制心を高めます。子供を励まし続け、「やりぬく力」を伸ばしていきましょう。



  
校長 安住 順一