そんな生徒を対象に年に3回開催するのが「次世代教師塾」。このたび,38名の生徒が参加して第1回を開催しました。ゲストティーチャーは,鳥取市立湖山小学校で教鞭を執る清水 拓実先生。清水先生と過ごした,アッという間の90分間の様子をお伝えします。
次世代教師塾。鳥取東高独自のこの企画は「教育への熱い思いと高い志を持つ生徒を応援したい!」という本校教職員の「思い」からスタートしました。
この企画では,本校を卒業後,地元鳥取で教職に就いていらっしゃる先輩をゲストティーチャーにお迎えし,教職の魅力や学校教員として身につけておくべき資質等について「生の声」をとおして学習することで,生徒の意欲をより高めることを狙っています。
令和6年6月22日(土)。38名の生徒が休日の会議室に集合。第1回ゲストティーチャーは,湖山小学校にご勤務の清水先生。2017年度に鳥取東高校を卒業後,教育学部で専門性を高められ,2022年4月から鳥取県公立学校教員として教職をスタートされました。

現在,5年生担任としてご活躍の清水先生。前日まで船上山での1泊2日の宿泊学習だったとのこと。でも,疲れを微塵にも見せず,溌溂とご講演くださいました。そんな清水先生は終始,ご自身のことばで小学校教育の喜びや醍醐味について,主に次のような点についてご紹介くださいました。生徒が熱心にメモを取るのも必然でした。
▶小学校では1日単位で児童の変容や成長に触れられる。これが何より嬉しい。
▶授業の良し悪しも児童の態度ですぐわかる。児童中心に授業を改善し,創っている。
▶行事に本気で取り組むと児童は変わる。児童の頑張る姿,満足している姿が一番嬉しい。このリアルに触れられることが小学校教員としてのモチベーション。
▶やっぱり児童の笑顔が一番。授業の中でも,休憩時間でも,児童が輝く。この瞬間が小学校教育の醍醐味。

清水先生の誠実なお人柄がそのままにじみ出るようなご講演に,生徒は一気に引き込まれたようでした。事実,ご講演後の質疑応答では次から次へと鋭い質問が清水先生に投げかけられていました。
ご講演後はグループディスカッション。テーマは「理想の教師像とは?」。
生徒ならではの赤裸々な思いに基づく視点。自分の目指す教育方針に基づく視点。生徒は,それぞれが大切にする様々な視点から「理想の教師像」について意見を交換しました。

締めくくりは,清水先生からのフィードバック。
▶高校生らしからぬ「教師目線」で教育そして教師像を語る生徒が多いことに感動。
▶未来は自分次第。いろんな経験をしてほしい。
▶とりあえず,何でも「やってみる」という精神を大切に。その経験が将来を創るものになるかも!?

そして…次のエールを東高生に贈ってくださいました。
▶教育の未来を背負っていくのはみなさん。ぜひ教師になりましょう!未来の子どもたちが待っています!
こうして,第1回教師塾は盛会のうちに終了しました。下校前に清水先生に挨拶をするために列を作って待つ生徒,「どうしても聞いておきたいことがある」と個別に質問にやってくる生徒等,なかなか散会しなかったのがその盛況ぶりを証左していました。
「せっかくのことなので…」ということで,散会前に自主的に質問をした生徒と記念撮影。清水先生からご紹介のあった湖山小学校の児童に負けるとも劣らない「笑顔」で,第1回教師塾を締めくくりました。

数年後,清水先生の「後輩」として,鳥取県内の小学校,中学校そして高等学校の教壇に立つ先生が誕生していることでしょう。校種は違えど,清水先生から託された襷(たすき)を繋ぐ,そんな輪とつながりがきっとできているはず…と,そう確信した1日でした。
教職について積極的に考えることのできる時間を創出くださった清水先生,本当にありがとうございました!