対象となるのは,理数科を設置する高校に在籍し,課題研究等をとおしてより高次元の学びと研究に取り組んできた生徒。会場となった島根県民会館には,予備審査(予選)を通過した,中国地区(広島県を除く),四国地区そして九州地区を代表する精鋭が集いました。
高校生が対象となるこの大会。実は学術的に優れた研究成果が発表されてきたという歴史があります。
第26回となるこの大会に出場したのは,次のそれぞれの部門で予備審査(予選)を通過した中国地区,四国地区,九州地区の代表校(生徒)です。
▶ステージ発表 16チーム(16県) ▶ポスター発表 52チーム(16県)
鳥取東高校理数科からの今大会への参加状況は次のとおりです。
▶ステージ発表:セミの抜け殻キチンナノファイバーに関するパンとカビと餅の物語(3年生5名)
▶ポスター発表:アイスプラントとの混植による塩ストレス緩和効果について~ 土壌編 ~(3年生5名)
夕焼けを再現する教材の開発(3年生3名)
〈第26回大会に参加した鳥取東高校理数科生徒〉
毎年,ハイレベルな研究成果が発表され,感動と刺激の絶えないこの大会。鳥取東高は「ステージ発表の部」において,これまでに優秀賞を7度,獲得してきました。これは,理数科登録校で最多のものです!(実績:第11回,12回,13回、19回、21回,23回,25回大会)
他方,「あともう一歩」というところで最優秀賞に届かなかった…というのも事実。第26回大会では,鳥取東高校悲願の最優秀賞獲得を目標に,発表の仕方やプレゼンテーション演出等の面においてもブラッシュアップを重ねて臨みました。そうすることできっと,自分達が取り組んできた課題研究の面白さや魅力,そして今後の科学技術振興への可能性をより広く理解してもらえれる…。そう考えました。
気合十分に臨んだステージ発表。セミの抜け殻キチンの可能性に注目し,試行錯誤と失敗,そして感動と落胆を繰り返してはサイエンスマインドを躍らせて研究に取り組んできたその「思い」が,会場ステージにほとばしる時間となりました。
とはいえ,気合十分だからこそやはり,生徒はプレゼンテーションそして質疑応答ともとんでもなく緊張。研究そのものの質はもちろん,この大会における発表の質についてもより高いレベルを追求していたがゆえに,発表終了後には周囲の目をはばからず悔し涙を流した生徒もいたとのこと。
そしていよいよ「ステージ発表の部」の審査結果発表。まず,優秀賞を受賞する3校が,1校ずつ発表されました。鳥取東高校の名は…やはり,そこにはありませんでした。生徒の心の中では,悔しさが落胆に変わろうとしていました。
気持ちが沈みかける中,最優秀賞の受賞校発表。その次の瞬間,「鳥取東高校」の名が会場全体に響く声で告げられました。
悔し涙も,ついさっきまで落胆に変わりつつあった重たい気持ちもすべて,歓喜と感動の涙に!研究内容だけでなく,発表をとおして確認できた探究への挑戦に果敢に取り組んできたその研究プロセスも評価されたとのこと。発表した生徒はこの上ない達成感を得るとともに,本校理数科生徒にとって大きな自信にもなりました。
「ポスター発表の部」に出場した2チームは,残念ながら賞の獲得はできませんでしたが,専門家をはじめとする来場者(聴衆者)に丁寧に説明し,質問にも的確に回答していました。
ポスター発表の様子(アイスプラント)
ポスター発表の様子(夕焼け)
こうして,参加した一人ひとりの生徒が確かな手ごたえを得,理系人材としてかけがえのない経験を積んで第26回大会を終えることができました。これも,鳥取東高校理数科の課題研究活動にご協力くださった関係大学の先生方,地域関係企業・研究機関の皆様・研究者の方々の真心とご支援あってのことと痛感しています。本当にありがとうございます。
鳥取東高校理数科はこうした大会で受賞することだけをその教育目標にしているわけでは決してありません。これからも,生徒とともに探究への挑戦の歩みを止めることなく,生徒の「なぜ?」を大切に「科学する心」をはぐくみ,将来の科学や技術を担う人材を育成してまいります。どうぞこれからも温かいご指導とご声援をよろしくお願いします。