令和5年度 第9回卒業証書授与式 式辞

令和5年度卒業式 式辞

 令和六年もあっという間に二月(ふたつき)が過ぎ、三月(さんがつ)も中旬を迎えようとしています。

今年は、元日の午後四時十分に能登半島で大きな地震が発生し、強い揺れと津波によって多くの方々が命を落とされました。また、二ヶ月以上たった今でも、避難所生活を余儀なくされたり、自宅に戻っても不便な生活をおくられたりしています。そこで、先ず、地震によって大切な人をなくされた方々への哀悼の意を送るとともに、今この時も全力で復旧活動に尽力されている皆様へ敬意を表します。

 このような中にあっても、季節は三寒四温を重ねながら、今年も着実に冬から春へと向かっています。そして、今日梅の華(か)香(かお)る三月八日に、吉田町長様、薮田教育長様をはじめ教育委員の皆様、町議会議員の方々、西村PTA会長様、そして、学校運営協議会の皆様のご臨席を賜り、令和五年度八頭中学校第九回卒業式を挙行できますことは、私たちにとりましてこの上ない喜びであります。

 高いところからではありますが、職員を代表しまして、心よりお礼申しあげます。 「ありがとうございます。」

 改めまして、 「百十一名の卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。」

 また、保護者の皆様には、小学校入学から義務教育九年間の成長を振り返られ感慨もひとしおのことと拝察し、職員一同、心よりお祝い申し上げます。 「おめでとうございます。」

 さて、今日の日を迎えるにあたり、卒業生の皆さんが「八頭中学校で過ごした三年間は、大変内容の濃い時間を過ごした」と感じていると思います。特に、三年生となって過ごした令和五年度は充実した日々だったと感じていることと推察します。

 四月の修学旅行は四年ぶりに東京方面に赴き、研修を深め人間力を高めることができました。この時の皆さん様子は、本年度の本校の大きなレベルアップを期待させるものでした。また、六月から始まった全国へつながる総体でも各種目で活躍を見せてくれました。あと一勝すれば県中総体に行けた女子バレーボール部が、その枠を獲得するために、何度も何度も挑戦し続ける姿は感動的でした。バレー部に限らず全ての部活動において「諦めない心」を見せてくれました。

 9月に行った運動会では、七月のあの暑い日の学年集会で「八頭中の伝統を繋げていくための、新しい形の八頭中の運動会をつくり上げてほしい。」と語った私の思いを正面から受け止め、苦心の末に大成功に導いてくれました。正に、閉会式での西田さんの震える声の挨拶に、私たちの心も震えました。「難しいことも成し遂げられる人間関係が八頭中にはあること。」「その人間関係が築けることが八頭中の伝統でり目指す姿であること」と、生徒・職員が実感しました。そして、その思いは、秋の文化祭での全校合唱に向かっていく全校熟議や縦割りでの活動に引き継がれ、学年の壁、男女の壁をなくし自分の思いを語り、互いに意見を尊重し合う姿で集団をリードし、ここで再び「これが八頭中学校の伝統」として、後輩に繋げてくれました。

 この他にも、本日、来賓としてお越し頂いた学校運営協議会の方々と行った、個人研究のプレゼンと意見交換など、この伝統を感じさせる出来事を挙げれば、寝食を忘れて何日でも語れるほど尽きることは無いでしょう。

 このような皆さんの姿を目にする中で、ずっと私の頭に浮かぶ言葉がありました。それは、「二〇二五年、日本は再び甦る兆しを見せるであろう。二〇五〇年になったら、世界の国々は日本の底力を認めざるを得なくなるであろう。」という言葉です。これは、今から三〇年以上前に亡くなられた日本教育の師父と呼ばれる森信三師の言葉です。

 我が国は一九九〇年代のバブルの崩壊から「失われた三〇年」と言われ、世界有数の経済大国から斜陽の年月を送り、経済的な豊かさや精神的な豊かさ等において世界から注目を集めることがなくなりました。そして、その逆に、世界に目を向けてみるとウクライナでの戦争は未だ終わることはなく、新たにイスラエルでの戦争が始まりました。また、地球温暖化は進行するばかりで気候変動が動植物の生態系を壊し、それが人々の暮らしを脅かしています。正に、自分の国や自さえ良ければいいとする自己中心的な考えが渦巻いています。

 このような中、巣立っていく皆さんが、この八頭の里山や学び舎で培ってきた力は、これから更に視野を広げ磨きがかけられて行くことでしょう。そして、世界に誇れる日本をつくっていける力に成長することは間違いありません。

 先に挙げた修学旅行の解団式において、皆さんの姿を見て「こんな中学生がいることに驚き感動した。これからの日本に希望を持つことができた。このような生徒が学んでいる八頭中学校、皆さんが暮らす八頭町はとてもすばらしい所だと感じることができた。」という、僅か三日間だけ行動を共にされた方の言葉からも分かると思います。皆さんには人を感動させ人を動かす力があるのです。そして、あれからほぼ一年、田中主任を軸とする学年団の仕上げの月日を重ね、磨かれていく様子を見てきたからこそ、森師の言葉が私の頭から離れることがないのです。

 二〇五〇年、日本の底力を諸外国が認めた時、そこに皆さんの力が輝いている姿が想像できます。そして、その力の源流であるこの八頭の地や縦横の人間関係の繋がる八頭中の伝統が、日本や世界から注目を集めている未来が期待できます。正しく、皆さんのこれからの人生に私たちの夢が広がり期待が高まります。自信をもって逞しくこれからの人生を歩んで下さい。

 終わりになりましたが、新型コロナウイルス五類移行後も感染症対策に気を配り、お子様の健康と安全に努めていただき、学校の対応に深い理解と温かい応援をし続けてくださった保護者の皆様、常に本校の教育を支えてくださった八頭町及び八頭町議会、そして八頭町教育委員会、学校運営協議会に対しまして深く感謝申しあげ、百十一名の卒業生の前途に幸多からんことをお祈りして、式辞といたします。

令和六年三月八日

八頭町立八頭中学校長  表 博則

令和5年度第3学期 始業式 式辞

 今年の正月は、元旦から能登半島で発生した大きな地震によって、皆が不安を抱いたことと思います。そこで、先ず、地震によって大切な人をなくされた方々への哀悼の意と、現在も避難生活を余儀なくされている方々の安全と、一日も早い復旧を心よりお祈り申し上げると共に、救援活動・復旧活動に尽力されている皆様へ敬意を表します。

 改めまして、『 新年 あけまして おめでとうございます 』

 地震や事故・事件など不安なニュースが多かった2024年のスタートでしたが、皆さんは気持ちを新たに迎えることができましたか。

 3年生の多くは年明け早々に人生初の高校入試を体験しました。これまでの自律した生活や休み中の学習で、自信を持って挑むことができたと確信しています。また、1年生や2年生は1つ学年が上がることへの自覚や緊張感を持ってくれたと思います。

 さて、この冬休み、私が目を通した書籍の中で、『実語教』があります。この本の内容は日本人の精神をつくってきた教えが記されているもので、皆さんが知っている福沢諭吉の「学問のススメ」のベースになっているものです。要するに、自らを鍛え他を思いやり、人としてよりよく生きる術が示されているものです。

 この中の一つに『師に会うといえども学ばざれば、徒(いたずら)に市人(いちびと)に向かうが如し』があります。これは、「せっかく良い先生と出会っても、学ぼうという気持ちがなければ、ただの人と会っているようなものです。それでは何も得られません。」という意味です。このように『実語教』の中には、どんなに素晴らしい教えを受けようとも、どんなに整った環境に置かれようとも、「自分自身がやる気にならなければ駄目」であると言っています。

 要するに、その人が『やる気を出すこと』『自律すること』が重要だと言っているのです。そこで、改めて八頭中生として皆がしっかりと頭において欲しいことは、『一生懸命がカッコいい』『自律した生活で自立した人になる』ということです。「元気で爽やかな挨拶をすること」は勿論、「努力を惜しまず正しいことに一生懸命取組むこと」「仲間の一生懸命な行動をバカにしないこと」を、学習や部活動をはじめとする生活のあらゆる場面でしっかりと発揮してくれることを願います。

 この3学期は、『やる気が漲る一生懸命がカッコいい八頭中生』を常に全校生徒が頭におき、充実した2024年の基礎となる3ヶ月にしてくれることを期待しています。

令和5年度第2学期 終業式 式辞

 1年の中で一番長い2学期が終わります。中学校にとってこの2学期は、運動会に始まり文化祭という大きな学校行事を終え、学校のリーダーが3年生から2年生へと変わる時です。このような大きな出来事や節目の中に、駅伝や秋季大会、郡文化発表会や各種弁論大会などの体育行事や文化行事が行われ、勝つ資格のあるチーム、自律した選手・自律した代表者として多くの生徒が活躍してくれました。一見すると、行事に追われた2学期だったかも知れませんが、皆さんの姿には確実に人としての成長がありました。また、日々の授業や家庭学習を通して、しっかりと新しい学習内容を習得し、確かな学力を身に着けてきました。

 ところで、12月13日の読売新聞のコラムに、次のような一節がありました。「1年を振り返る時、『何をしたか』ではなく『何をしなかったか』も大切ではないでしょうか。人を傷つけなかった、差別しなかった、欲におぼれなった…。」という内容です。

 私はこのコラムを目にした時、今学期の始業式でお話した八頭中生の姿のことが頭に浮かびました。

 皆さんは覚えていますか。忘れていることを咎める気持ちはありませんが、これからお話しする中で思い出し、忙しくも充実していた今学期の振り返りの物差しにして下さい。

 始業式で、『一生懸命がカッコいい八頭中生の姿』『自律できる八頭中生の姿』のお話をし、その具体的な行動として、次の5つの姿を提示しました。

 「誰に対しても元気な声で爽やかな挨拶をしている姿」

 「努力を惜しまず正しい事に一生懸命に取組める姿」

 「仲間の一生懸命な行動を邪魔しない姿」

 「人をバカにすることなく仲間を大切にする姿」

 「自分を鍛える正しい行動を選択し実践する姿」

 どうですか?自分の行動はどうであったか考えて下さい。

 ここには、『何をしたか』と『何をしなかったか』のポイントがあることに気が付くと思います。

 特に、「仲間の一生懸命な行動を邪魔しない姿」「人を大切にし仲間をバカにしない姿」が『何をしなかったか』のポイントです。

 人は振り返りをすることによって、次の目標がたてられます。丁度この冬休み中には、新しき年を迎えます。そこで、本校の教育目標の一つ『立志』として、『何になりたいか』と『どんな人間になりたいか』を考え志を立てて下さい。特に、『どんな人間になりたいか』の視点は、『仲間の一生懸命な行動を邪魔しないこと』『人を大切にし仲間をバカにしないこと』は理想の自分像の柱の一つとして新年を迎えてほしいと思います。

 以上で、2学期終業式のお話を終わります。

令和5年度第2学期 始業式 式辞

 今年は例年以上に暑い夏になりました。また、盆に襲来した台風7号は線状降水帯を発生させ、私たちが暮らす鳥取県にも甚大な被害を与えました。八頭町においても道路が寸断され水道が止まるなど、生徒の皆さんの中にも不自由な生活を余儀なくされた人もいます。このような異常な暑さや台風のような自然の猛威に対して、改めて、準備を怠らないことや人間の無力さなど様々な事を考えさせられました。このような中、復旧に向けた鳥取県や八頭町の方々の尽力に感謝をすると共に、生徒の皆さんが元気に登校し、今日の日を迎えられたことは大変嬉しく思います。

 さて、38日間の夏休みを終えいよいよ2学期が始まります。この2学期は、3年生にとっては、中学校を卒業し来年4月からの生活の舞台を決めていく大切な期間となります。また、2年生にとっては、3年間の中学校生活の折り返し点を通過する大切な期間となり、学校のリーダーとしての期待が寄せられ自信と行動が求められます。そして、1年生は先輩の背中を見て大きな行事を体験し、八頭中の伝統をしっかりと継承いていく土台をつくる期間です。

 ここまでのお話の中で、「1年生は大きな行事を体験する」と言いました。生徒の皆さんはよく分かっているように2学期には運動会や文化祭といった皆さんに関わるビックイベントがあります。

 1学期の終業式でもお話しましたが、今年の運動会は生徒会執行部や3年生、各学年のリーダーがファミリー活動を通して全校を動かし、八頭中生の姿が作り出す、八頭中イズムを八頭中が続く限り受け継いでいく 「最初の運動会」です。そのため、夏休み中から様々な準備を進めてくれいていることと思います。

 再度確認するならば、八頭中イズムとは、「一生懸命がカッコいい」「自律した生活で自立した人になる」ということです。先日閉幕した全国高校野球選手権大会においても、今年の高校球児はひと際輝きカッコよかった様に感じました。決勝戦の後「エンジョイ ベースボール」「野球を楽しむために一生懸命になる。」「自分たちで主体的に考えて動く」等の言葉を耳にし『自分たちが楽しむために自分たちで考え、考えたことを一生懸命に取組むからカッコよかったのだ。』と再確認しました。そして、これは、これまで積み上げてきた八頭中イズムを継承している八頭中生の姿と一緒だと感じました。

 まだまだお話したいことはあるのですが長くなるので、『八頭中生の姿』を再確認し2学期のスタートのお話を締め括ります。『一生懸命がカッコいい八頭中生の姿』『自律できる八頭中生の姿』とは、

 「誰に対しても元気な声で爽やかな挨拶をしている姿」

 「努力を惜しまず正しい事に一生懸命に取組める姿」

 「仲間の一生懸命な行動を邪魔しない姿」

 「人をバカにすることなく仲間を大切にする姿」

 「自分を鍛える正しい行動を選択し実践する姿』です。

これらのことを意識し、充実した2学期なることを期待しています。

令和5年度1学期 終業式 式辞

 1年生は4月11日、2・3年生は4月10日から始まった1学期を終える日がやってきました。

 この1学期を振り返ってみた時、5月の連休明け以降、新型コロナウイルス感染症の取扱いが変わり、私たちの生活も変化してきました。例えば、クラスターや濃厚接触者、重症化リスクなどの言葉はあまり耳にしなくなりました。そして、コロナ前の生活に戻そうと、様々な地域の行事や研修会が活発に行われるようになったと実感できます。

 皆さんに関わる学校行事も、3年生の修学旅行は東京方面での学びに戻り、2年生の職場体験は全ての職場での受け入れが可能になりました。そして、1年生の集団宿泊研修は、正しくその名の通り宿泊をして研修をすることができました。それぞれの学年が、学年の大きな行事は勿論、日々の学習をはじめ諸大会に臨んだ部活動なども含め、様々な活動でしっかりと『自律』を意識し力をつけてきました。

 さて、ここで少し視点を変えて考えてみたいことがあります。

 今、自律を意識し力をつけてきたと言いましたが、皆さんはどのような姿に向かって力をつけ成長しているのでしょうか?それは、八頭中の生徒としての姿に向かって力をつけ成長しているのです。

 では、『八頭中生の姿』とはどのような姿なのでしょう?それは、「誰に対しても元気な声で爽やかな挨拶をしている姿」 「努力を惜しまず正しい事に一生懸命に取組める姿」 「仲間の一生懸命な行動を邪魔しない姿」 「人をバカにすることなく仲間を大切にする姿」です。

 今現在の、自分自身はこれらの姿にどれほど近づけているか考えてほしいものです。そこで、もう一度言いますから心の中で自己評価をして下さい。

「誰に対しても元気な声で爽やかな挨拶をしている姿」 「努力を惜しまず正しい事に一生懸命に取組める姿」 「仲間の一生懸命な行動を邪魔しない姿」 「人をバカにすることなく仲間を大切にする姿」です。自己評価はどうでしたか?

 明日から始まる38日間の夏休みが終わると、先ずは運動会があります。先日から生徒会執行部や3年生には直接お話をし、ファミリー活動で全校が動き始めていますが、今年の運動会は、先に述べたような八頭中生の姿が作り出す、八頭中イズムを八頭中が続く限り受け継いでいく 「最初の運動会」です。保護者や地域の方々に安心していただける八頭中生の姿が披露できるように、準備することは勿論、夏休み中の日々の生活から、自分で八頭中生の姿になれるように、自らを正す自律した生活を心がけてほしいと思います。

 終わりに、互いの命を大切にし合い夏休みを過ごし、8月28日には、またここで皆が元気に会いましょう。

令和5年度1学期 始業式 式辞

 令和5年度のスタートにあたり、今年度、皆さんと一緒に八頭中学校で大切にしていきたいことをお話します。

 先月の24日の修了式で、

 将来の自分の夢を描くこととして、『将来何になりたいか』と『どんな人間になりたいか』と話しました。何になりたいかは、将来の職業への夢であり進路選択にも関わる大切なことです。一方、どんな人間になりたいかは、生き方に関わる、人として生きる大きなテーマです。

 そして、春休み期間中にこれまでの自分自身を振り返り、理想の自分像を描くこと、所謂『どんな人間になりたいか』を考え、その理想の自分像であるために、日々どのような場面で「自律した行動を取るのか」を決めておく、『志』を立ててほしいと伝え、最後に一言『人生は心一つのおきどころ』と言い終わりました。

 覚えていますか。

 皆さんの中には、すでにしっかりとした『志』を立てた人もいるかもしれません。その一方で、まだ何も考えておらず、これから立てようとする人もいると思います。実は、この差が『人生は心一つのおきどころ』の意味になります。『志』の有るか無いかは、日々の小さな差を生み、後々の人生に大きな違いとなってくるのです。所謂、自立した人になっているかどうかです。

 いずれにしても、その『志』の中に、大切にしてほしい視点があります。それは、「互いの命を大切にし、互いの違いを認め合い、尊重する。」という視点です。この世の中には自分と同じ人は一人もいません。皆さん一人ひとりは、家族や仲間から愛される、他に置きかえることができない、かけがえのない唯一の存在です。だからこそ、言葉や暴力で自分を傷つけたり人を傷つけたりすることは、決して許されません。

 その尊い命を持つ私たち全てに共通していることは、「自分の努力で、できること」と「自分一人ではどんなに努力してもできないこと」があるということです。 前者(「自分の努力で、できること」)は、自分が率先して行い、一生懸命に自分で自分をコントロールし鍛えることができます。所謂、自分に向けた『自律』です。

 一方、後者の「自分一人の努力ではどうしてもできないこと」については、私たち一人ひとりが、周りの人々の「自分ではできないこと」に気づき、他者を理解し共に助け合い励まし合う行動として、「人の役に立つ人になりたい」や「仲間の力を伸ばす人になりたい」という『どんな人になりたいか』の『志』の『自律』です。

 正に、「一人ひとりの自分を伸ばす自律」と「互いに助け合い補い高め合うための自律」の、二つの『自律』が、人が社会をつくり共同して生活し発展してきた精神なのです。だからこそ、今年の八頭中学校は「自分を鍛える自律」と「他者を理解し集団を高める自律」の両方の視点を大切にする日々を積み重ね、統合9年目が八頭中のピークになるような皆さんの動きを期待しています。

   八頭町立八頭中学校

  校長  表 博則

令和5年度入学式 式辞

 今年は例年よりも早い桜の満開になりました。校庭の桜には新入生の意欲に呼応するかのように、新緑の季節に向けた新しい芽の息吹が見られます。

  社会全体がコロナ前の生活に戻す動きの中、町全体も躍動を始めている、このよき日に、吉田町長様、薮田教育長様をはじめ教育委員の皆様、竹内PTA会長様、そして、学校運営協議会の皆様のご臨席を賜り、令和五年度八頭中学校第九回入学式を挙行できますことは、私たちにとりましてこの上ない喜びであります。

 高いところからではありますが、職員を代表しまして、心よりお礼申しあげます。

      ありがとうございます。

 さて、一三二名の新入生の皆さん、

   八頭中学校へのご入学、おめでとうございます。

 今日から中学校生活をスタートさせる八頭中学校は、皆さんが知っている通り三つの中学校が統合し本年度が開校九年目を迎える新しい学校です。新しい学校と言っても、統合前の三校の伝統を引継ぎ、八年間で県駅伝では男子が五度・女子が三度の優勝を獲得したことを始め、運動面や文化面での活躍はめざましく、その一方で学習面においても高い評価を得ている学校です。

 このような八頭中学校の一員として生活を始めることに、皆さんが、夢と希望、そして、大きな期待を抱いて、今日の日を迎えたことと思います。

 そこで、これから八頭中学校が頑張れる秘訣をお話します。

 まず「八頭中生は、自分が三年生になった時に八頭中のピーク(全盛期)をつくるという気概をもって生活しているということ」です。

 三年生は自分たちが一・二年生の頃は先輩と一緒に八頭中のピークをつくり、三年生になると過去の自分たちと先輩を超えようとするのです。そして、越えるために『自律』した生活を心がけ、『自律』した行動を一生懸命頑張ります。また、頑張る行動を決して邪魔したり笑ったりすることはありません。一生懸命な行動がカッコいいという学校風土の中で生活しているのです。

 次に、中学校は義務教育の仕上げをする三年間です。それは、「将来の夢を持ち実現に向けて、学習をはじめとする様々な力をつけること」と「理想の自分像を描き、人として正しい生き方を身に付けること」です。

 簡単に言えば、「将来は何になりたいか」と「どんな人間になりたいか」ということを日々問われながら生活するということです。

 中でも、特に、「どんな人間になりたいか」は「人の役に立つ人になりたい」や「人を幸せにする人になりたい」又は、「辛い気持ちや苦しい立場の人に寄り添える人になりたい」など、心の成長という大切な部分です。

 いずれにしても、自分の将来像を描いた時、或いは描こうとした時に、今の自分の生き方が重要になります。そして、その生き方の指針となるのが、先程から触れている『自律』です。皆さんの左前に掲げられている教育目標にもあります。『自律』とは自分をコントロールし、正しい行動を選択し自分を磨くことです。

 学習の場面においても人と接する場面においても、常に八頭中生は、『自律』した行動を一生懸命カッコよく行っています。ですから、今日から新入生の皆さんも、二・三年生の先輩と一緒に八頭中のピークをつくるという気持ちで、『自律』した行動を一生懸命に取組みカッコよく生活してほしいと思います。

 終わりになりましたが、改めまして保護者の皆様、本日はお子様のご入学、誠におめでとうございます。

 本校では、今申しましたように、全ての生徒が「自律した生活で自立した人になる」ために、夢に向かって安心して頑張れる学校づくりを進めてきました。 中学校の三年間は人生の中で最も多感な時期で、保護者の皆さまも少なからず不安に感じられることもお有りかと思います。しかし、私たち教職員は保護者の皆さまの不安感や困り感を共有し、一緒に子供たちの成長に寄り添っていきますので、どうぞ安心してお子様をお預けいただければと思います。

 また、町行政や地域の皆さまの温かい支援の下で教育ができることにも、感謝の気持ちを忘れてはおりません。家庭・地域・学校がしっかりとつながり本校の教育が一層充実しますよう、改めて皆様のお力添えをいただきますようお願い申しあげ、式辞といたします。

令和五年四月十一日

八頭町立八頭中学校 校長  表 博則

「令和4年度 修了式」

令和4年度 修了式 式辞

 約2週間前、温かい雰囲気の中で3年生が八頭中学校を巣立っていきました。卒業にあたり安心して卒業してもらえるよう、生徒会を中心に1・2年生全体が様々な企画をしてくれていました。改めて「ありがとう」の気持ちを伝えます。

 また、卒業式翌週の水曜日には、八頭町のサプライズ企画がこの会場で行われました。コロナ禍での生活に制限されたり翻弄されたりした八頭中生への、町からの贈り物でした。この企画に対しても、八頭町の皆さんへの感謝の気持ちでいっぱいです。

 さて、3学期の皆さんの様子を見ていると、日に日に在校生全体が、学校の主役をしっかりと張れるようになってきているように感じました。皆さんは、今年度も昨年度までと同じように『一生懸命がカッコいい』『努力は必ず報われる』の言葉のもと、八頭中イズムをしっかりと継承し努力してきたと思います。また、今年度はこれに加えて、「自分で自分をコントロール」し「自分で自分を鍛える」ことを期待した、『自律』を意識した生活をしていたと思います。一生懸命な行動も報われる努力も、実は『自律』の心がなければできないことなのです。

 例えば、何気ない日常から「家族の力を借りずに、朝自分で起きることは?」「先生に言われなくても、毎日欠かさず必要な家庭学習に取組めるのは?」「顧問の先生に注意されなくても、部活に遅れずに行きしっかり練習できるのは?」と生活の場面場面を切り取り振り返ってみると、一生懸命な行動や報われる努力の源には、『自律』があることが分かると思います。

 ところで、話は変わりますが、これまで校長先生が言っていることの中に、『将来何になりたいか』と『どんな人間になりたいか』ということがあります。何になりたいかは、将来の職業への夢であり進路選択にも関わる大切なことです。一方、どんな人間になりたいかは、生き方に関わる、人として生きる大きなテーマです。

 最初にお話した3年生を送る皆さんの企画は、「先輩を大切にする人になりたい」という気持ちの表れだったと思います。また、町や保護者の方々の様々なサプライズ企画は「頑張る人を応援できる人になりたい」「町全体に元気を与えられる人になりたい」という心ある行動だったと思います。既に皆さんは、自分自身が動き始めていることに、また、身近な所に多くのモデルとなる人がいることに気がついて下さい。

 いよいよ明日から進級に備えた16日間の休みに入ります。そこでこれまでの自分自身を振り返り、理想の自分像を描くこと、所謂「どんな人間になりたいか」を考え、その理想の自分像であるために、日々どのような場面で「自律した行動を取るのか」を決めておく、『志』を立ててほしいと思います。

  最後に一言 『人生は 心一つの おきどころ』 です。

八頭町立八頭中学校

 校長  表 博則

令和4年度 第8回卒業証書授与式

令和4年度卒業式 学校長式辞

 令和五年も早いもので三月、弥生の中旬を迎えようとしています。

 学校近くの梅の花は、今日の門出を祝うかのように、心和む香りと共に紅白を彩り満開となりました。

  このよき日に、吉田町長様、薮田教育長様をはじめ教育委員の皆様、竹内PTA会長様、そして、学校運営協議会の皆様のご臨席を賜り、令和四年度八頭中学校第八回卒業式を挙行できますことは、私たちにとりましてこの上ない喜びであります。

 高いところからではありますが、職員を代表しまして、心よりお礼申しあげます。

 「ありがとうございます。」

 さて、卒業証書を手にした百三十七名の卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。また、保護者の皆様には、小学校入学から義務教育九年間の成長を振り返られ感慨もひとしおのことと拝察し、職員一同、心よりお祝い申し上げます。

 さて、今日の日を迎えるにあたり、卒業生の皆さんが八頭中学校で過ごした三年間は、「新型コロナウイルス感染症に抑圧された三年間であった。」という、言葉が出てくると思います。中学校に入学する約一ヶ月前に、突然マスコミを通じ首相の口から全国一斉休校が知らされ、前代未聞の出来事に衝撃を受けたことを思い出します。そして、その後は、感染拡大と収束を繰り返しながら、「何ができることなのか」「どうすればできるのか」と一つ一つの教育活動について検討の連続でした。

 また、その他の出来事としては、昨年から始まった戦争は未だに続き、先月にはトルコでの大地震が起きました。これらの出来事は、我が国でも、七十八年前の三月十日には最も激しい東京大空襲により多くの方が犠牲になり、十二年前の三月十一日には東日本大震災が起き、多くの方の命が奪われてしまった悲しい歴史と重なります。中学校での社会科の授業の学びを思い出す人もいるでしょう。

 生きたくても生きることができなかった方々、大切な方を失った多くの人々がいたことは紛れもない事実です。そのような中、同じ過ちを繰り返さないことや、起こる災害の被害を最小限にとどめる為に、勇気と知恵を振り絞り行動することは、私たち全ての者に課せられた使命だと感じます。

 このような不安定な状況にあっても、皆さんの日々の生活は、『一生懸命がカッコいい』『努力は必ず報われる』と信じ、天を恨まず人を咎めず、自分たちができることに素直な心で懸命に取り組むものでした。

 その結果、諸大会で目覚ましい成績を数多く残してくれました。卓球女子団体、ホッケー男女、陸上競技男女の県中総体優勝はその代表といえます。特に、駅伝競技では、コロナ禍で全国大会が中止された先輩の無念さを晴らすように、男女で滋賀の地で躍動し八頭の勢いを県下にとどろかすことができました。また、文化的行事においても、県吹奏楽コンクールの金賞や各種弁論大会での最優秀賞などの素晴らしい結果は、学校全体に元気と活力を与えてくれました。

 また、学校行事では、天候にも恵まれた運動会は『フィルム~この瞬間を切り取る~』のスローガンのもと、限られた時間の中で最高の笑顔をたくさん見せてくれました。中でも、生徒会種目の「繋ひきんぐ」での生徒会執行部の動きは頼もしい八頭中生の姿でした。また、『彩虹』をテーマに行った文化祭では、実行委員の思いを受け熟議をし、全校が一つになって熱唱した「校歌」と「ふるさと」は、その歌声に心が震えたことを覚えています。

 この学校内外での活躍の陰には、八頭中の雰囲気、家族の支援、八頭の風土、平和な日本といった環境があると考えます。改めて、周囲への感謝の気持ちを持たずにはいられません。

 日々めまぐるしく変化する世の中にあって、私たちは「明日は確かではない」ということを過去の教訓から学びました。だからこそ、『将来、何になりたいか』と『どんな人間になりたいか』の将来の自分像を描き、「正しいことを求められる人になること」や、「常に明るく未来に向かって進める人になること」「人のために生きる人になること」など、誠実に『自律』した一日一日をおくることの重要さを感じます。

 そして、改めて、卒業生の皆さんの三年間を振り返ってみると、学習や行事をはじめどのようなことにおいても、『自律』を心がけ一生懸命でカッコよく取り組んだ時間は、これからも理想の自分を追求できる土台となっています。

 どうか自信を持って堂々と、胸を張って次のステージで活躍して下さい。

皆さんは絶対大丈夫です。

 終わりになりましたが、コロナ禍においても、感染症対策に気を配りお子様の健康と安全に努めていただき、学校を応援し続けてくださった保護者の皆様、いつも温かく本校の教育を支えてくださった八頭町、そして八頭町教育委員会、学校運営協議会に対しまして深く感謝申しあげ、百三十七名の卒業生の前途に幸多からんことをお祈りして、式辞といたします。

令和五年三月十日

八頭町立八頭中学校長  表 博則

令和4年度 3学期 始業式

『3学期 始業式』 校長挨拶

 新年、明けまして おめでとうございます。

 今年の元旦は積雪もなく穏やかな天候に恵まれた正月となりました。昨年のことを思えば、3月までグランドの土が見えなかった大雪の正月とは全く異なるものでした。

 中には新型コロナウイルス感染症に感染した人や濃厚接触者となった人、インフルエンザに罹患した人もいるかもしれませんが、多くの皆さんがつつがなく新年を迎え今日の日の再会に至ることができたと思います。

 さて、生徒の皆さんが年末から年始にかけて、多くの時間を費やしたことは何だったでしょうか。少し考えてみて下さい。

 駅伝中継やバラエティー番組などテレビを見ている時間が多かったという人や、冬休み中に始まった受験にむけて勉強に多くの時間を費やしたという人など様々だと思います。いずれにしても、この根底にあるのは私たちの生活が、安心且つ安定の土台の上にあるからだと思います。

 世界に目を向けた時、ウクライナでは1月1日であっても、止まることのない戦争により貴い命が失われ、寒くて暗い中で新年を迎えた人々がたくさんいる事実が伝えられていました。

 元旦からこのようなニュースを見聞きし、悲惨な状況を知り得た私たちの心の中には、どのような思いが浮かぶでしょうか。無辜の市民(所謂、何の罪もない人々)を狙わせるロシアの指導者に対する怒りは勿論、被害にあっている方々への思いや、自分の意に反して戦場に駆り出されている抵抗できない人々への思いは、惻隠の情(所謂、哀れみや悼む心)を持ち見ずにはいられません。その一方で、改めて忘れてはならないことは、私たちが暮らす安心な社会への感謝の気持ちではないかと思います。

 ところで、話はかわりますが、皆さんは二学期終業式で私がお話したことを覚えていますか。新年を迎えるにあたり、『立志(志を立てる)』についてお話をしました。中でも「どんな人間になりたいか」という理想の自分像を描くことを求めました。そして、その自分像をめざして『自律(自分で正しい行動を選択し自分を磨く)』生活を送るように話したことを思い出して下さい。たぶん、多くの生徒の皆さんが志を立てていることと思います。

 その志のもとに、いよいよ今日から令和4年度仕上げの三学期が始まります。この3ヶ月間を、どんな人物になることをめざし、そのためにはどのように過ごすのかを、個々がしっかりと考え学級や学年・部活動の仲間と共有して下さい。そして、互いの志を支え合い友の一生懸命な姿に共感し励まされながら、八頭中という最高の集団の中で、自分の将来、八頭中の未来、八頭町の未来、日本の未来、世界の未来を『創造』して下さい。

 皆さんが志に向かって自律した行動を一生懸命に取組み、「カッコいい姿」「人として最高に美しい姿」をたくさん見せてくれる三学期であることを期待しています。

令和4年度 2学期 終業式

『2学期 終業式』 校長挨拶

 振り返ってみると2学期の始業式は、ジリジリと暑い夏の終わりで新型コロナウィルス感染症が増加傾向にあり、各教室で始業式の話を聞いもらいました。皆さんは覚えていますか。あれから4ヶ月が過ぎ、週明けからは今季最強寒波に包まれガタガタと寒い冬の訪れに体をこわばらせています。季節は巡り時間と共に私たち人の営みは変わってきました。今ここで、2学期を振り返りながら社会の状況を見た時、人類は未だに新型コロナウイルス感染症を克服できず、当たり前のように第8波と言われていること。また、不安定な国際情勢が、物価高のように直接私たちの家計に影響を与え、地方にいても世界の動きに敏感な時代にもなっていることなど、暗いことが当たり前なことになっているように感じます。

 このような時代に生きる中にあっても、私たちは運動会や修学旅行・文化祭などの学校行事を行い、秋季大会や駅伝大会にも参加することができました。生徒の皆さんの発想力や感染症に対する心がけなどは勿論、皆さんのお家の方や教育委員会などの関係機関の方々の並々ならぬ努力のお陰であることも忘れてはなりません。

 さて、ここから少し、皆さんとこの2学期を考えてみたいと思います。1年生の皆さんにとっては、毎日が学びの日々であったと思います。運動会・文化祭での先輩の動きは勿論、毎日見る先輩の姿に「あれが良いんだ」「あんな先輩になりたいんだ」という、自分が目指すべき八頭中生の姿をしっかりと学んだことと思います。また、2年生は、学校の中心となり「自律」を意識した生活を心がけ、来年度に大きな期待が持てる活躍を随所に見せてくれました。そして、3年生は最高の思い出ができたであろう修学旅行を、無事に終えることができました。必ず参加できるようにしっかりと感染症対策をしたと思いますが、皆さん以上に家族は感染しないように、かなりハードな行動制限をかけられたことと思います。

 いよいよ明日から冬休みになりますが、冬休み中には必ず新年を迎えます。皆さんにとって新しい年はどんな年にしたいですか。3年生にとっては、先ずは受験を無事に終え、4月からは高校生になっていく年になります。2年生にとっては、今年以上の八頭中のピークを作っていく1年になります。そして、1年生にとっては、見る側・学ぶ側から後輩の見本・手本となる、正しい姿を見せる側になります。そこで、全員が必ず新年を迎えるにあたって志を立てて下さい。校長室の前に「立志」と挙げておきます。

 そして、この「立志」にあたり次の二つの点は必ず心得て下さい。それは、「何になりたいか」という将来の夢と「どんな人間になりたいか」という将来の自分像を描いて下さい。この二つの点において、将来の自分の姿の仮説を立て、そのために必要なことをしっかりと分析し、ビジョンを立ててほしいと思います。因みに、アゼリア前廊下の2年生社会科の掲示物は良い参考になると思います。

 終わりに、「自律」した生活を心がけ、お互い元気に新年を迎え3学期を迎えられることを願っています。

令和4年度 2学期 始業式

『2学期 始業式』 校長挨拶

 鳥取県下で一番長い40日間の夏休みが終わりました。生徒の皆さんは、早寝・早起き・朝ごはんなどの基本的な生活習慣を維持し、元気に過ごすことができましたか。また、事故や事件に巻き込まれることなく、一人ひとりが貴い命を大切に過ごすことができましたか。1学期の終業式でお話したように『自律』した生活を心がけた結果、まずは、無事に今日の日を迎えられたことが本当に嬉しです。

 さて、新聞でもあった通り、八頭町の40日間は鳥取県で最も長い夏休みでした。これは八頭中生一人ひとりが、夏休みの間にしかできないことを自覚し、しっかりと取組むことができるからです。その取組の具体的な内容の一つに、家庭や地域で過ごす時間が多くなる中で、家族の為、地域の為、世の中の為に頑張っておられる大人の姿に触れ、進路学習の両輪である「何になりたいか。」と「どんな人間になりたいか。」をしっかりと感じ学び取るということです。

 この休みの期間中に、家族や親戚をはじめ素敵な大人の姿にたくさん触れることができたと思います。「人を幸せにする人になりたい」「人に感動を与えられる人になりたい」「人のために自分の得意を生かしたい」とか、「困っている人を助けられる人になりたい」「人の行為に素直に感謝できる人になりたい」など、憧れが持てたり自分の理想が描けたりしたならば、最高の夏休みであったと言えます。

 今日から始まる2学期は、運動会や文化祭、修学旅行や駅伝大会、各競技の秋季大会など行事が非常に多い学期です。日々の生活の中で夏休み中に出会った人々の姿に迫ってほしいと思います。「仲間を喜ばせるために」「周囲の人々を感動させるために」など、仲間の為、学校の為、家族の為、地域の為にと意気に感じて動く姿をたくさん見せてほしいと思います。また、仲間の姿を素直に感じることも忘れないで下さい。

 2学期は様々な行事がありますが、3年生にとっては、中学校卒業後の進路決定に向けて重要な時期でもあります。先にも挙げたように、進路学習で大切なことは「何になりたいか。」と「どんな人間になりたいか。」です。この両輪で進むべき進路をしっかりと定め、目標達成に向けて『自律』した生活を心がけて下さい。1・2年生にとっては、まだまだ想像が付きにくいことのようですが、今から3年生の姿や3年生の廊下に掲示されているものにもしっかりと目を向けたり、先輩のお話を聞いたりすることは大変有意義な時間になります。1年後・2年後の自分の姿を考えておくことになります。

 終わりに、私たち八頭中生はしっかりと休んだ後、学校が始まれば『一生懸命がカッコいい』を合言葉に、メリハリをつけて、勉強や部活は勿論、日々の当たり前のことをしっかりと取り組み、自らが誇りに思える学校を創り、家族や地域の方々に自慢して頂ける八頭中学校を皆でつくっていきましょう。

令和4年度 1学期 終業式

 『 1学期終業式 』
 1年生は4月8日、2・3年生は4月7日から令和4年度がスタートし、1学期を終える日がやってきました。最近の新型コロナウイルス感染症の流行を考えると、家庭内に感染者や濃厚接触者が出ることは当たり前といっても言い過ぎではありません。しかし、この間、学校を休みにすることなく日々の学びを続けられたことは、感染したしないに係らず、皆さんと皆さんの家族の適切な判断が大きな支えになったからだと考えています。「ありがとうございました」と帰宅後は保護者の方に伝えて下さい。

 さて、入学式、1学期始業式のいずれの式辞においても、私が皆さんに伝えた言葉があります。それは、学校教育目標の真ん中にある『自律』です。「自分を磨くために自らが正しい行動を選択し、そして、その行動を一生懸命取り組むということです。」この『自律』というキーワードで、皆さん一人ひとり、今学期を振り返ってみて下さい。
 様々な行事への取り組みは勿論、日々の生活、所謂、挨拶や返事、日々の課題提出、授業に臨む姿勢、何気ない友人に対する言葉かけ一つなど、自分を磨く視点や人の心や体を傷つけることなく互いに磨き合える視点などにおいて合格点が出せるでしょうか。100点満点の人はいないと思います。校長先生もその一人です。
 人は誰しも、完璧な人はいません。だからこそ自分を磨き互いに磨き合うのです。そして、大切なことは『自律』の視点を日頃から意識した生活ができているかどうかということなのです。

 いよいよ明日から40日間の夏休みに入ります。学校へ来る機会も多いと思いますが、家庭や地域、友達と過ごす時間も多くなります。その中においても、『自律』の視点は忘れないで下さい。例えば、学校は勿論、家族や地域の方々への挨拶を心がけて下さい。先日、地域の方々とお話をする機会がありました。その中で、「近所で中学生に会うが、挨拶の声が聞こえなくて寂しいです。」という声をいただきました。夏休みだからこそ、出会える機会も増えます。是非、地域に明るさや元気を提供し、地域の方々に心から自慢に思ってもらい応援していただける八頭中生になりましょう。それが『自律』を意識した生活にもなります。

 終わりに、何といっても、自分の命を大切する行動をとること。そして、周りの人々の命を大切にする行動を取ること。そのためにも、自分を磨き互いに磨き合える『自律』した行動(自分を磨くために自らが正しい行動を選択し行うこと)を心がけて下さい。
 8月29日には、またここで皆が元気に会いましょう。

昇任・着任 ご挨拶

 陽春の候、皆様にはますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
  さて、この度の定期人事異動によりまして、新たに11名の者が八頭中学校に勤務することになりました。また、校長・教頭には下記の者が昇任いたしました。
 これまで生徒と共に八頭中学校を作り上げてこられた諸先生方の思いを受け継ぎ、八頭中学校の一員として、精一杯教育活動に取り組みたいと決意を新たにしております。
 前任者同様温かいご支援ご鞭撻を賜りますようよろしくお願いいたします。

      令和四年四月五日

(昇 任)
校 長   表  博則   (前 八頭中学校 教頭)
教 頭           濵部 武生   (前 八頭中学校 主幹教諭)

(着任者)   (担当)      (前任校 等)
中本 好一 (初任研)   教諭  八頭町立郡家西小学校
岩永 輝也  (美術)   教諭     智頭町立智頭中学校
福田 和宏  (理科)   教諭        鳥取市立青谷中学校
佐々木雅彦  (社会)   教諭        鳥取市立南中学校
山﨑 裕二  (英語)   教諭        鳥取市立高草中学校
藤田 一暉  (国語)   教諭        新規採用
中山 貴子  (国語)   講師      鳥取市立西中学校
矢積 有希  (理科)   講師      鳥取市立東中学校
寺坂 知子  (支援)   講師      智頭町立智頭中学校
田島 美幸         事務主幹    若桜町立若桜学園中学校
山根  純                      学校司書    八頭町立八東小学校

「校内文化祭~開会にあたっての学校長あいさつ~」

校内文化祭開会にあたってのあいさつ
             
   八頭中学校長 橋本浩之

みなさん、おはようございます。
いよいよ文化祭当日を迎えました。
保護者の皆様、地域の皆様には、お忙しい中、早朝より足を運んでいただき、ありがとうございます。
 さて、「先輩達が3年間で創り上げてくれた土台の上に、私たちの手で更に誇りうる八頭中学校を創ろう」と、433名の全校生徒が力を合わせて学校づくりに頑張ってきました。今日は、そんな私たちの姿を保護者の皆さま・地域の皆さまに見ていただくことができます。「八頭中生の目指すべき姿を演劇を通して伝えよう」と毎晩遅くまで練習してきた新執行部の演劇があります。同じくみんなが帰ったあとで、一生懸命に練習をしてきた3年生部員にとっては引退演奏となる吹奏楽部の演奏があります。そして、今日まで八頭中学校の勢いの先頭にきて立って頑張ってきてくれた3年生応援団員の最後の舞台もあります。
 今日の舞台は、君たちにとって、今日までの努力が報われる晴れの舞台です。どうか思いの丈の全てを思う存分表現して下さい。
 さて、午後に行われる合唱コンクールについても一言話をさせて下さい。
 八頭中学校は「合唱」をとても大切にして、仲間づくり・学級づくりを進めています。先日、鳥取大学の西岡先生に合唱指導をしていただいた時に、西岡先生が「旅立ちの日に」を歌って下さったことは覚えていると思います。その中にこんな歌詞があります。
  意味もないいさかいに泣いたあのとき
  心かよったうれしさに抱き合った日よ
私は、これは、まさに合唱の取組を歌った歌詞ではないかと思っています。
合唱の取組は、1学期に指揮者・伴奏者を決めるところから始まっています。「意味もないいさかい」だったとは思いませんが、今日までの間に少なからずいさかいがあったことでしょう。涙も流したことでしょう。ドラマという一言で美化してしまえないほど辛い思いをした人もあったかもしれません。
でも、そんな月日を乗り越えて、いよいよ今日が本番です。
私は、今日の日が君たちにとって「心かよったうれしさに抱き合った日」になると信じています。
クラスの友達を信じ、担任の先生に感謝し、精一杯の合唱を聴かせて下さい。
 そして「 彩響(さいきょう) 」
のスローガンの下、私たちの一生懸命でカッコいい最高・彩響(さいきょう)の発表、演奏、合唱で、素晴らしい文化祭を創り上げていきましょう。
終わりになりましたが、昨日から子ども達のために豚汁を作って下さっていますPTA母親委員会の皆さま、本当にありがとうございます。
 保護者の皆様・地域の皆様に、最後まで、生徒の発表を聴いていただき、また校舎に展示しております作品も見ていただき、あたたかい拍手をいただきますようお願いをして、開会にあたっての私の挨拶といたします。
では生徒のみなさん、頑張りましょう。

令和3年度卒業証書授与式 学校長式辞

 校庭の桜のつぼみもふくらみ始め、日に日にやわらかさを増す陽差しに春の訪れを感じるこの佳き日、吉田町長様、薮田教育長様、衣笠PTA会長様、そして教育委員様のご臨席を賜り、八頭中学校第七回卒業証書授与式をかくも盛大に挙行できますことを心から感謝し、厚くお礼申しあげます。
 さて、ただ今卒業証書を手にした148名の卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。また、保護者の皆様には、たくましく成長されたお子様の姿に 感慨もひとしおのことと拝察し、職員一同、心よりお祝い申しあげます
 さて、卒業生の皆さん、卒業の日を迎えた今、八頭中学校での3年間を振り返り、皆さんは何を思っているでしょうか。私はそのことが気がかりで仕方がありません。
 皆さんは3年前、お父さん・お母さんやたくさんの来賓の方に見守られて、この八頭中学校に入学してきました。「あんなこともやりたい」「こんなこともやりたい」と、中学校生活に対する大きな夢と希望を抱いて入学してきたはずです。しかし、皆さんの八頭中学校での生活は、3年間のうち、丸々2年と1学期が、新型コロナウイルス感染症に翻弄され続けた学校生活になってしまいました。
 「何も咲かない寒い日は、下へ下へと根を伸ばせ、やがて大きな花が咲く」・・・。感染が拡大し始めた頃に、私が皆さんに話した言葉です。あの時は、誰もが一年もすれば感染は終息すると思っていました。学習や部活動、学校行事に友達と語り合いながら、力一杯頑張ることのできる、当たり前の日常が取り戻せると信じていました。大輪の花を咲かせられる日が必ず戻って来ると信じていました。
 しかし、とうとう今日までにその日が訪れることはありませんでした。
 楽しいはずの中学校生活の大半で、皆さんに我慢と自粛を強いてしまったこと、そして楽しみにしていたであろう多くの行事を中止や縮小開催としてしまったこと、学校長として、いつも本当に申し訳なく思っていました。
 しかし、そんな私の気持ちとは裏腹に、皆さんは一切不平・不満を口にすることなく、それどころか感謝の言葉さえも口にしながら、あらゆる行事に一生懸命に取り組んでくれました。そんな皆さんの姿勢に、私が何度救われた気持ちになったかわかりません。
 半日開催となってしまった運動会学年演技の「八頭中ソーラン」、今年は掛け声を出すことすら許されませんでしたね。また文化祭の全校合唱「ふるさと」でも、十分な練習が出来ず、本番でマスクを外すことも出来ませんでした。多くの制限が掛かるなかで、それでも立派に創り上げることが出来たのは、皆さんが3年生で居てくれたから、そして皆さんが八頭中学校の最上級生として伝統を引き継ぎ、学年の心意気を示すんだいう熱い思いを共有してくれていたからこそだと思っています。
 山陰両県への一泊二日となってしまった修学旅行でも、行く先々で多くの方から「いい生徒さんですね!、どこの学校ですか?」と声を掛けられ、学校長として心の底から皆さんのことを誇らしく思ったものです。
 そして部活動においては、男子ホッケー部の悲願の全国制覇、女子柔道部、女子駅伝部の全国大会出場に象徴されるように、コロナ禍においても、皆さんはこれ以上ないほどの大きな花を咲かせてくれました。
  私は、このコロナ禍という未曾有の状況の下、皆さんが八頭中生でいてくれて、本当に良かったと思っています。私は、皆さんのことが自慢であり、大好きでした。
 そんな皆さんの卒業にあたり、私が餞に送る言葉は、やっぱり、三年間皆さんに伝え続けた「一生懸命」という言葉にしようと思います。
 皆さんが歩み出す人生には、もしかしたらこの度の新型コロナ以上の苦難が待ち受けているかもしれません。しかし私は、皆さんの未来にどんな苦難が待ち受けていようとも、決して屈しないで欲しい、先が見えなくとも、その時々を精一杯に一生懸命に生きて欲しいと思うのです。そうすれば、必ず幸せに近づけるのだと信じています。一生懸命頑張っている者を、神様は絶対に見放さないと信じています。
 「一生懸命がかっこいい! 努力は必ず報われる!」
 この言葉を座右の銘の一つとして心に刻み、皆さんには、明るい未来を信じて、長い長い人生を真面目に、一生懸命に、力強く生きていって欲しいと願っています。
 努力は必ず報われる!!!
 卒業生の皆さんが、一生懸命の努力で、素晴らしい未来を自らの手で切り開き、歩んでくれることを期待しています。
 終わりになりましたが、コロナ禍においても、お子様の健康を見守り、学校を応援し続けてくださった保護者の皆さま、いつも温かく本校の教育を支えてくださった八頭町、そして八頭町教育委員会に対しまして深く感謝申しあげ、148名の卒業生の前途に幸多からんことをお祈りして、式辞といたします
   令和4年3月11日
     八頭町立八頭中学校長 橋本浩之

平成30年度後期生徒会役員選挙にあたって

平成30年度後期生徒会役員選挙にあたって
                          学校長 橋本浩之

 生徒会役員選挙の立ち会い演説会にあたって、少し時間をもらって、私がいつも言っている「一生懸命がカッコいい」の意味について話をさせてください。
 私は、お父さんやお母さんや君たちに、私が校長としてどんな学校を創りたいと思っているかを話すとき、いつも3つのことを話してきました。それは、
  ①正直者がバカを見ない学校を創りたい
  ②正しいことが正しいこととして通る学校を創りたい
  ③自分の目標に向かって頑張ることに遠慮が要らない学校を創りたい の3つです。
 でも、お父さんやお母さんや君たちには言わないけど、私が強く思っているもう一つ(4番目)があります。それは、
  ④正統派の生徒(真のリーダー)が前に出られる学校を創りたい ということです。
 私が中学校の教員になった30年以上前、中学校では校内暴力が社会問題となり、いわゆる学校が荒れた状態でした。そんな中、生徒会長には「この子が会長になったらどうなるのだろう?」と心配せざるを得ない生徒が立候補し、多くの生徒に支持されて当選をしました。級長にも学級の中で弱い立場にある生徒が、学級で推薦されて、本人の意に反して級長をやらされるというような状況がありました。
 生徒会長も、級長も確かに正式な手続きを踏んで、正当に選ばれたことには間違いありません。
 でも、その影で、「本当に学校を良くしたい」「誰にとっても安心できる学校を創りたい」と思っている生徒が手を挙げることができず、真面目で、本当は正義感あふれる生徒が泣いているような状況がありました。
 私は、校長として、絶対に学校をそんな雰囲気の学校にしたくない。「みんなのために、学校を良くしたい」と思っている生徒が、堂々と会長や級長に立候補できて、みんなから支持されて当選し、みんなと一緒に生徒の力でより良い学校を創っていく・・・。
 そんな学校の雰囲気を守りたい。そんな学校の雰囲気を君たちに学校長として保障してやりたい。そのために、私が言い続けている言葉が「一生懸命がカッコいい」という言葉です。そして「みんなのために一生懸命に頑張ってくれる生徒を先生達は絶対に放っておかない」という先生達の覚悟を表した言葉が「努力は必ず報われる」という言葉です。
 今の八頭中学校は、私が目指す学校の姿が君たちの頑張りによって、完成されていると思っています。今日もこうして「熱い思いを持った正統派の生徒・真のリーダー」がたくさん立候補してくれています。
 できれば、全員に当選してもらいたいのですが、選挙ですから残念ながら、そういうわけにはいきません。一人ひとりの候補者が、当選したら何をしようと考えているのかを、しっかりと聞いて、真面目に一票を投じてほしいと思います。

平成30年度第1学期始業式式辞

~開校4年目 3年間で創り上げた土台の上に
             更に誇りうる八頭中学校の創造を目指して~

                                    八頭中学校長 橋本浩之 
 皆さん、おはようございます。
 いよいよ今日から平成30年度がスタートします。
 昨年よりも学年が一つ大きくなって、こうしてみんなが元気に新年度を迎えられたことを大変嬉しく思います。
 さて、平成30年度は、八頭中学校開校4年目となる年です。開校3年目の昨年度、「目指すべき八頭中学校の姿を私たちの手で完成させよう」と学校づくりに頑張ってきました。そして、卒業した3年生を中心に、立派な土台が完成したと思っています。
 今年は、その土台の上に、私たちの手で更に素晴らしい八頭中学校を創っていく年です。私たちが心の底から「八頭中生でよかった」と八頭中生であることを誇りに思える、そんな学校をみんなの手で創っていきましょう。
 私は、そのために今年も「一生懸命がカッコいい!」ということを言い続けます。「一生懸命がカッコいい」、「真面目がカッコいい」、「全力投球がカッコいい」、「力の出し惜しみはカッコ悪い」、「わざと悪ぶるのは最高にカッコ悪い」。
このことに対して、もう皆さんの中には、何の迷いもないと思います。
 明日には、138名の新入生が入学して来ます。
 どうか、新入生に対して、中学生が一生懸命に頑張る姿がいかにカッコいいか、しっかりと見せつけてやってください。八頭中生が目指すべき姿をしっかりと示してやってください。そして新入生を加えた全校生徒433名が力を合わせて、今以上に素晴らしい八頭中学校を創っていきましょう。
 さて、特に3年生の皆さんにお願いがあります。今年の八頭中学校は、間違いなく君たちの八頭中学校です。そのことをしっかりと自覚して、学校創りをリードしてください。
 2年生の最後に学年集会で私が話したことを覚えていますか?。
あのとき私が話したことを実践する一年間がいよいよスタートします。しっかりと目標を見据えて、夢をつかみ取る一年にしましょう。
 以上、平成30年度のスタートにあたっての私のお話とします。

八頭中学校完成の年に!

        校長 橋本浩之

 八頭中学校の開校三年目、初代の渡邉二之校長より学校経営のバトンを引き継ぎました。
 昨年度までは、統合前の中央中学校、船岡中学校、八東中学校、そして八頭中学校の4校の制服や体操服が混在している状態でしたが、ようやく全校生徒が八頭中学校の制服に身を包んで今年度がスタートしました。八頭中学校に入学した生徒が3学年とも揃うこととなりました。
 統合前から昨年度まで、渡邉校長を中心に「希望に満ちた八頭中学校を創ろう」と、行政や保護者の皆様と教職員との熱心な議論がなされた上に今があります。私は、これまでに創り上げられた「八頭中学校の目指す教育」を踏襲し、本年度はその教育を完成させる一年にしようと考えています。
 「立志(志を立てる) 自律(自分を磨く) 創造(未来を創る)」という教育目標を踏襲し、引き続き「聞く・掃除・あいさつ」を生徒に求めたいと考えます。
 保護者や地域の方に“地域の学校”である八頭中学校のことを自慢に思っていただきたい。生徒が「八頭中でよかった」と八頭中生であることを誇りに思えるような学校にしたい。
 470名の生徒と52名の職員の八頭中学校完成に向けた一生懸命な取り組みに対しまして、保護者の皆様、地域の皆様の温かいご支援をよろしくお願いいたします。

PTAだより「輝」より

「エネルギッシュ八頭中」に期待する

                       校長 渡邉 二之

八頭中学校も、開校二年目を迎えました。保護者の皆さんや町内のたくさんの方々の支援をいただいて、いろいろな教育活動が充実してきていると感じています。

中でも生徒会の活動ではスローガンを「エネルギッシュ」として、執行部や各専門委員会の活動を通して、毎日の学校生活を「より良く」していこうと取り組んでいます。例えばあいさつや掃除などで頑張っている人を推薦して、エネルギッシュ(環境・あいさつ)マイスターとして表彰する取り組みや、「ちょこっとボランティア(略して『チョコボ』)」の名称で、校舎内に小さなくず入れを設置して、廊下や階段のちょっとしたほこりやゴミなどを進んで拾おうとする取り組みなどです。生徒一人一人がちょっとずつ頑張れば、全校生徒486人の力を合わせると、大きな動きにつながります。まさに、そこが「エネルギッシュ」をスローガンとして取り組むねらいであり、よさであるように思います。今後の生徒会の活躍に大いに期待しています。

六月は庭に咲くアジサイの花が雨に濡れてとてもきれいです。たくさんの小さな花が一つにまとまって大きな花になり、一つの株に丸い仲良くいているように見えます。その様子は、生徒一人一人の力がまとまって学級となり、19の学級がまとまって学校全体となっている頭中の姿と重なるものがあります。アジサイの花のようにに負けないで、力強く」「しなやかに」輝く八頭中生であり、八頭中学校でありたいと思います。

これからも、皆さんの応援をよろしくお願いします。

入学式 式辞より

146名の新入生の皆さん、「ご入学おめでとうございます。」

 担任の先生から一人ひとりの名前を呼ばれ、背筋を真っ直ぐに伸ばした姿勢に、しっかりと返事をした声に、「今日から八頭中の生徒として頑張ろう」という意気込みを感じました。どうか、今日の日の喜びを忘れず、多くの友達や先生とのふれ合いを大切にして、充実した毎日を送ってください。

 

 八頭中学校の教育目標は、「立志、自律、創造」という三つの言葉で表されています。「志を立てる、自分を磨く、未来を創る」、生徒一人一人が自分の将来に夢や目標を持ち、人の話を素直に聞き入れながら努力を重ね、自分の未来や町の未来を創りあげていく、そういう力を身につけて欲しいと考えています。

 本年度の八頭中は、新入生の皆さんを含めて全校生徒485名、教職員52名となります。小学校の時の少人数で学んできた環境とは少し変わりますが、多くの生徒の中で切磋琢磨し、それぞれが研鑽を積んでいくこともとても大事な経験です。これからの学校生活の中で、新しい友達とも思い切って言葉を交わし、多くの人の意見を聞いて、いろいろなアイデアを交換してみてください。きっと自分の思いを理解してくれる友達と出会えるはずですし、自分にとってプラスとなる見方や考え方が広がるはずです。そうして、物事を捉える視野を広げて欲しいと思います。

 

皆さんの、これからの中学校3年間の生活を充実させるために、大事にして欲しいことを2つ話しておきます。

つ目は、「あいさつ」「そうじ」「人の話を聞く」ことを学校生活の基本とするということです。

あいさつは、人と人の心をつなぐ初めの一歩です。「そうじ」は、教室や廊下、机など、自分の周りをきれいにすることで、自分の心をきれいに磨くことにつながります。人の話を聞くことは、相手を大事にし、相手の意見と比較することで考えることにもつながります。「あいさつは、心をつなぐ、そうじは、心を磨く、聞くことは、心を育む」

学校生活の基本として大事にしてください。

 

つめは、「自ら求めて学ぶ」ということです。

学校は、学びの場です。授業はもちろんのこと、学校行事や部活動などいろいろな場面で人として生きていくためのたくさんのことを学びますそこで大切なのは、「自ら求めて学ぶ」ということです。誰のためでもない、自分のためです。より良い自分をつくるために、自分のよさを自分で磨いていくのです。小学校で身につけた力に、中学校三年間でどれだけ磨きをかけることができるか、それは、皆さん一人一人の心の持ち方にかかっていると言うことです。

授業では「何が正しいのか」を真剣に考えたり、運動会や文化祭などの学校行事では「友達と力を合わせて」何かを創り上げたり、部活動では厳しい練習を強い意志を持って乗越えたり、そんな体験がとても大事です。是非、自ら求めて挑戦してみてください。