平成30年度 第1回 全校道徳(4月19日)の学校長の話の要旨

第1回全校道徳「特別支援について」

○社会(世の中)は、いろんな人がいて成り立っている。
    いろんな人がいるから楽しい
○全ての人を二通りに厳密に分ける基準なんてないんじゃないか。
    ・身長の高い人 と 身長の低い人  etc
    ・「男性と女性」という分け方でさえ、つらい思いをする人がいる
○人を二つに厳密に分けることなんて出来ないし、その必要もない。
 「いろんな人がいる」ということしか言えない、それで十分!。
○同じように「障害のある人」と「障害のない人」を分けることもできない(意味が無い)
    ・ただ、先日の「視力検査」で、遠くの文字がよく見える人と見にくい人がいる
    ・私も、近くの小さな文字が見えない(皆が朝読で呼んでいる文庫本は読めない)
       でも、眼鏡の助けを借りれば、皆と同じ文庫本が読める
    ・眼鏡の助けを借りても読めない人のために「拡大教科書」がある
    ・それも読めない人のために「点字」がある
    ・「拡大教科書」や「点字」を使えば、皆が読んでいるのと同じ物語が読める
    ※「拡大教科書」や「点字」のことを「特別な支援」という
    ※「特別な支援」をして行う教育を「特別支援教育」という
    ※「特別な支援」をして学習をするクラスを「特別支援学級」という
○八頭中学校は、すべての生徒が安心して登校出来て、それぞれの夢を叶えるために一生懸命に頑張れる学校を目指している。
  だから、「特別支援教育」をとても大切に考えている。
○私の専門は「特別支援教育」。私は「特別支援学校」の先生である。
    ・学生時代、若い教員時代、多くの「障害がある」とされる生徒や大人と出会った。
    ・その中で私が一番ショックだったのは、交通事故の後遺症の子である
     昨日までは、元気に走り回っていた子が、突然寝たきり、話すことも、食事もできない
       この子を「障害がある」とするならば、みんなだって「障害をもつ可能性」はある
  将来結婚して生まれた子どもが「特別な支援」が必要なこともある
○八頭中学校は、八頭町で生まれた「特別な支援」を必要とする生徒が八頭中学校に通うことを望むなら、すべて迎えて、精一杯の教育をする。
「特別な支援」を必要とする生徒が「八頭中学校に通えて幸せだ」と思ってくれるような教育をする。
    ただ、役員認証式でも言ったように、私には「そんな学校にしたい」ということを言うことはできても、そんな学校を創ることはできない。
    そんな学校を創ってくれるのは君たち一人ひとりである。是非そんな学校を創って欲しい。
~そのために皆さんへのお願いです~
○特別支援学級の生徒には、八頭中学校ではなく「特別支援学校」を選ぶという選択肢もあったはず。
  そっちの方が、より専門的な教育を受けることができる。
  でも、八頭中学校に通う支援学級の生徒たちは、八頭中学校を選んでくれた。なぜだろう?。
    それは、「みんながいるから」である。「みんなと一緒に勉強したい」「みんなと一緒に学校生活を送りたい」という理由で八頭中学校を選んでくれている。
  みんなにはその思いに応えて欲しい。
○支援学級の生徒を含めて433名で八頭中学校。433名すべての生徒が「八頭中生でよかった」と心の底から思える八頭中学校を創っていこう。

道徳通信№3(文責:心の教育部)より



全校道徳③ 9月15日(木)2・3限            


       「自律の力」~小さい勇気をこそ~
 
                 渡邉 二之 校長先生


                                            道徳通信③.pdf      

      全校道徳③9月15日(木)
  多くの人に感動を伝えた素晴らしい運動会、気温35度を超える中でのホッケー全国大会の激戦…と、八頭中生の活躍する姿からお話が始まりました。そして試合後のホッケー部生徒の言葉を紹介されました。それは「毎日の生活をきちんとして、精神力を鍛えることが大切だと思った」という部長の振り返りです。全国という大舞台で戦ってきた選手だからこそ言える、とても説得力のある言葉です。
  次に、様々な障害を乗り越えて前向きに頑張るパラリンピック選手、そして事故で両足を切断した義足のランナー島袋勉さんのお話がありました。島袋さんはフルマラソンを完走し富士山登頂も果たされたそうです。ふりかかる困難や厳しい現実に屈することなく「夢をあきらめない」その姿は、校長先生ご自身がマラソンを始めるきっかけになったそうです。(校長先生は今も走り続けておられます。)また、マラソンに挑む人たちの中には、ノーベル賞を受賞した山中伸弥さんの姿もありました。
 最後に紹介されたのは「小さい勇気をこそ」という詩です。日々の生活の中で「前向きにちょっと頑張る」。それが、八頭中生の目指す「自律」につながっていくこと、そしていざというときの大きな勇気を育てるのだというメッセージを受け取りました。
 「自分にもできるかもしれない」、聞き終わった後で、誰もが前向きな明るい気持ちになる、そんなお話でした。


小さい勇気をこそ

                                          東井 義雄

 人生の大嵐がやってきたとき それがへっちゃらでのりこえられるような

 大きい勇気もほしいにはほしいが わたしは 小さい勇気こそほしい

 

 わたしのたいせつな仕事を後回しにさせ 忘れさせようとする 小さい悪魔が

 テレビのスリルドラマや漫画に化けてわたしを誘惑するとき

 すぐそれがやっつけられるくらいの小さい勇気でいいから わたしは それがほしい

 

 もう五分くらい寝ていたっていいじゃないかけさは寒いんだよと

 あたたかい寝床の中にひそみこんでわたしにささやきかける小さい悪魔を 

 すぐ やっつけてしまえるくらいの小さい勇気こそ ほしい

                           

 明日があるじゃないか明日やればいいじゃないか 今夜はもう寝ろよと

 机の下からささやきかける小さい悪魔を すぐ やっつけてしまえるくらいの

 小さい勇気こそ ほしい

 

 紙くずが落ちているのを見つけたときは 気がつかなかったというふりをして

 さっさと行っちまえよかぜひきの鼻紙かもしれないよ
 
不潔じゃないかと呼びかける小さい悪魔を
 すぐやっつけてしまえるくらいの 
小さい勇気こそ わたしはほしい

 

 どんな苦難も乗りきれる 大きい勇気もほしいにはほしい                           

 毎日 小出しにして使える小さい勇気でいいから

 それが わたしは たくさんほしい

 

 それに そういう小さい勇気を軽蔑していてはいざというときの大きい勇気も

 つかめないのではないだろうか



   
            3年生の取り組み     私の『小さな悪魔』と『小さな勇気』     



~生徒感想より~
★私には「小さい勇気があるのでしょうか。課題より、自分のやりたいことを優先してしまいます。『もう5分くらい寝ていたっていいじゃないか。』私も毎朝そう思います。私は小さい失敗を何度も繰り返してしまいます。でも、小さい工夫をして小さい勇気を出せば、「成功」につながるのです。「まあいいか」を減らすだけで人は変われるのだと、このこの詩を聞いて考えました。「小さい悪魔」に「小さい勇気」で勝ちたいと思います。                                  (1年女子)
★マラソンのお話から、自分には足がないから歩けないと思うのではなく、いつでも前を見て、常に先を目指し続けることで、一歩また一歩と自分を強くしていけるということを感じました。そして失敗をするからやらないのではなく、その失敗から何を学び、次につなげるかが大事だということを学びました。いつでもポジティブに、失敗を次にどう生かすのかを考えて、これからの部活や生活面に取り入れ、自分を強くしていきたいと思います。
                                  (1年男子)
★私は人前で話すことが苦手です。授業で発表もあまりしません。今日、最後に読んでくださった詩を聞いて、私はとても共感できました。特に、「毎日小出しにして使える小さい勇気でいいから、それがわたしにはたくさんほしい」の部分です。毎日小さな勇気を使っていると、それがどんどん大きくなって、大きい勇気になると思います。島袋さんのように両足を失った方でも、自分の心の中に絶対あきらめないと思う気持ちがあればどんなことでもできるのだと知り、これからの人生、どんな苦難があっても乗り越えられる自分になれるよう「小さい勇気」を重ねていきたいと思います。                                               (2年女子)
★京都マラソンのときの山中教授の「チャレンジして成功するかは分からないけど、チャレンジして成長することはできる」という言葉が印象に残った。チャレンジして成功しなくても、それは失敗ではない。成功しなくても、そこから学んで成長し、成功に近づけることができる。普段から小さい勇気を出していろいろなことをしていかないと、チャレンジするための大きな勇気は手に入らない。「これは苦手だから」とか「嫌だから」などと言ってチャレンジしないのは、とてももったいないことだ。小さいことでも勇気を出して自信をつけ、より大きなことにチャレンジしていきたい。
                                  (2年男子)★運動会など、一生懸命に頑張ったことが人を感動させ勇気を与える。そして感動や勇気をもらった人は、「自分も一歩踏み出して新しいことに挑戦してみよう」という気持ちになる。事故で足をなくされた方が、義足でフルマラソンを走りきったお話を聞いて、私も自分のペースでいいから、一歩一歩踏み出し目の前のことに一生懸命になろうと思った。
                                  (3年女子)

★今回の校長先生のお話は、まさに僕に足りないものだった。マラソンのお話では、聞いていて素直に「うらやましい」と思った。最初の距離は短くても、二回目、三回目と回数を重ねるごとに少しずつ長く走れるようになっていく。すぐに結果がでなくても続ける忍耐と向上心。これは研鑽を積むために最も必要な力だと思う。「小さい勇気」の話は一番心に残った。これも正に僕の姿だ。この詩を胸に「小さな悪魔」が現れたら「小さな勇気」でボコボコに倒してやろうと思う。                  (3年男子)

道徳通信№2(文責:心の教育部)より

全校道徳②6月7日(火)2・3限
「心がつながる福祉の仕事」
 
                       八頭町社会福祉協議会 地域福祉課 藤田 亮二 さん

 第2回目の全校道徳は、八頭町のコミュニティソーシャルワーカーとして働いておられる藤田亮二さんに話をしていただきました。福祉の仕事とはどのようなことか、また、どんな心構えで仕事に向き合っておられるのか、現場の様子を交えながら、わかりやすく話してくださいました。そして最後に話された、八頭町の中学生への次のようなメッセージがとても印象的でした。

                  









     道徳通信№2.pdf



   福祉の仕事は心がつながる仕事、その人の人生にかかわる仕事です。
 重い仕事ではありますが、やりがいがあり心が豊かになる仕事です。    
   こんな福祉の仕事に興味をもってくれたらとてもうれしいです。      
   皆さんも地域の一員として地域の福祉について考えてみてください。    
   そして自分の住んでいる所を大切にしてください。


  ~生徒感想より~
★福祉の仕事は「全部をやらない、その人のできないところを支える」という言葉が心に残りました。だれにでも自分なりの生き方がある。僕も、人の生き方を支えていける人になりたいです。全てに手を出して、その人の「できる」楽しみを奪ってはいけないのです。 熊本の話にも驚きました。地震があったとき、あるお年寄りの方が、「あの熊本の子は大丈夫かなあ。」と以前出会った熊本出身の学生のことを気遣っておられたそうです。人と人とのつながりが、震災や事故、事件を乗り越える力になるのだと思いました。                                     (1年男子)                                                  

★私は今日のお話しで、ボランティアで介護施設に行ったことを思い出しました。施設で働く方たちを見ていると、お年寄りに合わせてお話をし、その人に合った対処をしておられました。心を通わすことで人と人とがつながり、支え合っておられる様子を見て、福祉の仕事に対してもっと興味がわいてきました。私が住んでいる地域の人たちは、田んぼの手伝いをし合ったり、家でできた果物を分け合ったりしています。こういった行動が、これからも続いていってほしいと思います。                     (1年女子)                                    

★「福祉」が、自分のイメージしていたことと違って、「幸せ」を表す言葉であることに驚きました。職場体験で「すこやか」に行き、介護の仕事はとても大変だというイメージが強かったのですが、その中で相手をどれだけ幸せにできるのかを考えておられることが改めてわかりました。マニュアル通りにすればよいというのではなく、相手と向き合い一人ひとりの方についてしっかりと考えることも、福祉の仕事の大切なとことろだと言っておられました。相手の心に触れることで、どうすればその人がもっと良くなるのかが分かってくるのだと思います。                         (2年男子)
                                                               
★藤田さんのお話を聞いて、職場体験学習を思い出しました。私は「すこやか」に行きましたが、「高齢者の方々は何にもできないからそこにいるのではないのです。」という藤田さんの言葉にとても共感しました。「福祉とは相手の幸せに想いをはせること」だとも言っておられて、そのために相手の気持を考えたり意識したりしながら接することが大切なのだと知りました。私は、これからの生活の中で、「福祉の心」をクラス、班活動で生かし、助け合い協力し合っていきたいと思います。            (2年女子)


★「福祉」の意味を聞かれたとき、最初は、漠然と「奉仕活動」のようなことしか浮かびませんでした。しかし、「お世話をするのではなく、お手伝いをする。なぜなら一人ひとりが自分自身の人生を歩んでいるのだから。」というお話に、なるほどと思いました。お年寄りの方は、一人の人間として誇りをもって自分の人生を生きている。しかし、どうしてもできないことがある。それをお手伝いすることで、誇りを守り寄り添い関わることができます。人と人がつながって、みんなが幸せになるのが福祉だと思います。学校生活の中でも、人との関わりを考えながら、生活していきたいと思います。   (3年男子)


★地域のために働く福祉の仕事は、高齢者や体の不自由な人に寄り添って「お世話する」のではなくて「手伝う」ことであるとわかりました。藤田さんの話を聞いて、人に寄り添ってお互いに助け合いながら生活できる力のことを「福祉の心」というんだと思いました。普段の生活の中で、学校に行くときに地域の方に会います。その時にあいさつをすると「いい天気だね」とか「今日もがんばってね」と話しかけてくれます。私も笑顔で返すと、相手も笑顔になります。地域に笑顔が広がることによって、「福祉の心」は広がっていくのだと思います。                           (3年女子)


道徳通信(6月1日発行 文責:心の教育部)


 「道徳教育」を学校づくりの柱として 

  開校2年目を迎えた八頭中学校。その学校づくりの大きな柱の1つが道徳教育です。
テーマは「心を磨く」。道徳の時間だけでなく、全教科、全領域(学活・総合・行事等)を通して生徒と教員が共に学び合い豊かな心を育んでいきたいと考えています。ぜひご家庭でも話題として取り上げていただき、学校での学びをより深めていただければ幸いです。

                                                八頭中学校道徳通信「心を磨く」第1号.pdf

全校道徳①4月26日(火)1・2限
 

 本年度第1回目の全校道徳は、渡邉二之校長先生、浦林要仁先生にお話をしていただきました。どちらのお話も、八頭中生として常に心に留めておきたい大切な内容でした。
 校長先生は「心を働かせて学ぶ」ということについて話されました。スポーツ選手の逸話や「心のスイッチ」という詩はとても印象深く心に残りました。
 浦林先生は、「全ての生徒が、八頭中学校で心地よく生活し、安心して学習に取り込めるようにするために」というテーマで話されました。その中で、7・8・9組は、生徒の苦手を克服・改善しながら一人ひとりの個性を伸ばしていくためのクラスであることも伝えられました。


   心のスイッチ
                東井 義雄

  人間の目はふしぎな目  見ようという心がなかったら  見ていても見えない

  人間の耳はふしぎな耳  聞こうという心がなかったら  聞いていても聞こえない

  頭もそうだ  はじめからよい頭悪い頭の区別があるのではないようだ

  「よし やるぞ!」  と心のスイッチが入ると
  頭もすばらしいはたらきをしはじめる

  心のスイッチが  人間をつまらなくもし  すばらしくもしていく

  電灯のスイッチが  家の中を明るくもし  暗くもするように


~生徒感想より~
      
★校長先生の「心のスイッチ」のお話を聞いて、私は「よし、やるぞ!」という気持ちを常に持ちたいと思いました。私はめんどうなことや、自分が 納得していないことをするときに、いつもやる気を見せずに過ごしています。めんどうなことにやる気を見せても、むだな気がするし、納得していないのにやる気を見せると、何か負けた気がするからです。でも、むだとか勝ち負けとかではなく、やる気を見せることが大切なのかなと思いました。すぐにはできないとは思うけれど、徐々にできるようになりたいです。             (1年女子)
     
★浦林先生のお話から、生徒は一人一人違うところがあるので、八頭中ではその人に合った授業ができるような環境が考えられていることが分かりました。僕は心配なことがあれば、友達や先生に相談したいと思います。そうしてクラスの友達全員が一人も欠けることなく、互いに高め合えるクラスにしたいと思います。そのために、一人ぼっちになっている人をなくしたり、男女関係なく仲良くしたりしたいと思いま。(1年男子)                                                           

★「自分を磨くこと」それは「個性が活きること」につながるのではないだろうか。絵を描く人は描いたぶんだけ上手になり、走る人は走った分だけ速くなる。楽器を吹く人はたくさん吹けば吹くほど上達する。そうやって自分自身を成長させているのは、他人ではない。自分なのだ。自分自らが判断して楽しんだり悲しんだりする。すると個性が育つ。自分を磨くこと、それは個性を伸ばし成長することだと思う。 (2年女子)
     
★浦林先生は特別支援学級について話をしてくださいました。なぜこの学級があるのか、どう接していくのがよいのか…と、これまであまり深く考えてこなかったことでした。生徒一人ひとりの能力には個人差があり、決して同じではない。ある人にとっては普通にできることも、別の人にとっては難しいこともある。クラスを分けるのはその人の個性を活かすためなのです。しかし、浦林先生が一番言いたかったことは「接する」ということ、つまり「調和」だと思 います。人の強いところ、弱いところを認め、励まし合いながら生活することが大切だということだと思います。  (2年男子)                                    

★校長先生がおっしゃっていた舞ノ海さんの話は僕も知っていた。頭にシリコンを入れると、とても痛いそうだ。血管がたくさん巡っているからだ。その痛みに耐えながら検査を受けたそうだ。この話から僕は「覚悟」の大切さを知った。夢を叶えるためなら、多少の犠牲もいとわない覚悟だ。今の僕にはまだはっきりとした夢はない。けれど一度決めたら、たゆまぬ努力を重ねていきたいと思う。 (3年男子)

★学校は、これまで自分が学んできたことを生かしながら、さらに力をつけていく所だと分かりました。一人ひとりの持つ力は違っていますが、その力を全て自分のためだけにつかわず、周りの人たちのためにつかっていくことが大切なのだと思います。私は自分の理想とする学校生活を送るために、まず自分自身を振り返り、周囲の人を理解する努力を続けていこうと思います。(3年女子)