「校長室から」
 
 教育のこと、子どものこと、その他私の考えたこと等、校長の視点で保護者や地域の皆様に発信をしていきたいと思います。感想や意見がありましたらお教えください。

非認知能力ってどんな力?

2025年3月4日 08時54分

この冬降り積もった雪は、暖かい日差しとともに徐々に姿を消し、春の訪れを感じる今日この頃です。本校は、幸いにも新年より新型コロナウイルス感染症やインフルエンザの広がりも無く、校舎内には子供たちの元気な姿とともに大きな歓声が聞こえてきます。

今年度の5・6年スキー教室は、大雪警報発令の心配をよそに、2日間とも絶好のスキー日和となりました。タイミングよく夜間に雪が降り積もりベストコンディションで実施することができました。ご協力いただきました保護者、ボランティアコーチの皆様、ありがとうございました。

さて、年度末となる3月ですが、子供たちの1年間のがんばりを標準学力調査の結果で見ますと、「基礎・活用の全国との比較」では、国語においてすべての学年が基礎・活用とも全国平均を上回っています。算数では、1年5年の活用以外は全国平均を上回っており、5年は伸びが高い結果となりました。「主体的に学ぼうとする態度に関わる問題」の正答率はR5年度~R6年度にかけて、国語の正答率が大きく伸びています。この結果は、基礎学力に加え特別活動の話合い活動で培った相手を納得させる文章構成、説明方法、妥当性のある理由と結論の関連付け等、学級活動を中心とした言語活動を通して身に付けた表現力が高まっていることを表しているのではないかと考えられます。

標準学力調査の結果概要と特別活動の話合い活動の成果は、いずれも大切な取組の報告でありますが、ここでは後者の点数(数値)化して測定することが困難な力に注目してみたいと思います。

○コミュニケーション力(他者とやりとりできる力)

○思いやり・共感性(他者の立場や思いに立てる力)

○忍耐力(我慢する力)

○自信・自尊感情(自分をプラスに捉える力)

○意欲(前向きにがんばろうとする力)

このような測りにくい力は「非認知能力」と言われています。

※「非認知能力」提唱者 ノーベル経済学賞受賞ジェームズ・J・ヘックマン(シカゴ大学・経済学者)

人生100年時代、人工知能(AI)と共に生きる現代の子供達には、点数(数値)化して測定することが容易な認知能力はもちろん、時代の変化に対応できる能力も必要で、そのためにも上記の力が求められています。そして、認知能力・非認知能力の土台となるのは、自分という存在が無条件で受け容れられる経験から育まれた自己肯定感(自己受容感)と言われています。

最後に子供の発達の時期と特徴に対応した育て方『親の心得』(※参考 秩父神社)を紹介します。

親の心得

赤子には肌を離すな 幼児には手を離すな 子供には眼を離すな 若者には心を離すな

※参考図書 学力テストで測れない非認知能力が子どもを伸ばす 著者:中山芳一 発行所:東京書籍株式会社