「校長室から」
 
 教育のこと、子どものこと、その他私の考えたこと等、校長の視点で保護者や地域の皆様に発信をしていきたいと思います。感想や意見がありましたらお教えください。

みんなちがって、みんないい

2025年6月2日 08時52分

木々を渡る風もさわやかで、新緑が鮮やかな季節となりました。5月18日(日)、前日の風雨により順延した運動会を絶好のグランドコンディションのもと実施しました。学校運営協議会の方々をはじめ多くのご来賓をお迎えして、郡家西地区のみなさまと共に運動会が開催できましたことを大変うれしく思います。

児童が一生懸命演技をする姿や協力して勝利を目指す姿はいかがでしたでしょうか。運動会の演技を全力でやりきる児童の様子はもちろん、6年生の色別リーダーを中心とした各テントでの応援も立派で、工夫を凝らした一糸乱れぬ応援風景は感動そのものでした。今年の運動会のめあては、「やりきれ 西小 心を一つに熱くなれ」でしたが、児童が日々「自分たちで、つながりつくる学校」を目指しているように、自分たちの運動会も自分たちでつながり、心を一つにして作り上げたものになりました。6、1年生の「みずのきずなリレー」への一般参加、郡家西地区公民館演技「パン食いGO!」や「八頭町音頭」は、運動会を大いに盛り上げてくださいました。また、八頭町音頭の練習では、八頭町PR隊の皆様に大変お世話になり、様々な形で地域のみなさまとつながり作った運動会となりました。

私は運動会開会式のあいさつで、下記のようなお話をしました。

みなさんの中には、運動が得意な人もいれば、運動があまり好きではない人もいると思います。また、にぎやかなことが好きな人もいれば、にぎやかなことが苦手な人もいます。では、今日の運動会でみんなにとって大切なことは何でしょう。それは、一人一人が自分にできることを精一杯がんばることです。ドキドキして落ち着かない人や困っている人にやさしく声をかけたり励ましたりすることも、一生懸命演技をして勝利を目指すことと同じくらい大切なことです。

 

「みんなちがって、みんないい」これは、童謡詩人 金子みすゞの詩「私と小鳥と鈴と」の一節にある言葉です。みなさんの中には、小学生時分にこの詩を暗唱された方もあると思います。

現代社会は、「多様性(diversity)社会」であり、一人一人違った個性や能力を持つ個人として尊重され、誰もが希望をもって自分らしく生きることができ、誰もが能力を発揮し参画・活躍できるインクルーシブ(inclusive)社会です。障がいの有無にかかわらず誰もが相互に人格と個性を尊重し合える共生社会の実現も大切なことです。学校は子供たちにとって小さな社会といいますが、「ちがい」を認め、「よさ」に気づける望ましい人間関係を築き、他者と協働できる子供を育成することこそが学校の使命であり、これからの社会を生きる子どもたちが目指すところです。

タイトルは、「私と小鳥と鈴と」であるのに、詩の最後では「鈴と、小鳥と、それからわたし」と順番が逆になっています。鈴や小鳥のすばらしさを認めた上で自分のよさも認められる、そんな自分でありたいものです。