「校長室から」
 
 教育のこと、子どものこと、その他私の考えたこと等、校長の視点で保護者や地域の皆様に発信をしていきたいと思います。感想や意見がありましたらお教えください。

ツバメの巣づくり

2025年7月4日 15時59分

今年は、平年より3日遅く去年より11日早く梅雨入りしたそうですが、気象庁が統計を取り始めてから最も早い梅雨明けとなったようです。本格的な暑さに向かう中、プールには子供たちの歓声とともに水しぶきが舞っています。日々、熱中症の危険度を判断する数値「暑さ指数(WBGT)」を参考に、熱中症の予防行動や対応を行っていますが、子供たちは決まりを守りながら元気に過ごしています。児童が元気よく登校して、元気よく学校生活を送り、元気よく下校する、そんな日々のありがたさを実感しています。今月は1学期のまとめの月であり、児童は学習面・生活面ともに夏休みに向けてさらに充実した日々を過ごします。

 ところで、5月ごろから学校の周りでは黙々と元気よく働く「ツバメ」の姿をよく目にします。校庭の水たまりや近くの田畑から泥を口に含んでは、一生懸命休むことなく校舎の軒先に泥を張り付けて巣づくりをしています。巣づくりを始めたばかりのつがいもいれば、ほぼ完成して卵を産む準備や抱卵をしているであろうつがいの巣も見られます。害虫をたくさん食べてくれることから益鳥とされているツバメは、「縁起がよい、幸せになれる」と言われ、一方ツバメは人の出入りがある人間の生活の場で巣をつくって外敵から身を守っているそうです。人の生活の場に巣をつくることは、様々な問題も生じます。玄関や軒先に巣づくりの泥が落ちてきたり、車や建物にフンがついたりと洗い流すのもなかなか大変です。中でも本校正面玄関の上に巣づくりをしようとやってくるツバメには手を焼いています。かわいそうではありますが、玄関先なのでつくり始めては洗い流す。洗い流してしばらくするとつくり始めるの繰り返しで、人とツバメのせめぎ合いが続いています。同じつがいかどうかは分かりませんが、今となってはツバメの忍耐強さ、あきらめない、くじけない姿に感心しているところです。厳しい自然界を生き抜くためには、生半可な気持ちでは生き延びることができないのかもしれません。

本校の学校経営方針の中の「めざす児童像」を具現化するために「徳」「知」「体」の取組みがあり、その中の「体」には好きでも嫌いでも、楽しくても苦しくても何事にも全力で向かえる「ねばりっ子」の奨励があります。本校児童の「ねばりっ子」の精神に負けず劣らず巣作りをがんばるツバメの姿から、学ぶべきことがたくさんあります。

最後に、「ツバメ」の歌といえば…

僕らは色とりどりの命と

この場所で共に生きている

それぞれ人も草木も花も鳥も

   肩寄せ合いながら ~♪

           

            NHK「YOASOBIとつくる未来のうた」より「ツバメ」

                作詞・作曲・編曲 Ayase 歌 YOASOBI withミドリーズ