雪も強風もやみ,ようやく薄日が差し込んでくるようになった放課後。予定されていた会議を終え,部屋の扉を開けて退室しようとしたところ,ものとものが激しくぶつかるような音が聞こえてきました。
そうはいっても厳しい寒さの残る中,せっせと雪かきをしてくれていたのは男女ボート部のみなさんでした。

「いつも東高のみなさんにお世話になっていますから…」とは,部員と一緒に精を出していた顧問の先生の言。日頃からそうしたマインドセットで部活動に取り組んでいるのでしょう。ボート部のみなさんにお礼の声かけをしたところ,どの部員も「当然です」と言わんばかりの笑顔を返してくれました。中には「これでみんなが通りやすくなりますから」と言ってくれた部員も…。
今日の雪は比較的水分が多かったためか,かなり重たく感じられるものでした。加えて,職員の自家用車や業者の荷物運搬車等が出入りする関係で,正面玄関近辺は圧雪となっていました。かなりの力を加えないと圧雪が剥がれない…そんな感じの積雪状態になっていました。激しい音が出てしまうのも当然,と思われました。

でも,誰一人として文句を言うこともなく,むしろ嬉々として仲間との協同作業にあたるボート部員のみなさんの表情が印象的でした。その様子を見,ジャージ姿の女子部員の雪かきを自主的に手伝い始める教職員もいました,履いた長靴をガパガパと鳴らしながら…。心がほっこりする,そんな1シーンでした。

このシーンは,厳冬期の鳥取県立高校で見られるシーンとしては決して珍しくないものなのかもしれません。でも,スコップと圧雪が衝突して発生したあの音の激しさを支えた生徒のまごころや誠意,そして人のぬくもりや優しさがほんのりと感じられたあの空間は「とっても鳥取東高らしいな…」と感じられるものでした。
男女ボート部のみなさん,ありがとう!