その一環として10月19日(土),英語的な見方考え方のより確かな習得を目指すとともに,社会的なテーマについて異なる文化や背景を持つ世界の様々な人々と建設的に議論しあえる英語力の向上を目指して,1・2年生希望者17名が「英語ディベートキャンプ」に参加しました。
中学校そして高校の英語授業において,生徒の英語による発信力の育成や強化に重点が置かれるようになったことを受け,英語ディベート活動が学校教育にも盛んに取り入れられるようになりました。
英語ディベート活動をとおして鍛えられると期待されるのは,主に次のような英語力です。
▶英語的な見方・考え方 ▶相手と英語で即興的にやり取りする力
▶立場や客観的な事実等を基にした根拠を明確にして,論理的に発信する力
▶自分とは異なる考えや背景を持つ人を受容し,共同的に課題を解決する力
10月19日(土)午前。生徒が続々と会場入り。既に高度なディベートスキルを持つ生徒もいれば,まだ初歩段階にいるためドキドキしながら登校したという生徒まで,その実態は様々。でも「思い」には,どの生徒にも共通するものがありました。
▶自分の本当の思いや考えについて,英語で適切に,そしてスムーズにやり取りできるようになりたい。
▶英語を共通言語として,世界中の人たちと社会的な課題の解決策について考えたい。
そんな思いを胸に秘め,今年の英語ディベートキャンプがいよいよスタート!講師は福井県立藤島高校で英語をご指導されている三仙(さんぜん)先生。英語ディベート活動そしてその指導法について全国を舞台に活躍してらっしゃる達人です。(昨年もご指導くださいました。)
三仙先生からのレクチャー終了後,休憩をはさんでいよいよ,英語ディベート本番(オンライン)!
対戦相手は,三仙先生がご勤務されている藤島高校の生徒さん。ディベートテーマは「貫戸朋子氏は酸素ボンベを切るべきだった」。「国境なき医師団」に派遣された医師が,ある医療現場で実際に求められた究極の判断そして実践を題材にしたものです。
生死の境目をさまよい,一刻を争う患者を目の前に,自らの判断が目の前の患者そしてその他の患者の後に控える患者の生死を決する…。どの命をも救い,守るべき立場にいる者が,命の重さまたは優先を決しなければならない。そんな場面が提示されました。
画像でご覧いただけるとおり,前のめりになり,わがこととして真剣に取り組む生徒ばかりだったのもうなずけます。本校ALTのエミリー先生,エイダン先生のアドバイスも活用しながら,藤島高校の生徒を対戦相手として,東高生はこの難題に向かっていきました。
〈参加生徒の感想〉(抜粋)
▶世界で起こっている問題を他人事として終わらせることなく,自分事として深く考えるということがとても重要だと感じました。
▶自分も絶対にしゃべらないといけない状況になることによって,自分が持ってる限りの知識をフル活用してディベートに取り組めたのでとても有意義な時間になりました。
▶Deabate Camp からいろいろな英語のスキルを鍛えることができると実際に体験してみて思った。自分の意見を声に出したり、相手の意見にしっかりとした根拠が含まれた反論をするトレーニングから実際にネイティブな方とお話する練習にもなるし、受験の面接などで問われる質問に素早く受け答えする練習や英検の面接の練習にもなってとても効率的な英語のトレーニングだと感じた。もっと練習してすらすら言えるようになりたい。
英語ディベートに設定されている原則の中には,私達が母国語で議論する場面にも適用すべきと思われることがあります。例えば次のようなものです。
▶説明なき議論は無効 ▶沈黙は同意を意味する ▶人と議論は切り離す
ディベートは一定のルールに則って展開されるため,言語活動としてのゲーム性が高いだけでなく,参加者の教養や思考力・判断力・表現力そしてコミュニケーション力の向上も図れます。グローバル,ローカルいずれの局面においても活躍できる人材の育成を目指す鳥取東高としては,英語ディベート活動を今後も重視し,世界に通用する発信力や交渉力を生徒に育成していきたいと思います。
三仙先生そして休日返上で協力してくださった藤島高校の生徒のみなさん,本当にありがとうございました!