第2回開催:ゲストは本校卒業生・花原慧史先生
9月20日(土)、第2回「次世代教師塾」を開催しました。今回のゲストティーチャーは、鳥取市立湖東中学校で教鞭を執る花原慧史先生です。 本校の卒業生でもある花原先生が、12名の参加生徒に向けて熱いメッセージを届けてくださいました。
教職の魅力
花原先生が参加者に「教師になりたい理由」を尋ねると、「子どもたちの笑顔が見たいから」「学校生活は人生の基盤になるから」「成長が見られるから」などの答えが返ってきました。その後、花原先生はご自身の考えを3つ挙げられました。
① できなかったことができるようになる成長の姿を見ること
② 喜怒哀楽を共有できること
③ 中学校を巣立つときの瞬間に立ち会えること
特に印象的だったのは、「② 喜怒哀楽を共有できること」に関連して紹介された運動会のエピソードです。リレーで1位を走っていたアンカーの生徒がゴール直前で転倒し、悔し涙を流していた時、リレーのメンバー全員が駆け寄り、その悔しさを共に分かち合う姿に、花原先生も深く感動されたそうです。当時の写真を見ながら、教師にしか経験できない素朴ながらも心に残るエピソードに耳を傾ける参加者たちの目が、ひときわ輝いていたのが印象的でした。

教師を目指す中で大切にしてほしいこと
続いて、教師を目指す高校生に向けて、花原先生は次の3つの心構えを伝えられました。
① 何事にも全力で取り組むこと
② 挑戦すること
③ 人との出会いを大切にすること
特に「② 挑戦すること」について語られた言葉が印象的でした。「声がかかった時に『イエス』と言うか、『ノー』と言うか。『ノー』と言うのは簡単です。でも、声がかかるということは求められている証拠であり、自分を高めるチャンスをいただいているということなのです」。この言葉には強い説得力があり、参加者たちも真剣な表情で聞き入っていました。

ディスカッションと質疑応答を通して深まる「教師の仕事」への理解
後半は、「分かりやすく面白い授業をするために必要なこと」をテーマにグループディスカッションを行いました。参加者たちは熱心に話し合い、多様な意見が飛び交いました。
花原先生は、「教師はそれぞれの教科のプロであり、授業の雰囲気を大切にしながら、知的好奇心をくすぐる授業をすることが重要です。そのためには様々な工夫が求められます。テストで良い点を取ることだけが目的ではなく、10年後・20年後に社会人としてどう活かせるかを考える必要があります」と語られました。

最後の質疑応答では、「生徒指導をする際の心構え」など、鋭い質問が飛び出しました。花原先生は、「『怒る』と『叱る』は違います。『怒る』は感情的になること。『叱る』とは、ゴール地点を設け、それに向けてビジョンを組み立て、諭すことです。時には、例えば体育館から教室に戻るまでの時間など、本当に短い時間の中でビジョンを組み立てる必要があります」と語られました。このように、一つひとつの問いに対して丁寧かつ真心を込めて答えてくださいました。
生徒たちの未来に向けて
今回の「次世代教師塾」を通じて、生徒たちは「教師という仕事」の奥深さと意義を改めて実感することができました。花原先生は、一方的にご自身の考えを伝えるのではなく、まず参加者同士がペアで意見を交換し、じっくり考える時間を設けました。そのうえで、参加者の声に耳を傾けながら、ご自身の体験を交えて教師としての思いや考えを語られ、最後には「皆さん、一緒に働きましょう!」と力強いエールを送ってくださいました。まさに、教師にとって大切な「傾聴」の姿勢を体現された進行でした。
花原先生、教師を目指す後輩たちにとって非常に有意義な経験となりました。本当にありがとうございました。
