【令和7年度保教の会・総会(4.25)】
2025年4月25日 16時45分本年度も校長を務めます中谷と申します。3年目となりました。どうぞよろしくお願いいたします。
少しお時間をいただいて、5点について、お伝えしたいと思います。
まず、1点目。「学校経営方針」です。資料にも載せていますので、後でご覧ください。「学校教育目標」は、昨年度と変えておりません。考える元としたのは、私自身が感じている、本校の大きな課題、それが、「子どもたちが、受け身とならざるを得ない」、社会や学校での状況です。そこで、その課題を解決していくために、昨年度より、サブタイトルとして、「『○○したい』と主体的に生きる姿を求めて」を、付け加えています。その障がいが故に、何ごとにも受け身となりがちな子どもたちが…、「知りたい」「学びたい」「わかりたい」「やってみたい」「伝えたい」「叶えたい」「働きたい」「役に立ちたい」「教えたい」「生きたい」…そういった主体的な姿、社会に出て行く自信や勇気を取り戻すための取組を、様々な場面で展開していきたいと考えています。始業式の日には、子どもたちに、学校経営方針の「めざす児童生徒の姿」に関わって、「校長からのお願い」ということで、3つのことを伝えています。私が校長となってから、ことあるごとに伝えている3つです。一つ目は、「夢や目標をもとう」。どんなに小さな目標でもかまいません。「これができる自分」「こうなりたい自分」といった目標をはっきりと持ってほしい。二つ目は、「まわりに伝えよう」。言葉で伝える、書いて伝える、視線で、まばたきで、手の動き、口の動きで、言葉にならない声で・・・と、いろんな伝え方があると思います。どんな伝え方でもよいので、「自分はこう思う」「自分はこうしたい」と、ぜひ周りに伝えてほしい。そして、最後に、「命を大切にしよう」。自分自身の命はもちろんのこと、まわりの友達や仲間の命を大切にしてほしい、と伝えました。私が、しつこく伝えていますので、覚えてしまっている子もいるようです。ぜひ、この3つを、いつでも、思い出してほしいと思っています。この目標に向かって、学校では、様々な取り組みを進めていくわけですが…、特に力を入れて取り組んでいくことを、「学校経営の重点」としてあげています。ここでは詳しくはお伝えしませんが、それぞれ役割を決めていますので、担当する職員が中心となって、取り組んでいきたいと思っています。
・続いて、2点目。鳥取市をはじめ、実施する市町が増えてきています「体験的学習活動等休業日(やってみよう!デー)」についてです。鳥取市は、本年度も4日間設定しています。来週のゴールデンウィークのところで、本来なら、4月29日を一日休んで、3日出て、4連休というところですが、そこの間の3日間を休みにして、8連休にしようというものです。もう一日、秋にも、土日と文化の日で3連休があるのですが、そこに1日休みを足して4連休にするようです。市内の小・中学校は、鳥取市の取り組みですので、どこも実施するようですが、県立の高校は、しない学校もあれば、する学校もある、それぞれのようです。ちなみに、目的としては、学校を休みにするので、ふだんできない体験を家族みんなでしよう、そういった取り組みです。本校では、昨年度、秋の一日だけを取り入れまして、4連休としました。ゴールデンウィークの3日間は設定していません。本年度はどうするか、ということですが…、結論として、昨年度と同じく、秋の1日だけにします。と言いますのは、まずは、実施しない市町から通っている子どもたちもいること。また、本校の子どもたちの実態として、出身校で、「学校へ行きたい」と思えなかった子どもたちの転入学が、増えてきていることもありまして、そんな子どもたちが、本校に転入学してくることで、心機一転、がんばろうとして、(今も、本当にがんばっています)そんな子どもたちが、4月を乗り切ったとして、せっかくいい流れができたところで、また休みが続くと、せっかくのがんばりが崩れてしまう…そこを心配しています。また、休みを設定しても、本校の多くの子どもたちの実態からすると、なかなか家族で体験するようなお休みにする家庭も多くはないであろうということも予想されます。ただ、逆に、昨年度、秋に一日設定したことで、きょうだいと一緒に「とても有意義な一日を過ごせた」といったお話も聞いています。なので、折衷案ということになりますが、本年度も、「秋の一日を設定する」ということにします。ご理解をいただければと思います。
続いて、3点目。県が作成したチラシを、先日、マチコミで流しましたが、「教員の働き方改革」に関わって。教員が「楽をしたい」のではなくて、本来の仕事である、「授業をよりよくしていくための時間」を作り出していくために、ということで、「授業づくり日」を一昨年度より設定しています。昨年度も、子どもたちは給食を食べて下校する、という日を、3日設定させていただきました。私たち教員にとって、とてもよい「学びの機会」となっていますので、本年度も、3日、設定させていただきたいと思います。ご理解とご協力をお願いしたいと思います。
・続いて、4点目。本年度の体制として、「チーム副担任制」についてです。昨年度の総会でもお話ししましたし、新聞等で騒がれているので、ご存じの方もあるかと思いますが、今、鳥取も含めて、全国的に、どの学校種においても、教員の数が足りていません。特別支援学校においても、もっと言えば、本校においても、同じ状況となっています。教員の数が絶対的に足りていません。なので、これまでは、たくさんの教員がいて、子ども1人に、教員も1人ついていた時代もあったかと思いますが、今、そういった対応は、現実的にとれなくなってきています。そんな中でも、本校では、昨年度まで、担任を二人体制にして、できる限り、子どもたちに、ある程度固定した担任が付けるようにしてきました。ですが、先ほどお伝えした、教員の数が足らない状況も重なって、二人担任を付けられない学級もありました。そんな中で、学級では、日々、いろんなことが起きます。いろんな困ったことが起きても、まわりが助けに行けない。なぜなら、動ける職員は、その多くが担任として、学級に張り付いていたからです。そこで、困っている学級、子どもたち、あるいは、今こそ人が必要だ、ということがある学級、子どもたちに対して、それぞれの学部の考えで、人を動かすことができる体制が必要だということで、考えた体制です。つまり、いつでも担任が一人で対応する、という一人担任制ではなくて、責任を持つ存在として、担任は一人配置します。あとの学部の職員は、全員が、「チーム副担任」として、学部の考えで、必要なところに、必要な職員を、配置できるように考えたものであるということをご理解いただければと思います。少ない人数の中でも、子どもたちの実態や学びに応じた対応を、もっと言えば、学部の子どもたちを、学部のみんなでフォローする体制をつくっていく、職員の数が足らない状況であっても、子どもたちの安全、子どもたちの学びを確保していくための変更であるということで、ぜひ、ご理解をいただければと思います。あとの具体的な対応については、各学部の方でお話があると思いますので、そちらでご確認ください。
・最後に、5点目。創立50周年に関わって、です。鳥取養護学校は、記念すべき創立50周年を迎えました。50年という長い歴史を紡いでこられた、子どもたち、保護者、関係の皆様をはじめ、諸先輩方に、心より敬意を表したいと思います。そこで、この5月30日に、記念式典を開催し、関係の皆様にもお集まりいただいて、お祝いの式を開催します。で、他校では、「創立〇周年」を祝う式典の日は、特別な日として、式と合わせて、その日にいろいろな催しをされていますが、本校では、子どもたちの実態も考慮し、長い時間を使って一日で済ませるのではなく、子どもたちも参加しやすいよう、式典は式典だけで終わらせ、その後の一年間をかけて、少しずつ50周年を祝う、あるいはそこに感謝できるような取り組みを少しずつ展開していきたいと思っています。手始めとして、高等部で美術を専攻している子どもたちへ、50周年を記念して、本校のキャラクターを新しくデザインしてもらうように投げかけました。今週の火曜日には、美術の時間にお邪魔して、私の思いを伝え、依頼したところです。今後、児童生徒会にも中心になってもらいながら、本年度のうちのどこかで、お披露目できたらと思っているところです。他にも、記念誌の発行や、子どもたちが体験できる行事など、50周年を記念して行う取り組みを、年間を通して、少しずつ、実施していきたいと思っていますことを、お知りおきいただければと思います。保護者の皆様にも、いろいろとご協力をお願いすることがあろうかと思いますので、よろしくお願いいたします。
以上、長々としゃべりましたが、本年度も、どうぞ、よろしくお願いいたします。