自立活動とは

 自立活動は、学校教育法72条を受けて、盲・聾・養護学校の設置目的を達成するために特別に設けられた指導領域で、障がいのある幼児・児童・生徒の教育に当たっては、教育課程上重要な位置を占める領域です。
 また、2001年5月に世界保健機関(WHO)の総会において「国際障害分類(ICIDH)」が改正され、「国際生活機能分類(ICF)」が採択されるなど、障がい児(者)を取り巻く社会情勢も大きく変化しています。国際生活機能分類(ICF)は、障がいがあってもバリアフリー等の整備が進んだ環境で生活することによって、活動や参加の制限が減り、生活の質が向上するという考え方です。これからの自立活動について考えていくうえでは、ICFの理念を積極的に取り入れていくべきだと考えます。
ICF
 学習指導要領における自立活動の目標は以下のようになっており、社会生活力をつけ、環境に対して積極的、主体的に働きかける力をつけるため、個々のニーズ把握すること、主体的な取り組みを促すことが大切だと考えられています。 自立活動の内容は6つの柱から構成されており、各教科とは異なり、人間としての基本的な行動を遂行するために必要とされる項目を選定して指導するものです。

自立活動の目標
個々の児童または生徒が自立を目指し、障がいによる学習上または生活上の困難を主体的に改善し、又は克服するために必要な知識、技能、態度および習慣を養い、もって心身の調和的発達の基盤を培う。

自立活動の内容
    1.健康の保持
    2.心理的な安定
    3.人間関係の形成
    4.環境の把握
    5.身体の動き
    6.コミュニケーション

皆生養護学校の自立活動


本校では、一人一人の具体的な目標と内容については、個々に「個別の指導計画」が作成され、6つの区分をもとに長期目標(1年間の目標)や短期目標(1学期間の目標)・学習内容などが設定されています。自立活動の学習は、学校の全教育活動を通して行われる「自立活動の指導」と時間割に特設された「自立活動の時間における指導」とで構成されています。皆生養護学校では、幼児・児童・生徒のニーズに応じて、週2~28時間の「自立活動の時間における指導」を設け、様々な取り組みをしています。



皆生養護学校で取り組んでいる自立活動の時間における指導 

①温水プールを使った自立活動

 大プール30℃、小プール40℃、室温30℃の温水プールで、6月~10月までの期間、浮力や推進力など水の特性を活かした活動を行っています。





②大型器具を使った自立活動

 ユニジャンプなどの大型機器具を使って、バランスのとり方や体の動かし方、リラクセーションの仕方などを学習します。







③音楽を使った自立活動

音楽に合わせて体を動かすこと、音楽の抑揚やリズムを感じることで、自発的な動きを引き出したり、対人関係の育成を図ったりします。





④個別の自立活動

子どもたちの実態やニーズに応じて行う学習です。健康の保持・増進、姿勢・運動・動作、コミュニケーション、支援機器の活用など、個々の課題に応じた学習が工夫されています。