担任の先生との面接…。この一言に,保護者のみなさまや地域のみなさまはどんな思い出が蘇ってくるでしょうか。このブログを読んでくださっている中学生のみなさん,先生に「今日,面接な!」と声をかけられたら,どんな心境になりますか。
生徒一人ひとりの個性と命を大切に,一人ひとりを丁寧に指導することをモットーとする鳥取東高校では,どの学年も通年で,生徒との個別面談に取り組んでいます。多感な十代を生きる高校生は,1日単位で変化し,成長します。だから,過去や昨日の姿で「生徒の今」を語るのではなく,刻一刻と変化しつつある生徒リアルを生徒と先生が共有し,時に自分を見つめなおしながら,生徒にとって充実した学校生活を未来志向で創ることを支援する,そんな面談を重視しています。
鳥取東高校では「面談」ということばを多用します。読んで字のごとく,互いにことばを交わすことで生徒の心に火がつくような,そんな瞬間を創出したいという担任の先生の願いがそこに込められているのでしょう。
入学して約半年が過ぎた1年生。「三兎を追う」仲間入りをし,東高生活にもそこそこ慣れてきたかな…との肌感覚がありながらもやはり,面談となるとそれ相応に緊張するのは入学時とさほど変わらないようです。自分の生活スタイルに合った予習・復習の仕方,得意を伸ばす(または不得意から逃げない)方策,文理選択や進路研究等,面談で取り上げられるどの話題も「自分を見つめること」ばかりですから,それも当然かもしれません。
でも,だからといって職員室に足が向きづらいということはあまりないようです。自分のことを本当に思う担任の先生の温もりが感じられ,時に叱咤激励が飛んできても自分のことをいつも見守ってくれているからこそなんだ,と本能的に理解できているからでしょう。生徒と先生のそんな紡ぎあいの積み重ねもあり,ある程度の緊張感を覚えつつも,自分の本当の思いや考え,あるいは悩みなどについて自分のことばで落ち着いて語れる生徒も増えてきたようです。
第1学年の取組で特徴的なのは,学年長面談も並行していることです。「東高に入学したい!」という思いを持って入学してきたすべての生徒を応援し,人として大きく成長させたいとの覚悟のもと,毎日2名の生徒と対話を続けています。時に聞くに徹し,時に考え合う,そんな時間をとおして,生徒の数だけのストーリーが生まれています。
「面談に行くときは『今日は何を言われるんだろうっ』て思ってドキドキするんですけど,面談が終わると『よし,頑張ろう』って思えます。」とはある1年生のことば。
高校は,自らの意思で通うことを決意した学びの場です。ならば,面談があったからこそ自分の心に灯った火を,今度は自分の力で灯し続けねばなりませんね。風が吹いて炎が消えそうになっても決してあきらめず,炎が燃え上がったからといって有頂天にならず,より高みを目指してまずは,学習の面でも生活規律の面でも基礎基本や凡事を徹底することをとおして「高校生になる」ための時間を自らの手で創りたいものです。
語り合うからこそ見えてくるものがあるのは授業でも同じ。予習や復習でしっかり準備し,先生方からの問いに対して質の高い思考や発言をとおして,少しずつ,でも着実に,学びの面でも人としての力の面でも強くなっていきましょう。鳥取東高校はそんな生徒を全力で応援します。