この一環として7月22日(月),東京大学准教授 池内 与志穂先生を講師としてお招きし,鳥取東高校と東京大学のコラボ企画「サイエンスゼミ」を開催しました!今回の学問フィールドは生物学。世界で最先端を行く研究の一端に触れ,人体の不思議や素晴らしいメカニズム,そして科学的なものの見方や考え方にどっぷり浸かる,贅沢で素敵な時間を過ごしました。
今回お招きした東京大学 池内先生は,人のiPS細胞から大脳の神経細胞を作り出し,脳の仕組みを明らかにするという研究をなさっています。今回の「ハイレベルセミナー」では,池内先生が取り組まれている最先端研究の内容について講演していただき,実際に作り出された脳細胞の観察も行いました。
このセミナーに参加したのは,事前に希望・申込みをした約70名の生徒。どの学年からも参加者がありました。世界的に最先端を行く研究内容というのはやはり,高校生にとってもワクワクするものなのでしょう。池内先生のご講演にどの生徒も食い入るように聞き入っていました。
講演の次はいよいよ観察。一人ひとりが,実際に顕微鏡をとおして脳細胞や神経細胞を観察しました。教科書や図説に掲載された画像写真は目にしたことがあっても,本物の脳細胞や神経細胞を自分の目で観察するのは初めて,という生徒がほとんど。顕微鏡をのぞき込みながら疑問に感じたことなどについて,池内先生に直接質問をしながら,どの生徒もが興味津々に取り組んでいました。
参加した生徒の声を事後アンケートから抜粋して紹介します。
▶大脳オルガノイドの話はとても興味深かった。脳のようなものをつくれることはすごいことだと思った。
▶実際に顕微鏡で脳や神経細胞などを見ることができて面白かった。「脳を調べるために脳をつくる」という発想がすごく興味深かった。
▶今までiPS細胞と聞いてもあまりピンとこなかったけれど,今回のセミナーをとおしてその構造や仕組みについて理解できた。iPS細胞の拡がりを知れて楽しかった。
▶お話しされた技術は驚くものばかりで,想像していたよりも科学研究がずっと進歩していることがわかった。
▶楽しくわかりやすい講義のおかげで,新たな分野に興味がわいた。顕微鏡で観察して何の細胞かを特定するクイズが難しかったけどおもしろかった。
池内先生は終始,親しみやすい語り口で東高生に接してくださいました。ご講義内容についても,高校生にもわかりやすく,そして東高生の「科学する心」をくすぐるよう,たくさんのご配慮をいただきました。おかげさまで生徒は講義をとおして新しいことを学び,学習への意欲がさらに高まりました。生物学の面白さや奥の深さを味わっただけでなく,科学的なアプローチで謎を解明する醍醐味や科学の応用に思いを馳せた生徒もいたようです。
池内先生,本当にありがとうございました!