鳥取東高生は,高校生であるとともに地域社会の一員。ふるさと・鳥取をより魅力ある社会にするため,東高生にできることもすべきことも当然あります。東高生も高校在籍中に成年を迎えるだけに,どの生徒にも「近未来の主権者としてできる実践」に取り組める場を提供できれば…と鳥取東高校はそう思っています。
このたび,鳥取市議会様からのご提案により,5年ぶりとなる「鳥取市議会 議会報告会・意見交換会」が鳥取東高を会場に開催されました。この企画に,1年生6名が自主的に参加!この6名から提案された3つの市政上の課題について活発に意見交換を行いました。
7月5日(金)午後4時。鳥取東高「しののめ会館」に,鳥取市議会広報委員会 加藤委員長様,文教経済委員会 浅野委員長様をはじめ11名の市議会議員の方々にお集まりいただきました。
鳥取東高生徒から意見交換テーマとして提示されたのは次の3つ。KJ法を運用してアイデアを共有したのち,ポイントを絞りながら実効性のある施策について検討しました。
グループ1:鳥取市が持つ資源を生かし,観光業をさらに盛り上げるには?
グループ2:ICカード利用促進を含めた鉄道交通のあり方について(本数の不足をどう補うか)
グループ3:耕作放棄地の利活用について
「高校生目線からの,高校生ならではの指摘や着想,アイデアを参考にしたい。だから,みなさんの本音を聞かせてほしい。」
議員のみなさまからのそんな依頼に安堵したのでしょうか。自ら設定したテーマに関する窮状や課題意識について,どの生徒もバンバンと意見を出し,議員のみなさんと活発に意見交換をしていました。
「なるほど~!」「その発想はなかったなぁ」「実はこういう事情があってな…」等々,議員のみなさんから発せられる様々な反応が,それぞれのグループでのざっくばらんな,それでいてヒント満載の意見交換の様子を物語っていました。
意見交換会の締めくくりは,アイデアや提言の全体共有。グループを代表し,東高生が即興的にプレゼンテーションを担当することになりました。中には,実によくリサーチ・検討されたものであるがゆえに施策案として即取り入れられそうな,そんな具体的な提案もありました。
「この生徒たちは本当に1年生ですか?」「高校1年生でここまでできるなんて!」
これらは,発表を聞かれた市議会議員のみなさまのお声です。確かに,つい先ほどまで熱く意見交換していた内容をわずか数分の間に整理し,原稿も何もない状態で,マイクを持って市議会議員のみなさまに発表をするその様は,実に堂々としており,内容面でもしっかりしていました。閉会に際し,「若者の政治離れが著しいといわれるが,決してそんなことはないと実感した。」と挨拶された上杉議員様のことばもうなづけます。
約1時間強のこの企画。参加した生徒はもちろん議員のみなさまにとっても濃密な時間となったようです。事実,1年生6名の感想に共通するのは「もっと時間が欲しかった(もっと時間があれば)」というもの。議員のみなさまも口々に「本当に楽しかった」「あっという間だった」「大人ではまず思いつかないアイデアがたくさんあった」「もっと東高生さんと話がしたい!」とおっしゃっていました。
今回,ふるさと・鳥取を思う大人達の本気度に,6名の生徒は直接触れることができました。ふるさと・鳥取を大切にしたい,ふるさと・鳥取に暮らす人々の幸せを創出したい…そんな思いと使命感に溢れる議員のみなさまと,本音そして「思い」を交わすことで,6名の生徒それぞれが抱いているふるさと・鳥取への思いもさらに強くなったことと思います。
このような貴重な場を鳥取東高生にご提供くださいました鳥取市議会のすべてのみなさまに,心からの感謝をお伝えしたく思います。本当にありがとうございました。無関心者でも傍観者でもなく,ふるさと・鳥取を共に創る主体たる人材育成への覚悟を,本校としても新たにしました。
今後も,社会課題に関心を持ち続け,人と人とのつながりを大切にし,他者への思いやりと優しさのある人材育成に取り組んでまいります。引き続き,ご指導くださいますようお願いします。