その一環として昨日(7月17日),3年選択授業「キャリアアップ英語」の授業において,東高生徒(3年生)と英語科職員を対象に,社会的なテーマについて同授業選択者が考察してきた結果を発表するとともに,このテーマについてともに考えることを目的とした英語プレゼンテーションを開催しました。
3年選択授業「キャリアアップ英語」は週2コマ。JTE(日本人英語教師)とALTとのティームティーチングで行われる授業で,使用言語はもちろん,100%英語となっています。
英語を英語で理解しあう,そして社会的・時事的な話題について識見を深めながらそれらに関する自分の本当の気持ちや考えを英語で即興的に伝え合うといった「本当のコミュニケーション活動」をとおして実戦的な英語運用力を高めることを目的とした授業です。
1学期末を控えた7月18日(水)。この授業を選択する3名の生徒が1つのチームとして議論と検討を重ねてきたテーマについて英語でプレゼンテーションすることになりました。30名以上の同級生と英語科教員を前に,若干緊張した面持ちの中にもやる気をみなぎらせ,プレゼンテーションが始まりました。
テーマは "Should we rely on AI for education?"(私達学生は教育を受けるにあたりAIに頼るべきか?)。
今後の学習において学習者は,益々進化し革新されもするであろうAIとどう付き合っていくのか…。3名の生徒は,独自に行ったリサーチ(アンケート等)とその分析とを踏まえ,賛否両論あるAIの活用についてのチームとしての考えを理路整然と英語で発表しました。
このプレゼンテーションに至るまで,ALT エミリー先生の力も借りながら,多角的にそしてクリティカルによく議論し考察してきたのでしょう。3人とも自信を持って担当パートのプレゼンを完遂しました。英語の発音や抑揚,間の取り方や話すスピードも適切。「話すこと」重視の授業成果がしっかり出ていました。
果たして,時間の経過とともに,会場の生徒・教員がこのテーマについて思考する度合いがだんだん深まっていくのが感じられる,そんな空間になりました。
約10分間のプレゼンテーション。いわゆる「尺」としては決して長いものではありませんでしたが,会場に集まった生徒・教員とも,このテーマについてじっくり考えられた,そんな時間でした。
それは,独自のリサーチ結果(データ)とその分析が彼らの主張に説得力を持たせられたからというだけではありません。3名の発表者それぞれが,このテーマを「自分事」としてとらえ真剣に向き合い続けているからでもありました。
事実,プレゼンテーション終了後に交わされた参加者との質疑応答において,どの質問にもこの3名は,英語で即興的に応じられていました。「わからない」とごまかすことも,別の話題にすり替えることもなく,「そのことについては,自分はこう思う」と,堂々と。テーマに正面から向き合い,高校生としての自分の日常生活も含めて関連する情報を得ては考える,という営みを続けてきたこの数か月の歩みが,そこに透けて見えました。
今,自分は学習者。今後,学生として,あるいは社会人として社会に出ていこうとも学びは続く。そして,AIの進化・革新も進んでいく。ならば,このテーマは今,聴衆として参加している私にとっての課題でもあるんだ…。参加生徒はきっと,そんなことを感じていたのではないかと思われます。
今後も,自分の考えていることが適切に相手に伝わり,相手とのコラボレーションや人と人との好循環を生んでいけるような,そんな英語力育成に鳥取東高校は取り組んでいきます。