本校普通科・理数科1年生は「総合的な探究の時間」において,「自分達ならではの着想や取組をとおして,ふるさと・鳥取の抱える地域課題を解決しよう!」と,関係事業所・機関・施設・企業・団体のみなさんと協働的に取り組んできました。
同日の7・8限はその成果発表会。12月には,お世話になっているみなさんの職場や関連施設を訪問させていただき,実地的に研修しました。「現場」の生の声に触れただけでなく,「現場」に行かないとわからないことも五感をとおして感じてきました。
今回の発表会は,そうした学びを踏まえ,生徒がより具体的かつ協同的に探究活動を発展させた成果を発表する場。みなさん,「その後,どんな風に発展したかな?」「どんな探究成果が見られるかな?」と楽しみにしてらっしゃるようでした。
当日はメディアの取材も入りました。1年間の探究成果を楽しみにしていた先生方もたくさん参観に来ました。どのクラス,どの生徒もさすがに緊張した様子は隠せませんでしたが,にこにこと見守ってくださる地域のみなさまに背中を押され,いよいよ,発表がスタートしました。
本校普通科・理数科1年生の「総合的な探究の時間」は,ふるさと・鳥取の抱える地域社会課題の解決に向けて協同的に探究する学習と活動をとおして,主体的・創造的に考え,行動・表現できる力をつけることを目的として実施しています。
この日は,生徒が連携・協働させていただいている事業所や機関,施設,団体等から約20名ものみなさまにもご来校いただきました。
「参観する私たちのほうが緊張しますよ,先生。あの子達,しっかりやりきれるかしら…。」と,ソワソワした様子で,一緒に考えてきた生徒の出番を待つ方。「自分達にはまず思いつかないアイデアを出してくれた。自信をもって発表してもらいたい。」と熱い視線を注ぎながら見守られる方。様々なかたちをとおして,そして様々な思いを込めて本校1年生「鳥取学」をサポートしてくださってきたことを実感しました。

果たして,7クラスで同時に発表会がスタート。高校生としての目線や高校生ならではの感性を生かしたり,12月の校外学習をはじめとする「実際に自分の足で動いた」結果としてわかってきたことを発展させたり…という,そんな営みを重ねて「鳥取学」に取り組んだ様子がよくわかる発表がたくさんありました。
中には自分達で現地に行き,そこで自分達なりのコンセプトに基づいた写真を撮影し,既存のキャラクターを活用して魅力的な宣伝動画を作ったり,自主的にポスターを作成したりした班もありました。

この「鳥取学」の推進に際しては,公立鳥取環境大学経営学部 竹内 由佳先生にご指導をいただいています。この成果発表会にも,お忙しい中ご来校くださり,創意工夫を凝らした生徒の発表をご参観くださいました。
全グループの発表後,竹内先生からご講評とフィードバックをいただきました。同大学の学生を含め,これまでに大学生や高校生が取り組む課題研究についてたくさんのご指導をされてきたご経験とご識見を踏まえ,課題設定の理由をいろいろな面から丁寧に説明する必要性等についてわかりやすくお話しくださいました。来年度に控えている探究活動や理数探究にきっと生きる!と思われる,具体的なお話でした。
最後に,ルーブリックで相互評価した結果をもとに,各クラスで最優秀賞と優秀賞が発表・表彰されました。最優秀賞に輝いたグループには副賞として学年長から今回の訪問先の1つでもある「道の駅はっとう」さんのドライフルーツが,優秀賞に輝いたぐるーぷには探究部部長から鳥取東高・おせっかい食堂の食券が,それぞれ贈られ,盛況のうちに幕を閉じました。
すべての1年生が,高校生ならではの発想を活かし,来年度以降も好奇心と行動力を大切にして,探究学習・活動をより楽しんでくれたらいいなと思います。今年度の1年生が取り組んできた一連の活動にご協力くださったみなさま,本当にありがとうございました。
本校は今年度,文部科学省「DXハイスクール」に指定されました。これに伴い,来年度から,従来1年次に取り組んでいた「総合的な探究の時間」は,1年次必修科目「理数探究基礎」に替わります。
この「理数探究基礎」では,目的や目標にあわせたデータ分析の仕方や活用の方法等について実践的に学ぶとともに,文系,理系の別を問わず,デジタル社会における基礎素養を育むことも狙いとしています。データ化及びデータ分析にかかわるスキルを実践的に身につけることで,探究活動における基礎的なスキルの習得と向上を図ります。
2年次は,こうした学びをとおして習得した見方・考え方,そしてスキル・手法を踏まえて,普通科では「鳥取学」にかかわる探究学習・活動を,理数科では課題研究(理数探究)を,それぞれ実践します。課題の抽出や仮説設定等,探究活動における「肝」といわれる部分について,データをとおして検証したり具体的・客観的根拠のある提案として構成したりと,探究活動がさらにパワーアップすることが期待されます。
みなさま,鳥取東高校のこれからの探究学習・活動にぜひご注目ください!