日誌

平成25年度1学期始業式式辞

2013年4月8日 13時45分
平成25年度1学期始業式式辞
    
  みなさん、今日から平成25年度が始まりました。春休みの生活はいかがでしたか。家庭で過ごされたり、デイサービスなどで過ごされたり、学校とは違う人々と触れ合って、よい春休みを過ごされたと思います。
  これから、新しい学年・学級で、新しい気持ちで学校生活を始めましょう。
 
  私は、鳥取養護学校をこんな学校にしたいと思っています。
 ○ みなさんが、先生や友だちと関わりを楽しみ、楽しくお話や勉強ができる学校
 ○ みなさんが、自分のことを相手に伝えたり表現できる力を伸ばす学校
 ○ みなさんが自分のことや友だちのことを大切に思い、そして皆さんが生きる意味や役    立ち感のもてる学校

  みなさん一人一人がすばらしいものをもっています。それを発揮できる学校にしたい。また、自分のことを大切に思い、自分に自信をもってもらいたい。これが、私の願いです。
  皆さんの中には、体に不自由があったり、病気があったり、心の調子が安定しなくて、いろいろ勉強や生活をする上で、苦労があることと思います。
  しかし、人と同じようにできなくても、何とかしようという気持ちがあれば、いろい  ろアイデアが浮かんできます。
  かつて、みなさんの先輩で、このような方がおられました。彼は、電動車イスで生活をし、勉強も教室の後ろにベッドを置いて、学習の半分は車イスで、半分は教室のベッドで勉強されていました。
  ある時、自立活動の時間で、5人が一組で「じゃんけんゲーム」をしようということ  になりました。「ぱー」は、みんなが立ちます。「ぐー」はみんなが座ります。 「ちょき」は、2番目、3番目の人が立ち、他の人は座ります。
  しかし、この先輩は、立つこともできないし、体も自由に動きません。そこで、彼はこんな提案をしました。その内容は、自分は車イスを使っているので、みんなと同じようにはできないけど、みんなが立つ時には車イスを前に出し、みんなが座る時には後ろに動かして参加するというものでした。
  私は、この言葉を聞いた時、驚きとともに深い感銘を受けました。工夫することによって可能性は広がることをこの生徒から教えられました。彼は、現在、DVD制作等の会社で活躍されています。
  これから、一年間、学校は、日々の学習の他に、修学旅行、校外学習、職場体験、宿泊学習、学習発表会など、いろいろな行事があります。みなさんが、積極的に参加して、成長されることを期待しています。

  さて、来年度、鳥取養護学校は創立40周年を迎えます。人間で言うと40歳ですよ。
その取組の準備にもかかりたいと考えていますが、いろいろ皆さんにも相談させてもらうことがあると思います。
  鳥取養護学校をこれまで、卒業された方は、今、どのような生活をされ、活躍されて  いるのでしょうか。また、鳥取養護学校がなかった時にも、このような学校で学びたい方はおられたと思うのですが、その方はどうしておられたのでしょうか。
  このようなことを知り学ぶことは、みなさんの生き方を支えることにもつながるので  はないかと考えていますが、どうでしょう。また相談させていただきます。
  いろいろお話をしました。本年度が、みなさんにとって、楽しい思い出がたくさんで  き、一人一人がたくましく成長されることを願って、始業式の挨拶とします。