SSH ココカラ・サイエンス(科学を創造する人財育成事業)
2025年10月21日 13時24分令和7年10月17日(金)、本校を会場に、島根県から松江南高校、松江北高校、松江東高校、出雲高校、鳥取県内から鳥取東高校、鳥取西高校、倉吉東高校、鳥取中央育英高校、湯梨浜学園高校、米子西高校、境高校の11校、総勢110名の生徒の皆さんの参加を得て、「ココカラ・サイエンス(科学を創造する人財育成事業)」を開催しました。
午前中の講演会では、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA) 宇宙科学研究所 准教授 生田 ちさと氏(本校87期)を講師としてお招きし、「進路に迷ったら 宇宙(そら)を見よ:星の輪廻転生と遙かな宇宙の物語」という演題でご講演いただきました。
宇宙の始まりから最新の研究に至るまでを、数多くのシミュレーション動画とともにわかりやすく教えていただきました。専門知識の有無にかかわらず、誰もが宇宙の壮大さに引き込まれる内容で、初めて宇宙科学に触れる生徒にとっては無限の可能性を感じるきっかけになりました。また、もともと宇宙に興味・関心が高い生徒たちは、先端研究の話題にさらに深く心を動かされました。生徒からは「宇宙にはまだたくさんの謎があるので、今後の研究に注目したい」「”進路に迷ったら宇宙を見よ”という言葉に最初は不思議さを感じたが、星の誕生と死、そして次の星へとつながる星の輪廻の話を聞き、その意味が分かった気がした」など、生徒たちの学びと成長を感じさせる感想が多く寄せられ、卒業生との貴重な交流を通じて、将来への視野が大きく広がりました。
午後からは、13分野の講座に分かれ、数学コンテストや科学分野の実験、模擬国連などに取り組みました。本校生徒と11校の参加校生徒が一緒に興味・関心の種を膨らませたり、科学探究力や社会貢献意識を培ったりするようなSTI(Science Technology and Innovation)体験をしました。
A.数学コンテスト
3人一組のグループに分かれ、難易度別の問題を制限時間内に解き、その時間を競いました。徐々にレベルの上がっていく問題に、頭を寄せ合い、力を合わせて取り組む姿が多くみられました。山陰地区の数学猛者たちが切磋琢磨したコンテストの結果、今年の優勝は鳥取西高校のグループでした。おめでとうございます。
B.物理分野「振り子の等時性の限界に迫ろう」
振り子の周期の公式は、おもりの大きさを無視して、振れ角が小さいとして導かれています。現実の大きさが無視できないおもりではどうなるか、振れ角を大きくしたらどうなるか、本校理科教員を講師として実験で確かめました。
C.化学分野「金属イオンを検出してみよう!」
本校理科教員を講師として、溶液の変化を手がかりに、水溶液の中に隠れている金属イオンを検出することに挑戦しました。実験中、違う班に赴き情報交換する「交流」時間を設けたことで、活発な実験活動になりました。他校の生徒とも活発に意見交換している様子が見られました。科学探究力だけでなく貴重な交流の機会となりました。
D.生物分野「昆虫の体を作るすごいしくみ」
理化学研究所生命機能科学研究センター理化学研究所名誉研究員 林 茂生 先生をお招きして、キイロショウジョウバエをモデル系として発生における組織の形態形成のしくみを最先端の研究に触れながら講演をしていただきました。その後、遺伝子組み換え体(GFP)と非組み換え体のショウジョウバエの観察を行い、発生のしくみを考察しました。生徒は普段体験することができない蛍光顕微鏡による観察を行い、生物に対する好奇心の種を膨らませました。
E.地学分野「今、あらためて地震を学ぶ」
日本地学オリンピック派遣講師による特別講座として、兵庫県立大学大学院地域資源マネジメント研究科 川村 教一先生をお招きして、地震について学びました。持続可能な社会を考える上で欠かせない自然災害リスクを地球科学の視点からデータを分析した後、グループディスカッションを通じて思考を深め合いました。