全国の高校生を対象とした「第7回万葉の郷とっとりけん全国高校生短歌大会」が11月8日に実施されました。個人部門には全国から401首の応募があり、本校から3年生2名が審査員特別賞(選者賞)を受賞しました。また、2年生4名が入選を果たしました。
【大辻隆弘・審査員特別賞】
夕暮れはひとりのわたし青だけを選んで入れたプレイリスト聴く 圓城寺陽菜乃(3年)
【江戸雪・審査員特別賞】
真夜中のぱらりとめくる単語帳隣の弟ぐっすり寝ている 櫛田 ななみ(3年)
【入選】
うっそうと茂る故郷の杉を見てあなたに会いたい恋心重る 芦谷 佳音 (2年)
月初め英語の時間のペアトークまだまだ遠い大きなリュック 小谷 美紅 (2年)
あたたかな風に吹かれて目を覚ます時計の針がそっぽ向いてる 升本 実玖 (2年)
僕はまだ大人の味とか分からんわなすの煮浸し三つもいらん 山本 峻太郎(2年)
本校2名が受賞した審査員特別賞は個人部門の最優秀賞にあたる賞(審査員は5名)。
圓城寺作品について、大辻隆弘審査員は、「夕暮れはひとりの時間」の「は」から他の時間は友達や家族と一緒の時間を過ごしているがこの夕暮れの下校の時間は自分だけの特別な時間だと分かる。そして、その時間に「青」に由来する曲のプレイリストを聴いているというところに実感があり、たっぷりとした韻律の下の句とよく合っていると評されました。
櫛田作品について、江戸雪審査員は、受験生の夜の勉強時間がリアルに伝わってきて、また、「ぱらり」という表現とそばに弟を感じているという微妙な気配を感じ取りながら過ごしている時間への愛おしさや一人の成長する姿が感じられると評されました。後に本人から「弟」はフィクションであることが告げられ、創作への意欲や意匠がほほえましく評価されました。
文学や和歌にも造詣の深い平井伸治知事から表彰状と記念品が直接手渡されると同時に、それぞれの歌が透明感のある瑞々しい表現であるとの評もいただきました。
(1枚目:圓城寺さん、2枚目:櫛田さん)
