「教養を深め,将来は海外を舞台に活躍したい」「海外留学し,英語力をもっと高めて,国家間の紛争を解決したい」…鳥取東高にはこんな夢や目標を持つ生徒がたくさん在籍しています。そんな志を持つ生徒がこのたび,鳥取西高校で開催されたグローバル・セミナーに参加。ゲスト講師との直接対話をとおして学び,大いに刺激を受けてきました。
今回のセミナー講師を担当されたのは,2014年3月に鳥取東高を卒業した吉田 有璃さん。大学を卒業後,総合事務系で農林水産省に入省し,令和4年から2年間,米国コロンビア大学公共政策大学院に留学し環境政策を専攻されました。世界トップレベルの大学の一つです。
コロンビア大学留学中,インターンとして国連日本政府代表部で日本政府代表として国連決議案交渉に携わったり,開発・気候変動・食糧安全保障等のマルチ外交にも従事。スマート農業や持続可能な農業政策,さらには日米の大学教育の違い等について講演してくださいました。

国家間の外交交渉体験や世界最高レベルの大学院での学びについて,吉田さんはリアルにお話ししてくださいました。おのずと,鳥取東高生のメモ取りも活発になります。
さらに「ディスカッションの場で何の発言も質問もしないのはその場にいないのも同じ。議論の活性化に寄与貢献すること,そしてそのプロセスを通して互いに考えあうことがアメリカの大学での学びにおいては重視される。」と吉田さんは指摘。この指摘に刺激を受けたのでしょう,講演後の質疑応答では,次々と手が上がり,活発なやり取りが展開されることになりました。もちろん,東高生も鋭い質問を吉田さんに投げかけていました。
セミナーは予定時間を20分ほどオーバーし,盛況のうちに終了。あっという間の,白熱した時間でした。吉田さんの飾らぬ人柄と内に秘めた強い思いに感銘を受けたのでしょうか,終了後,個別に吉田さんのもとに歩み寄り,さらに質問をする東高生徒も。やはり「本当に欲しいもの」は自ら動いて得ていかないと本物にはならないのですね。
「こんなにもたくさんの東高の後輩の皆さんに来てもらって嬉しい!ありがとう!」と吉田さんも感無量の様子。記念撮影をし,グローバルな舞台での活躍を互いに誓い合いました。参加した10名にとって,実に濃密で,モチベーション爆上げの学びとなりました。

〈参加生徒の感想〉(抜粋)
▶国際交渉の場では「専門家」になることが必要になると知ったので,日頃から好き嫌いに関係なく様々なことに興味を持って,幅広い教養を今からでも身につけていこうと思った。
▶自分も吉田さんのように,自分の目標のためにひたむきに努力して,協働,能動的な魅力的な人材になれるよう頑張りたい。
▶学校もやはり学びに来る場所。積極的に参加したほうが自分のためになる。チャンスを逃さず学んでいきたいと強く思った。
〈吉田さんからのメッセージ〉
▶私自身は完璧ではないし,高校生に圧倒されてしまうような存在でもありません。不器用で,周りの人にかなり頼っているし,精神年齢は18歳の時とさほど変わっていないようにも感じます。それでも,まじめに,素直に,まっすぐにやっていれば,見てくれている人はちゃんと見てくれるし,運も味方してくれるのかな,と思います。
▶だから,東高のみなさん,みんなやればできるんですよ!みなさん,可能性に溢れているんですよ!一緒に,志を高く掲げ,努力していきましょう。
このような機会を提供してくださった鳥取西高校の先生方,本当にありがとうございました。本校生徒にとっても貴重な学びの機会となりました。心からお礼申し上げます。