お知らせ

第3学期始業式

2020年1月8日 12時45分

 1月8日(水)第3学期始業式を行いました。全校生徒が体育館に集合し、校歌斉唱をした後、岩田直樹校長の式辞があり、創立110周年を迎える年の年頭に当たり、鳥商の何名かの卒業生についての話をされました。
 まずはオリンピックイヤーにちなんで、2008年の北京オリンピックに出場したバレーボールの山本隆弘さんと、陸上部出身で2006年のトリノオリンピック、2010年のバンクーバーオリンピックに連続出場したボブスレーの小林竜一さんを、つぎに3年前に69歳でなくなったマンガ家の谷口ジローさんを取り上げられました。
 続いて、天才と呼ばれながらも、わずか23歳の若さで亡くなった八頭町(旧八東町)出身の歌人・杉原一司(1926-50)を取り上げられました。最近になって再評価する動きがあり、歌集を刊行するための資料調査のため元公文書館長の安藤隆一さんが来校されたことに触れ、さらに、ともに調査を進めていらっしゃる鳥取大学地域学部の岡村知子先生にうかがった話として、
 ・杉原さんは、自己を表現したり、社会に働きかけたりするために“短歌”という方法に希望をつないだこと
 ・彼の歌や歌論からは、“定型”という制約を自分で自分に課し、その不自由さと向き合うことで、初めて他者の自由を尊重できたことが伝わってくること
 ・歌人が自己の内部に他者の言葉を蓄積し、そこから選び出しては削り取り、作品として固定する作業は、現代人のSNSでのコンパクトな情報発信と似ているところと異質なところがあるようで興味深いこと
などを話されました。
 そして、話の締めくくりに、110年もの長い歴史がある鳥商には、約2万人の卒業生がいる、立派な業績を残した卒業生たちを称えると同時に、家族や地域を一生懸命に支え続けた名もない人々も称えたいと思う、と述べられました。
 個人的には、SNSでの情報発信と他者の言葉の蓄積と選択についてのとらえ方には刺激を受けました。2学期の保護者懇談では、生徒のスマホの使用に頭を悩ませていらっしゃる声が多くあがっていました。SNS上の言葉の選択について、ひと呼吸おいて考えてみる時間を作ってみてはどうでしょうか。