ねぎにもいろいろあるけれど・・・
2018年9月26日 16時44分農業あれこれシリーズ
第3回
みなさん、こんにちは。農業科職員の德持です。
今年度「コネギ」を商品化し、不定期ながら「ことカフェ」で販売をするようになりました。収穫は簡単ですが、袋詰めするための不要な葉の処理に手間がかかり、効率はあまりよくありません。が、味は保証します。
さてその「ネギ」ですが、大きく分けると2種類です。「青ネギ(葉ネギ)」と「白ネギ(根深ネギ)」になります。
青ネギは、大半の部分を地上にさらし、太陽光を浴びて緑の部分の多いネギです。カルシウムやビタミンが豊富です。
白ネギは太い部分を生長のたびに土をかぶせ、太陽光にさらさないようにすることで軟白部を長くしたネギです。軟白部には硫化アリルが含まれています。この硫化アリルには・・・
・血液の凝固を遅らせ、血流を改善し、血栓をできにくくする
・善玉コレステロールを増やし、悪玉コレステロールを減らす
・血液中の中性脂肪を減らす
・疲労回復を早め、スタミナを増強させる
・白血球やリンパ球の働きを効率化させ、免疫力アップ
・脂肪の燃焼、老廃物の排出
・血糖値の上昇を緩やかにする
・神経を鎮静化させ眠気を誘う安眠効果 など多くの効果があるのです。
しかし、葉ネギは細いものについてはこまかく分類されています。
<あさつき(浅葱)>・・・ネギではないですが、ネギの近縁種です。極細の葉ネギと 思えばいいですね。ネギは種子で繁殖しますが、あさつきは球根です。
<わけぎ(分葱)>・・・ネギとタマネギの雑種です。ちょっと基部がふくらんでます。ニラ、ニンニク、ラッキョウに近いですね。これも球根で繁殖します。
熊本名物の「一文字のぐるぐる」はこのわけぎを料理したものですね。わけぎのことを別名「ひともじぐさ」というためです。
実はもっと細いものもあります。
<かれぎ>・・・もっとも細いものは糸かれぎといいます。ネギと同じユリ科ですが15~20センチで太さ1~2ミリで刈り取ります。刈るので刈るネギ⇒かれぎとなったようです。しばらくすると刈り残した株からまた再生します。少なくとも2回は再生するようで、初回よりも2回目、2回目よりも3回目のほうが太くなるようです。辛味も苦みも少なく、とてもおいしいです。
といっても食した経験がない方も多いのでは?実はこれは鳥取県東部(特に鳥取市周辺)限定の食材のようです。これが長めに刻んで食卓においてあると、それにしょうゆをたらして白ご飯をばくばく食べてました。
私も小さいころは自宅の畑で栽培されていたのを見ましたが、最近はまったく見ません。地元スーパーにかろうじて少数販売されてるだけのようです。夏限定の食材です。食べたければ夏限定の鳥取市のスーパーです。
地域限定の定番食材ですから中部でいうと彼岸や盆、法事で食べる「いぎす」のようなものですかね? 東部はめったに食べないし、多くは売ってないですね。